ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース   作:宇宙刑事ブルーノア

89 / 287
第89話『スクールカーニバル・ウォーです!(準備編・前編)』

『ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース』

 

第89話『スクールカーニバル・ウォーです!(準備編・前編)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦車道・歩兵道全国大会の第5回戦にて………

 

大洗機甲部隊は、昨年の優勝チームである強敵『プラウダ&ツァーリ機甲部隊』を破った。

 

その際に援護・支援に駆けつけてくれたのが、弘樹の戦友である狙撃兵の『シメオン・ヘイヘ』

 

そして、スツーカ爆撃機部隊の隊長『ハンネス・ウルリッヒ・ルーデル』、『エグモント・ガーデルマン』であった。

 

その後、ハンネスとエグモントは、大洗機甲部隊の航空支援部隊となる自分達の母校………

 

『第一航空専門学校』、通称『一航専』に、大洗機甲部隊の面々を招待する。

 

弘樹はそこでも、かつての戦友………

 

『大空のサムライ・坂井 三郎』の子孫である『坂井 六郎』と再会する。

 

彼もまた、戦闘機部隊を率いて、大洗機甲部隊の支援部隊となってくれたのだった。

 

ナカジマ達・自動車部と敏郎達・整備部が修理しているポルシェティーガーの調整も、次の試合までには完了する。

 

そこで、大洗歩兵部隊は、ポルシェティーガーを駆る新たな戦車チームの随伴分隊におおかみさん分隊を移動させ………

 

新たにアリクイさんチームに随伴する歩兵分隊を結成する為に………

 

三度の歩兵補充を行う事を決定した。

 

丁度その頃………

 

大洗学園艦に………

 

『学園祭』の時期が来ていた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗国際男子校・作戦会議室にて………

 

普段は対戦相手である機甲部隊の対策会議が行われているこの場所で、今日は大洗機甲部隊の一同が、和気藹々と言った様子で楽しげに談笑している。

 

「ハイ、ちゅーもーく!」

 

とそこで、巨大モニターの下の、1段高くなっている床の上に居た男子校・女子学園合わせた生徒会メンバーの中で、杏が皆にそう呼び掛け、一同は談笑を止めて正面を見やる。

 

「諸君、先日も説明した通り、予てより調整を進めていたポルシェティーガーの整備が次の試合までには終わる事が確定した。ポルシェティーガーに乗る戦車チームの随伴分隊にはおおかみさん分隊に移動してもらう為、アリクイさんチームに新たに随伴分隊を結成する為にまた歩兵部隊の増員を行うものとするのだが………」

 

「タイミングが良い事に、もうすぐ『学園祭』の時期だ」

 

すると、迫信と俊が皆に向かってそう言う。

 

そう………

 

丁度この時期は、大洗学園艦の学校である大洗女子学園と大洗国際男子校の学園祭の時期なのである。

 

2日間に渡って開催され、初日が大洗女子学園、2日目が大洗男子校が主催校となる。

 

「そこで、2日目の我々男子校が主催校となる際に、大洗機甲部隊として広報活動を行い、部隊員の募集を通知したいと計画している」

 

「つまり、大洗機甲部隊として何か出し物をして、存在をアピールするって事ですね」

 

続いてそう言い放つ十河と清十郎。

 

「え~、と言うワケでして、皆さんに出し物の意見を伺いたいと思います」

 

そして最後に、逞巳が皆に向かってそう尋ねるのだった。

 

「楽しみだな~、学園祭」

 

そこで、一同の中に居たみほが、そんな言葉を漏らす。

 

「そっかぁ、みぽりんは大洗に来てから初めての学園祭だっけ」

 

「黒森峰に居られた頃は如何だったんですか?」

 

そのみほの言葉を聞いた沙織がそう言い、華がそう尋ねる。

 

「黒森峰はそんな派手な学園祭はしなくて………精々、戦車とかの展示とか、機甲部隊の行進パレードとか、音楽隊の演奏とかぐらいで………」

 

「まるで軍隊だな………」

 

余りにも硬派な黒森峰の学園祭の様子を聞いた麻子がそう呟く。

 

「昔行った事ありますけど、私は楽しかったですよ! あのドイツのアニマルシリーズを間近で見られて、もう感激でした!」

 

「ま、まあ、ゆかりんはそうだよね………」

 

その黒森峰の学園祭に行った事が有ると言う優花里が興奮した様子でそう語り、沙織が苦笑いを漏らす。

 

「ウチは如何しましょうか?」

 

