ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース   作:宇宙刑事ブルーノア

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チャプター2『連合部隊です!』

『劇場版 ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース ~炎のさだめ~』

 

チャプター2『連合部隊です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗町にて開かれた、大洗機甲部隊の全国大会優勝記念のエキシビションマッチ………

 

ゴルフ場にグロリアーナ&ブリティッシュ機甲部隊を追い詰めた大洗・知波単連合部隊………

 

知波単戦車部隊の玉田達が独断で突撃をして次々に撃破されるなどと言うハプニングもあったが………

 

それを予め読んでいた絹代が、みほに預けていたキングチーハーこと『海軍十二糎自走砲』でカバーする。

 

だが、遂にグロリアーナ&ブリティッシュ機甲部隊に王手を掛けるかに思われた瞬間………

 

『黒森峰・サンダース連合部隊』が現れるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒森峰・サンダース連合部隊がゴルフ場に現れる少し前………

 

大洗アウトレットに設置された観客席にて………

 

「………ハア~~」

 

試合の様子を見ながら、深い溜息を吐く少女が居た。

 

 

 

 

 

それはダージリン………

 

ではなく、『西呉王子グローナ学園』の総隊長、『白鳥 霧』こと『キリマンジェロ』である。

 

ファンクラブプラチナ会員を名乗り、自らもダージリンのコスプレをすると言うぐらいのダージリンファンである。

 

彼女の学園『西呉王子グローナ学園』、通称『西グロ』は、みほの幼馴染の親友であるエミが居るベルウォール機甲部隊と少々因縁が有り………

 

以前、実の妹をスパイとして送り込むと言う様な小狡い手を使った事があった。

 

しかし、それをバーコフ分隊の面々に見破られたのが運の尽き………

 

報復の名の元にバーコフ分隊に、危うくトラウマになりそうなくらいの仕置きを受けてしまう。

 

現在、その妹である『白鳥 渚』は、エミの乗車ティーガーⅠの砲手を務めている。

 

一応フォローするなら、彼女は尊敬するダージリン程ではないが、エミをして優秀な指揮官と言わせるだけの実力は持っている。

 

 

 

 

 

「………まさかダージリン様が試合に出られていないなんて」

 

と、そんな言葉が口から洩れるキリマンジェロ。

 

如何やら、大ファンであるダージリンの試合を見に来た様だが、肝心のダージリンが出場して居ない為、ガッカリしている様だ。

 

「ハア~~………」

 

再び重々しい溜息を吐くキリマンジェロ。

 

「失礼致します。お隣に座っても宜しいかしら?」

 

するとそこで、何者かがキリマンジェロにそう声を掛けた。

 

「あ、ハイ、大丈夫………ですうううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーっ!?」

 

気の無いまま返事をしながらその相手を見やったキリマンジェロは驚愕の声を挙げた。

 

「アラアラ、いけませんわよ。淑女がそんな大声を挙げるなんて………」

 

そこに居たのは、彼女が尊敬してやまない人物………『ダージリン』だった。

 

「…………」

 

すぐ後ろには、イギリス近衛兵に似た制服に身を包んだアールグレイの姿も在る。

 

御丁寧にベアスキン帽まで被っている。

 

「ダダダダダダダ、ダージリン様っ!?」

 

「如何にも、私はダージリンよ。初めまして………白鳥 霧さん。いえ、キリマンジェロさんとお呼びした方が宜しいかしら?」

 

「!? わ、私の事を御存じで?」

 

「勿論。自分のファンクラブの会員の方ですもの」

 

「きょきょきょきょきょ、恐縮ですぅっ!!(わああっ!? 如何したら良いのっ!?)」

 

いきなり憧れの人が目の前に現れ、完全にテンパってしまうキリマンジェロ。

 

「さて、失礼しますわね」

 

「…………」

 

と、ダージリンがキリマンジェロの隣に腰掛けようとしたところ、アールグレイがスーッと動き、ポケットからハンカチを取り出すと、ダージリンが座る位置に置いた。

 

「ありがとう、アールグレイ」

 

「…………」

 

ダージリンがお礼を言いながらその上に腰掛けると、アールグレイは再びスーッと動き、ダージリンのすぐ傍に立ったまま控える。

 

(わあ、素敵………流石はアールグレイ様。正に紳士………ダージリン様の近衛兵だわ)

 

そんなアールグレイの姿に感動するキリマンジェロ。

 

「………ペコは苦戦してるみたいね。けど、初めての試合にしては悪くない指揮だわ」

 

とそこで、ダージリンは巨大モニターの試合の様子を見てそう呟く。

 

「! あ、あの、ダージリン様! 如何してダージリン様は試合に出ておられないのですかっ!?」

 

その言葉で我に返ったキリマンジェロは、そうダージリンに問い掛けた。

 

「キリマンジェロさんは、今年の全国大会の準決勝の事は御存じで?」

 

「勿論です! あの試合はテレビに噛り付いて見てました! 録画もチャンと4Kでブルーレイにしてありますっ!!」

 

「まあ、うふふ………」

 

あんまりにも熱心な様子に、ダージリンは笑みを零す。

 

「………では、聖グロリアーナ女学園の事情も御存じかしら?」

 

「あ、ハイ………確か、OG会が凄い権限を持ってて、色々と口出しをして来るとか………」

 

「実はね………あの試合で私………OG会の方達の意見を完全に無視して、提供された戦車購入資金を独断で使っちゃったの」

 

「!? ええっ!?」

 

驚きを示すキリマンジェロ。

 

「そのせいでOG会の皆様から大分お叱りを受けてしまったの。まあ、ブリティッシュのOB会や呉校の方達が庇ってくれたお蔭で謹慎処分で済んだのですけど」

 

ダージリンは溜息混じりにそう言い放つ。

 

 

 

 

 

そう………

 

あの第63回戦車道・歩兵道全国大会の準決勝・大洗機甲部隊との試合にて………

 

ダージリンは戦車道用の予算をOG会を通さずに、独断で自分が決めた戦車の購入に当てた。

 

当然、OG会は大激怒。

 

一時はダージリンを機甲部隊から外すなどと言う意見も噴出したが………

 

ブリティッシュのOB会が彼女を庇い、更に話を聞き付けた、その試合で漂流したグロリアーナ&ブリティッシュ艦隊の乗員を救出してくれた呉校の一同も物申し立てて来た。

 

流石に、男子校のOB会の面々に加え、母校の生徒達の命を救ってくれた大恩人達からの意見を受けては、グロリアーナOG会の面々も引っ込まざるを得ず………

 

結局、彼女の処分は戦車道限定の当面の謹慎と言う、非常に軽いモノで済まされたのだった。

 

そしてアールグレイは、そんなダージリンに付き合って自主的に歩兵道を謹慎しているのである。

 

 

 

 

 

「そうだったんですか………」

 

事情を聴いて、キリマンジェロは表情を曇らせる。

 

「でも、私は後悔しておりませんわ」

 

「えっ?」

 

しかし、すぐにダージリンがそう言ったのを聞いて、再び驚きを露わにする。

 

「あの試合、負けはしましたけど………私の生涯に於いて、最高の戦いであったと自信を持って言えますわ。みほさんは私の………最高にして最強のライバルですから」

 

「ライバル………」

 

ダージリンがそう言ったのを聞いて、ふとキリマンジェロの脳裏には、エミの顔が過るのだった。

 

「それに、今グロリアーナ&ブリティッシュ機甲部隊の指揮を執っているペコは私が次世代の隊長と決めていた子よ。ちょっとばかり、その役目を早く体験出来る機会を得られたものよ」

 

「………羨ましいです。ダージリン様にそんな風に見込まれてるなんて」

 

「…………」

 

若干俯いたキリマンジェロを見て、ふとダージリンは何かイタズラを思い付いた子供の様な無邪気な笑みを浮かべる。

 

「キリマンジェロさん。携帯はお持ちかしら?」

 

「えっ!? あ、ハイ、持ってますけど………」

 

突然の問い掛けに戸惑いながらも、キリマンジェロは自分のスマホを取り出す。

 

「カメラを起動して下さる?」

 

「ハ、ハイ」

 

言われるままにカメラ機能を作動させるキリマンジェロ。

 

「ちょっと借りるわね」

 

そしてその瞬間に、ダージリンはキリマンジェロのスマホを引っ手繰る。

 

「えっ!?」

 

「アールグレイ」

 

「…………」

 

驚くキリマンジェロを余所に、ダージリンはスマホをアールグレイに渡す。

 

「…………」

 

そして、スマホを受け取ったアールグレイは、ダージリンとキリマンジェロの傍に屈み込む。

 

「………えいっ!」

 