「黒森峰を真似るワケではないが、戦車の展示や行進パレードはやるべきだな。最大の目的は我々の存在をアピールする事だからな」

 

楓がそう言うと、弘樹がそう返す。

 

「意見が有れば手を上げて下さ~い」

 

「ハイ!」

 

そこで、巨大モニター前の柚子がそう言うと、了平が勢い良く手を上げた。

 

「あ、ハイ。綿貫くん」

 

「何だか嫌な予感がするなぁ………」

 

すぐに了平を名指しする柚子と、何だか嫌な予感を覚える蛍。

 

「フッフッフッ………何を出し物にするかって? そりゃあ、こんな美少女だらけの機甲部隊でやる出し物って言ったら、1つしかないでしょ」

 

「オイ、了平。まさかメイド喫茶だとか言い出すんじゃないだろうな?」

 

立ち上がると不敵に笑ってそう言い放つ了平に、地市が呆れている様な表情でそう言う。

 

「ノンノン、そんなのもう飽和状態で珍しくも何ともないぜ。全く地市のセンスは古いなぁ」

 

(………ウゼェー)

 

了平が何を馬鹿な事をと言う様に返すと、地市は内心でそう毒づく。

 

「今の世の中で求められているモノ………ソレは!!」

 

「「「「「「「「「「ソレは?」」」」」」」」」」

 

「『水着&バニーガール喫茶! ポロリもあるよ!』だぁーっ!!」

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くお待ちください………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良し! 改めて大洗機甲部隊による、隊員募集の為の出し物を決めるぞ!!」

 

「「「「「「「「「「おお~っ!!」」」」」」」」」」

 

桃の声に一同はノリノリな様子でそう返事を返す。

 

「…………」

 

その後方には、ボロ雑巾の様になっている了平が横たわっている。

 

「了平………愚かな………」

 

「気にすんな、アイツの自業自得だ」

 

そんな了平の姿を一瞬振り返って、楓と地市がそう言い合う。

 

「では、意見の有る者は………」

 

「ハイッ!!」

 

桃がそう尋ねると、優花里が勢い良く手を上げて声を挙げた。

 

「お、おう………秋山」

 

その勢いに若干戸惑いながらも、優花里の意見を問う桃。

 

「ズバリ! ミリ飯カフェは如何でしょうっ!?」

 

それに対し、優花里は自信満々でそう言い放つ。

 

「ミリ飯?」

 

「軍隊が軍事行動中に配布される食事………所謂、レーションの事だな」

 

聞き慣れない単語に秀人が首を傾げると、大詔がそう言う。

 

「ハイ! 私の秘蔵のレーションを大放出しますよ! そして藤林教官にも協力してもらい、自衛隊の戦闘糧食も出してもらいましょう!」

 

「え~と………面白いと思いますけど………」

 

「一部の人間しか興味を誘わないと思うぞ」

 

嬉々としてそう語る優花里だったが、清十郎が戸惑いを見せ、俊からはそう言うツッコミが飛んだ。

 

「駄目………ですか?」

 

「申し訳ないでけど………」

 

「そうですか………」

 

優花里はガッカリとした様子で項垂れる。

 

「え~と、他に意見の有る人は………」

 

「射的は如何だ?」

 

と、蛍が別の人の意見を尋ねると、シメオンがそう言いながら手を上げた。

 

「射的か………成程、悪くは無い」

 

「機甲部隊のアピールも出来て、お客さんにも楽しんでもらえそうですね」

 

十河がそう言うと、逞巳もそう同意する。

 

「それで独自性を出す為に、標的は1キロ先に置いて、狙撃射的にしよう」

 

「いやいや! それじゃ誰も狙えねえだろっ!?」

 

本物のスナイパー並みの射撃距離でやろうと言うシメオンに、海音がそうツッコミを入れる。

 

「えっ? 1キロぐらいなら簡単だろ?」

 

「「「「「「「「「「そりゃアンタだけだっ!!」」」」」」」」」」

 

シレッとそう言うシメオンに、大洗機甲部隊の一同は揃ってツッコミを入れるのだった。

 

「まあ、取り敢えず、射的ってのは良いアイデアだから、キープかな? 他に何か有る?」

 

そこで杏がそう言い、シメオンの案をキープしつつ、別の意見はないかと尋ねる。

 

「西住総隊長のサイン会なんてどや?」

 

するとそこで、大河がそんな意見を挙げた。

 

「ふええっ!? わ、私のサイン会っ!?」

 