「!? ひゃあっ!?」

 

するとその瞬間、ダージリンはキリマンジェロの背に手を回して肩を掴むと、自分の方へと抱き寄せた。

 

「!??!」

 

ダージリンの顔が僅か数センチの隙間を挿んだ傍までより、キリマンジェロは脳がショートしそうになる。

 

「ダダダダダ、ダージリン様っ!?」

 

「ホラ、キリマンジェロさん。笑顔よ笑顔」

 

「…………」

 

混乱するキリマンジェロに、ダージリンは悪戯っ子の様に笑いながら、何時の間にか撮影準備を整えていたアールグレイに向かってピースを決める。

 

「うふ………」

 

そして、シャッターが切られる瞬間には、キリマンジェロと頬合わせをした。

 

「!? はううっ!?………」

 

キリマンジェロは幸せの余り、気絶してしまう。

 

「あらあら? ちょっと悪戯が過ぎたかしら」

 

ダージリンは愉快そうに笑いながら、気を失ったキリマンジェロを膝枕してあげるのだった。

 

後にキリマンジェロは、友人達に引き取られて帰還した後、膝枕の件を聞かされ、暫く放心状態になったそうである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして再び試合の方にて………

 

玉田達、知波単旧体制組が独断突撃によって全滅しかけていた頃………

 

守備隊の方でも………

 

「我が知波単第1中隊が突撃を敢行したらしいぞっ!」

 

「良し! 我々も後れを取るなっ!!」

 

「とらいでかっ!!」

 

「突撃ーっ!!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

玉田達が突撃したの方を受け、守備隊の中に居たチハ(新砲塔)の名倉が、守備を放棄して突撃を強行する。

 

「うえっ!? ああ、ちょっと待った………」

 

ナカジマが止めるのも遅く、稜線から飛び出したチハ(新砲塔)を敵が見逃す筈もなく、アッサリと撃破される。

 

「あのバカ、何やってんだ………」

 

その様に悪態を吐く白狼。

 

「先輩殿っ!………我々も後に続くであります! 戦車前進っ!!」

 

と、そこで更に、残る九五式軽戦車の『福田』も、突撃を強行しようとする。

 

「ああ、だから駄目だって! 皆無謀過ぎ~!」

 

「カモさんチーム!」

 

「了解」

 

ナカジマが再び声を挙げると、鋼賀がカモさんチームに呼び掛け、ルノーB1bisが九五式軽戦車をブロックする。

 

「行かせて下さい! このままでは皆に会わす顔が有りませんっ!!」

 

「アグレッシブに攻めるのも良いけど、リタイヤしちゃったら元も子も無いんだよ」

 

尚も突撃を続行しようとしている福田を、ナカジマがそう諭そうとする。

 

「しかし、我が知波単学園は!!………」

 

「西住総隊長からこの陣地を守れって言われたでしょう。命令ってのは規則と同じなの」

 

「でもであります!!」

 

「規則は守る為に在るのよ」

 

「うう………」

 

だが、福田は納得する様子を見せず、見かねた様にみどり子からもそう戒めが飛ぶ。

 

「オイ、メガネの嬢ちゃん。ええ加減にしときぃ」

 

「あんまりバカな事やってると、後で絢爛舞踏に取って食われちまうぞ」

 

するとそこで、豹詑と海音が福田に向かってそう言い放つ。

 

「け、絢爛舞踏………舩坂 弘樹殿!?」

 

そう言われた福田の脳裏には………

 

『無表情で戦車をまるで煎餅か何かの様にバリバリと食べている弘樹の姿』が想像された。

 

「ヒイイイイィィィィィーーーーーーッ!?」

 

途端に福田は恐慌状態になる。

 

「………絢爛舞踏を受賞した人間は化け物みたいに思われるって噂、本当だったんだな」

 

「けど、食べるはねえだろ、流石に」

 

圭一郎と弦一朗が、豹詑と海音の冗談に呆れる様な様子を見せる。

 

(アイツの場合、付き合いの長いワシでさえ、時々『こいつ人間か?』と思う時があるからな………)

 

一方で、弘樹と付き合いの長いシメオンは、若干失礼な事を考えていた。

 

『コチラ西住! 『黒い森に雷が落ちました』!! 作戦は中止! 全部隊、直ちにこのエリアより退却します!!』

 

するとそこで、みほからゴルフ場エリアから退却するとの命令が下る。

 

「了解。レオポンチーム、退却します」

 

「ホラ、行くわよ」

 

「な、何をするでありますか!? 撤退など嫌でありますっ!!」

 

すぐにレオポンチームが退却を開始し、カモさんチームも福田の九五式軽戦車を押しながら退却させようとするが、福田は抵抗する。

 

「………舩坂 弘樹が来るぞー」

 

「!? ヒイイッ!?」

 

しかし、鋼賀がそうボソリと呟くと、顔を真っ青して抵抗を止めた。

 

「良し、退却しますっ!!」

 

「引き際を見極めるのもまた戦よっ!!」

 

そして飛彗がそう言うと、意外にもアッサリ退却に応じた月人が退却を始め、随伴歩兵部隊も稜線の防衛ラインより撤退する。

 

その直後………

 

多数のT-34-76とT-34-85、そして1輌のIS-2と共にツァーリ歩兵大隊を引き連れたプラウダ&ツァーリ機甲部隊が稜線を超えて来た!

 

「待たせたわねっ!」

 

総隊長であるカチューシャが、連合を組んでいる相手………グロリアーナ&ブリティッシュ機甲部隊の総隊長代理であるオレンジペコに通信を送る。

 

『遅いですよ。もう黒森峰・サンダース連合部隊が動き出しちゃいましたよ』

 

しかし、オレンジペコからはそんな返信が返って来る。

 

「仕方ないでしょ! もっと簡単に敵を突破出来ると思ったのよっ!!」

 

「………舩坂 弘樹が居るかもと思って、一気に攻勢に出れなかったんですよね」

 

カチューシャが怒鳴り返すと、ノンナがそうツッコミを入れて来る。

 

「ノンナ! それを言うんじゃないわよ! あの時の事は、未だに………!? ヒイイッ!? 赤い肩の悪魔が来るぅっ!?」

 

と、その言葉で、全国大会にて弘樹によって手痛い損害を受けた際の記憶が蘇り、カチューシャは悲鳴を挙げる。

 

『カチューシャさんっ!? 大丈夫ですかっ!?』

 

無線越しにもその声は聞こえていたらしく、オレンジペコの心配の声が飛ぶ。

 

「だ、大丈夫よ………悪かったわね、取り乱して」

 

「あの姉ちゃんが素直に謝ってるぜ………」

 

「無理もねえさ。俺だって未だにあの時の事は夢に見そうになるぜ」

 

何とか落ち着きを取り戻したカチューシャがそうオレンジペコに言うと、その隣をGAZ-67Bを運転しながら進軍していたピョートルと助手席のマーティンがそう呟く。

 

「兎に角! もうすぐ後続も到着するわっ!! 黒森峰とサンダースはそっちに任せて、先ずは大洗・知波単連合を潰すわよっ!!」

 

『大洗・知波単連合の方が厄介と言う事ですか?』

 

『でしょうね。此処は向こうのホームグラウンドな上に、以前我々と戦った時よりも遥かに強くなっています』

 

カチューシャの命を聞いたクラーラとノンナが、流暢なロシア語でそう言い合う。

 

「ノンナッ! クラーラッ! 日本語で話しなさいよっ!!」

 

『ハイ?』

 

その様子に、ロシア語に余り明るくないカチューシャは不満の声を挙げるが、クラーラは相変わらずロシア語で話すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして漸く時は現在に戻り………

 

黒森峰・サンダース連合部隊の出現を目にした大洗・知波単連合が撤退を開始した時となる………

 

「総隊長、すみません!」

 

「ゴメンね、みほちゃん。もう少し粘れると思ったんだけど………」

 

大洗・知波単連合の本隊へ合流した聖子と絹代が、Ⅳ号を挟む様に位置取ると、みほに向かってそう言う。

 

「いえ、大丈夫です。まだ手の打ち様は有ります」

 

しかし、みほは冷静にそう返す。

 

「それにしても、まさか三つ巴戦になるとは思いませんでした」

 

「仕方ないよ。そう言う風になっちゃったんだから」

 

「軍事道連盟も今必死だからな………」

 

そこで、Ⅳ号の車内にて、優花里、沙織、麻子がそう言い合う。

 

 

 

 

 

そもそも、何故この試合が『大洗・知波単連合』VS『グロリアーナ&プラウダ連合部隊』VS『黒森峰・サンダース連合部隊』などと言う複雑な三つ巴戦になっているのか?