当の本人であるみほは、驚きの声を挙げる。

 

「せや、西住総隊長は大洗機甲部隊の顔や。容姿もええ線行っとるし、行けると思うで」

 

「大河………西住くんは見世物じゃないんだぞ」

 

そう語る大河だったが、みほが見世物にされる様だと弘樹は、そう苦言を呈する。

 

「お? 何や? やっぱお前さんとしては心配か? 西住総隊長に変な虫が付かへんかと」

 

「そう言う心配をしてるんじゃない………」

 

「照れるんやないで、この色男」

 

「全く………」

 

人の話を聞かない大河に、弘樹は辟易した様子を見せる。

 

「それは………素晴らしいですね~」

 

「ゆかりん、帰って来て………」

 

と、みほのサイン会と聞いた優花里が、目をキラキラとさせてうっとりとしてるのを見て、沙織がそう言う。

 

 

 

 

 

その後も、お化け屋敷、ダンスクラブ、アート展覧、映画上映、プラネタリウムetc………

 

様々な意見が挙がったが、どれも決め手に欠けていた………

 

 

 

 

 

「う~ん………煮詰まって来たねぇ………」

 

中々良いアイデアが出ない事に、杏も流石に苦い顔を見せる。

 

大洗機甲部隊の面々も、しきりに首を捻っている。

 

すると………

 

「あの………劇をやるってのは如何かな?」

 

沙織がオズオズと言った様子で手を上げ、そう提案した。

 

「劇?」

 

「うむ、確かに、学園祭の定番の1つだね」

 

逞巳が反応し、迫信もそう呟く。

 

「うん、それにホラ、それなら皆で出来るし、それで1つの事をやって成功させるって言う団結力を見せたら、良いアピールになるんじゃないかなって………」

 

そう沙織が自論を述べると、大洗機甲部隊の面々がざわめく。

 

「劇………か」

 

「ああ、良いんじゃないのか?」

 

「俺達も楽しめてお客さんも楽しめる。一石二鳥だぜ」

 

「オマケに機甲部隊のアピールになるってんなら、願ったり叶ったりだぜ」

 

そして次々と、劇をやる事に対する賛成の意見が挙がる。

 

「よおし! じゃあ劇に決まりだね! 次はやる内容だけど、コレは私達の方で決めるから、皆は展示に向けて戦車の整備ね」

 

「「「「「「「「「「ええ~~~~~っ!?」」」」」」」」」」

 

「会長命令だ! お前等とっとと行動しろっ!!」

 

劇の内容は両校の生徒会メンバーで決めると言う横暴な決定に不満を漏らす大洗機甲部隊だったが、桃がそう言い放ち、半ば強引に一同を締め出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗女子学園・戦車格納庫内………

 

学園祭で展示する為に、今まで以上に綺麗な整備を行う必要があり、更にコレまで試合で酷使して来た事もあり、本日は大洗歩兵部隊の面々を加え、全ての戦車のオーバーホールが行われている。

 

結構広かった戦車格納庫内は、大洗機甲部隊の面々が集結した事もあり、手狭となっていた。

 

「それにしても惜しかったです~………」

 

と、Ⅳ号の砲身を磨いていた優花里が、残念そうにそう呟く。

 

「? 自分の企画が通らなかった事?」

 

そんな優花里に、沙織がそう声を掛ける。

 

「それも有るのですが………西住殿のサイン会の企画が通らなかった事がです」

 

「あ、そっちなんだ………」

 

優花里がそう返すと、沙織は苦笑いを返す。

 

「優花里さん。私はサイン会なんか開く様な大それた人間じゃないよ」

 

当のみほも、優花里に向かってそう言い放つ。

 

「何を仰られるのですか! 素人ばかりだった私達がココまで勝ち進んでこれたのは、間違いなく西住殿の手腕です! 今や他校や戦車道の界隈では注目の的なんですよ!!」

 

すると、優花里はトンでもないと言う様にそう返し、自分の鞄を持って来たかと思うと、そこから1冊の雑誌を取り出す。

 

それは、全国大会中に出版される、月刊・戦車道と月刊・歩兵道の合同誌だった。

 

「ホラ! こんなにも大々的に取り上げられているんですよ!!」

 

優花里はそう言い、その雑誌のとあるページを開いて、みほに向かって見せる。

 

そこには、プラウダ&ツァーリ機甲部隊との試合の時に、索敵の為にキューポラの上に立ったみほの姿を捉えた写真と、『大洗の軍神・西住 みほ』と言う見出しが書かれていた。

 

「おおっ! カッコイイッ!!」

 

「みほさん、凛々しいですね」

 

「正に軍神の貫禄だな………」

 

その写真を見た沙織、華、麻子がそう感想を漏らす。

 

「ふええっ!? こ、こんなの書かれてたの!?」

 

しかし、自分が雑誌の記事になっているなど夢にも思っていなかったみほは、真っ赤になって動揺する。

 

「何だ何だ?」

 

「如何かしたの? みほちゃん?」

 

「あ、それ、月刊・戦車道と月刊・歩兵道の合同誌ですか?」

 

と、その声を聞き付けた地市、了平、楓がみほ達の元へ集まって来る。

 

「ああ、皆さん! 見て下さい! 我等が西住殿の特集記事ですよ!!」

 

即座に優花里は、その3人にもみほの記事のページを見せる。

 

「おお! スゲェッ!!」

 

「みほちゃん、マジ軍神!!」

 

「コレは………凄いですね」

 

途端に地市、了平、楓もそんな感想を漏らす。

 

尚、気になる記事の内容は………

 

『20年ぶりに戦車道・歩兵道の全国大会へと出場して来た大洗女子学園と大洗国際男子校からなる大洗機甲部隊。

 

当初は、戦車の保有台数、歩兵部隊の規模、戦車の車種や装備の種類などもあり、弱小校の記念出場と思われていた。

 

しかし、第1回戦に優勝候補のサンダース&カーネル機甲部隊を撃破。

 

その後も、2回戦にてアンツィオ&ピッツァ機甲部隊………

 

3回戦にて地走機甲部隊………

 

4回戦にて鉱関学園を破り、今大会のダークホースとなったパシフィック機甲部隊………

 

そして先の5回戦では、昨年の優勝チームであるプラウダ&ツァーリ機甲部隊を辛くも撃破。

 

まさかの6回戦進出を果たしている。

 

この偉業に、勝ち進んでいる各校の機甲部隊は、大洗を警戒。

 

今や今大会最大のダークホースとして注目を集めている。

 

この機甲部隊の総隊長を務めているのが西住 みほ………

 

戦車道・歩兵道の名門である黒森峰に在籍経験を持ち、戦車道の本家と言われている西住流の人間である。

 

他校と比べて戦力に置いて圧倒的に寡兵である大洗機甲部隊が、ココまでの快進撃を続けているのは、先の試合で登場した優秀な支援部隊と運もあるが、何より彼女自身の指揮能力の高さが物を言っている。

 

西住流と言えば、圧倒的戦力で相手を蹂躙すると言った正面からの戦いを得意とする流派であるが、彼女の戦い方は西住流のソレとは大分異なる。

 

相手よりも劣った戦力を巧みに操り、様々な作戦や戦術・戦略を駆使している彼女の戦い方は、臨機応変と評するのが相応しい。

 

その為、一部では彼女の戦い方は『大洗・西住流』と呼ばれている。

 

尚、彼女は5回戦の試合後に、西住流の現師範であり、実の母親である西住 しほからお叱りを受けているが、それに反発し、正面からの戦いを宣言。

 

もし、大洗機甲部隊がこのまま勝ち進んだ場合、黒森峰と当たるのは決勝戦となる為………

 

今年度の決勝戦では『西住流VS西住流』の戦いが拝めるのでは、という期待の声も出ている。

 

何れにしても、今年度の最注目チームは、彼女の率いる大洗機甲部隊で間違いないだろう』

 

………と書かれている。

 

他にも『大洗の白い悪魔』、『変幻自在の戦車道』、『鮟鱇マークの死神』、『天才策略家』、『奇跡の西住』、『魔術師みほ』などなど、様々な渾名が付けられている。

 

「い~な~、みぽりん。1人だけこんなに特集されて~。きっと全国からファンレター来ちゃうよ~」

 

一通り記事を読んだ沙織が、みほの事を羨ましがりながらそう言う。

 

「悪魔に死神って………」

 

「まあ、こう言った渾名と言うのは総じて物騒なモノだからな」

 

一方のみほは、付けられていた渾名の中に物騒なモノが有るのを見てショックを受け、麻子がそうツッコミを入れる。

 

「他にはどんな事が書かれているのでしょうか?」

 

とそこで、他にも何か書かれているのではと気になった華が、雑誌のページを捲った。

 

すると、捲った先のページには………

 