 

全ては軍事道連盟の方針なのである。

 

大いに盛り上がりの様子を見せた第63回戦車道・歩兵道全国大会であったが………

 

一方で、カンプグルッペ学園の不正や、王者・黒森峰のスキャンダルなど、様々な波乱の在った大会でもあった。

 

その為………

 

極僅かながら、一部の国民の間では、軍事道そのものを疑問視する様な声が上がって居た。

 

世界大会誘致を考えている連盟としては、万が一にもそうした議論が広がる事は避けたかった。

 

そこで執った策が、『軍事道のエンタ-テイメント性の向上』である。

 

全国大会の盛り上がりで、俄かに隆盛を取り戻し始めている軍事道だが………

 

そもそも斜陽になった原因は、その特性上何処か閉鎖的なイメージがあるせいでもある。

 

疑問の声を挙げている一部も国民も、軍事道の事を良く理解していない輩達なのだ。

 

なので、コレまでのスクールアイドル支援の活動に加え、普通に戦うだけだった試合形式を多様化させた。

 

砲弾や弾丸を全てペイント弾にし、試合会場内を自分達のペイント弾の色で染めた面積が大きい方が勝ちと言う『スプラトゥーンマッチ』………

 

歩兵は素手による格闘、戦車は体当たりのみを使用すると言う超肉弾バトル『ストライカーマッチ』………

 

燃料と弾薬、そして体力と気力が続く限り、やられても再出撃して戦う耐久バトル『ストロングマッチ』………

 

試合会場内に設置された施設を如何に早く、多く壊せるかを競う『デストロイマッチ』等々………

 

協会も試行錯誤しながら、様々な新しい試合形式を生み出しており………

 

今回の三つ巴戦も、その政策の一環なのだ。

 

 

 

 

 

「私は好きよ、こう言うの。誰をやるか、誰にやられるかのスリルは中々味わい深いわ」

 

「いや、やられたら駄目でしょう、西隊長」

 

嬉々としている絹代に、カレンがそうツッコミを入れる。

 

「西住総隊長。如何致しましょう」

 

とそこで、Ⅳ号の隣に付けて来たくろがね四起の助手席に居た弘樹が、みほへ指示を請う。

 

「恐らく、この後グロリアーナ・プラウダ連合と黒森峰・サンダース連合とで交戦になりますが、どちらも主力部隊は私達を追って来るでしょう」

 

そこでみほは、自らの推察を述べ始める。

 

「ですので、山を下ります。市街戦へ持ち込んで、両部隊の戦力を分散させ、遭遇戦に持ち込みます」

 

「出たわね。お得意のゲリラ戦術」

 

「ココは私達の町です! 遭遇戦なら負けませんよっ!!」

 

そして、大洗の十八番・ゲリラ戦に持ち込むと告げると、絹代と聖子が声を挙げる。

 

「何時もの様に、この作戦の要は歩兵部隊です。各分隊の分隊長の其々の判断を信頼します」

 

「「「「「「「「了解っ!!」」」」」」」」

 

更にみほは歩兵部隊にもそう呼び掛け、弘樹を初めとした分隊長達が、勇ましい返事を返すのだった。

 

こうして、第2次大洗市街戦の幕が切って落とされるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させていただきました。

ダージリンとアールグレイ不在の理由………
それはあの準決勝の試合でOG会の意見を聞かずに独断で予算を使った事が原因でした。
当のダージリンは、これ幸いとばかりに後進教育を展開させますが。
勿論、2人には後々でちゃんと活躍して貰う予定です。
TV版でカッコイイダージリンを書いたので、今回は少しはっちゃけてて御茶目なダージリンを書こうかと。
お楽しみに。

そして黒森峰・サンダースが参戦している理由は、軍事道連盟のイメージアップ戦略の一環です。
メタ的な理由としましては、廃校問題をTV版で解決してしまっているので、原作劇場版でのサンダースの名シーン・スーパーギャラクシーの場面が無くなってしまうので、その代価として、エキシヴィジョンマッチへの参加を考え、どうせなら黒森峰と組ませてみようと思いまして

古豪の黒森峰からあいてみれば、受け入れがたい様に思えますが、現在改革中の為、その改革戦略の一環として参加した面もあります。
その辺の詳細に尽きましては試合後の場面にて語ります。
更に、改革黒森峰の意外過ぎる新たな対外広報も見れるかも?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

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