燃え盛る炎を背に、ベルト給弾式の弾薬を身体に巻き付けて、SGMBを持って構えて撃っている弘樹の姿の写真が掲載されていた。

 

周囲にはプラウダ戦車部隊の戦車の残骸と、戦死判定を受けて倒れているツァーリ歩兵部隊の歩兵が転がっている。

 

見出しには、『蘇った英霊・舩坂 弘樹』と描かれている。

 

「! 弘樹くん!」

 

「舩坂くんの記事も有ったんだ!」

 

「まあ、アレだけの活躍をすればなぁ………」

 

それを見たみほと沙織が驚きの声を挙げ、対照的に地市は当然だと言う顔をする。

 

「オノレェ、雑誌で全国デビューだなんて………ファンレター来たら、分けて貰おうかな?」

 

「了平………段々と見境が無くなって来てますよ」

 

すっとぼけた事を言う了平に、楓の毒に入ったツッコミが飛ぶ。

 

尚、弘樹の方の記事の内容はと言うと………

 

『そんな軍神・西住 みほの乗る戦車を守っている随伴歩兵分隊の分隊長である舩坂 弘樹。

 

何と彼は、あの『生きている英霊』と言われた太平洋戦争で活躍し、戦後の日本で歩兵道の普及に努めた伝説の歩兵………

 

『舩坂 弘軍曹』の子孫である。

 

1度死んで蘇ったと言う伝説を持つ舩坂軍曹の子孫だけあり、その活躍ぶりは他の大洗機甲部隊の歩兵と比べて、頭1つ飛び抜けている。

 

第1回戦のサンダース&カーネル機甲部隊の試合では、敵の包囲網を突破し、M2重機関銃を持って構えると言う離れ業を披露。

 

2回戦であるアンツィオ&ピッツァ機甲部隊の試合では、背後の崖を下ると言う大胆な戦術で相手を攪乱………

 

3回戦、地走機甲部隊との試合では、九七式自動砲でフラッグ車撃破をサポート………

 

パシフィック機甲部隊との4回戦では、あんこうチームを助けて、フラッグ車を単身撃破………

 

そして、5回戦となるプラウダ&ツァーリ機甲部隊の試合では、敵陣に単身潜入し、相手に多大な損害を与えると言う獅子奮迅の活躍………

 

更に、ジョーイ・ミヤギ、フォルゴーレ、蛙、カジキ、ラスプーチンと言った各歩兵部隊のエースに、全て単独にて勝利を収めている。

 

終いには、戦車道に於いては神にも等しい西住流へ宣戦布告。

 

英霊の血を引く者として違わぬ活躍を見せている。

 

彼と西住 みほの率いる大洗機甲部隊の活躍に、私自身も目が離せないのが実情である』

 

………と、記されている。

 

みほと同じく、他にも様々な渾名が付けられており………

 

『大洗の鬼神』、『随伴歩兵(戦神)』、『アンガウルからやって来た亡霊』、『生まれながらのパーフェクトソルジャー』、『異能生存体』、『触れ得ざる者』、『カオスを体現する男』と言ったものがある。

 

「流石は舩坂殿です!」

 

「な、何か舩坂くんだと、物騒な渾名も様になっちゃうなぁ~………」

 

優花里が目をキラキラさせてそう言うと、沙織が苦笑いしながらそう呟く。

 

「? 小官が如何かしたか?」

 

とそこで、交換する部品を持って来た弘樹が、自分の名が呼ばれているのを聞いてそう尋ねる。

 

「あ、弘樹くん………う、ううん、何でも無いよ」

 

「? そうか? ところで、コレは何処に置けば良い?」

 

みほがそう返すと、弘樹は首を傾げながらも、持って来た部品について尋ねる。

 

「あ、うん、コッチにお願い」

 

「了解した」

 

「さて、そろそろ作業に戻ろうぜ」

 

そこで地市がそう言い、一同は改めてⅣ号のオーバーホールへと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させていただきました。

今回より暫く、学園祭編をお届けします。
タイトルも原作のOVAっぽくしてみました。

大洗機甲部隊の出し物は劇。
劇自体はとあるおとぎ話を元にしますが、大幅にアレンジが加えられ、更に戦車道・歩兵道への関係が深くなる予定です。
楽しみにしていて下さい。

で、今回、もしみほや弘樹が雑誌の記事になっていたらと言うのを書いてみました。
如何だったでしょうか?
2人の渾名は前半はそれっぽいものを考え、後半とみほ、弘樹其々に、とあるキャラの渾名を流用してみました。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。