ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース   作:宇宙刑事ブルーノア

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第199話『超重戦車です!』

『ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース』

 

第199話『超重戦車です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンターの捨て身の決死攻撃によって黒森峰機甲部隊が足止めされ………

 

無事にウサギさんチームを救出して渡河に成功した大洗機甲部隊………

 

更なる足止めとして川を炎上させ、大洗機甲部隊は市街地を目指す………

 

だが………

 

そこには、トンでもないモノが待ち受けていた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦車道・歩兵道全国大会の決勝戦の試合会場………

 

陸上自衛隊の東富士演習場・森林地帯………

 

黒森峰機甲部隊を振り切った大洗機甲部隊は、森の中に在る苔や蔦の纏わりついた古い石橋の前で、別行動中のカメさんチームとサンショウウオさんチームを待っていた。

 

「お待たせ~」

 

「只今戻りました」

 

そこで、当のカメさんチームのヘッツァーと、サンショウウオさんチームのクロムウェルが合流する。

 

「橋を渡ります」

 

「承り~」

 

「気を付けるんだ。石橋とは言え、古い橋だ。崩落の危険が無いとは言えない」

 

みほがそう指示すると、杏が返事を返し、迫信がそう注意する。

 

そして、大洗機甲部隊はⅣ号と随伴のとらさん分隊を先頭に、石橋を渡り始める。

 

「…………」

 

その様子を、茂みの中に隠れた3両のⅢ号戦車J型が見ていた。

 

黒森峰戦車部隊の、偵察チームだ。

 

大洗機甲部隊の様子を、逐次に報告する偵察チーム。

 

その間に、大洗機甲部隊は橋を渡り切ろうとしていた。

 

「良し! ポルシェティーガーが渡り終えたら、橋を爆破しますよ!」

 

最後尾に居たポルシェティーガーが橋の中間まで差し掛かったのを見て、勇武が爆薬を用意しながら工兵達にそう呼び掛ける。

 

「その必要は無いよ~」

 

「えっ?………」

 

しかし、ポルシェティーガーからナカジマの間延びした声が聞こえて来て、思わず呆けてしまう。

 

すると………

 

「ココが腕の見せ所~!」

 

ツチヤがそう言ったかと思うと、ポルシェティーガーのモーター音が甲高くなって行き………

 

ポルシェティーガーの車体が僅かにウイリーしたかと思うと、一気に加速!

 

その衝撃で、ポルシェティーガーが渡り終えた後に、石橋が崩れ落ちた!!

 

「「「「「ええっ!?」」」」」

 

その光景に、勇武を初めとした工兵メンバーが驚きの声を挙げる。

 

「ああ………」

 

みほも、加速した勢いでⅣ号の横を凄いスピードで追い抜いて行ったポルシェティーガーに唖然としていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒森峰機甲部隊・本隊………

 

「橋がっ!? クッ! また迂回なのっ!!」

 

「コソコソ逃げ回りやがって………イラつく連中だぜっ!!」

 

偵察チームからの報告を受けたエリカと蟷斬が苛立った様な声を挙げる。

 

漸くの事で炎上した川の迂回を終えたと言うのに、また迂回しなければならないのである。

 

「分かった。橋は迂回する。お前達は先行して『アレ等』と合流しろ」

 

そこでまほは、偵察チームにそう指示を下す。

 

『了解』

 

「…………」

 

偵察チームからの返事を聞いた後、まほは渋い顔となった。

 

「まほ………」

 

とそこで、まほの乗るティーガーⅠの隣に並んだキューベルワーゲンTyp 87の助手席に座っていた都草が声を掛けて来る。

 

「………出来れば『アレ等』を使う事をしたくなかった」

 

「同意見だね」

 

ポツリと漏らしたまほの言葉に同意する都草。

 

「だが、正直に言って今の黒森峰で確実に勝てる手段は『アレ等』だけだ………今回は本当に負ける事は出来ない………負ければ黒森峰は廃校になってしまう」

 

吐露する様に語るまほ。

 

大洗と同じく、黒森峰機甲部隊の活躍にも母校の命運が掛かっている………

 

最早この試合は黒森峰や西住流の威光を取り戻す以前に、母校を守る戦いなのだ………

 

故に勝たねばならない………

 

その思いが、まほに禁忌としていた『アレ等』の使用に踏み切らせた………

 

例え更なる汚名が残る事になっても、母校が残って居なければ如何にもならない………

 

まほはそう判断したのだ………

 

「君の決断は正しいよ。僕が君の立場でも、きっと同じ決断をするだろうさ」

 

「………ありがとう」

 

都草にそう慰められ、まほは弱々しい笑顔を浮かべるのだった。

 

(だが、もしかしたら………大洗は………『アレ等』を破るかも知れない………そんな予感がしてならない)

 

しかし、都草は内心でそんな予感を感じていたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃………

 

大洗機甲部隊は………

 

とうとう森林地帯を抜け、目的地である市街地へ突入しようとしていた。

 

野道が舗装された道路になり、右手に団地らしき建物が並び立っている場所へと差し掛かる大洗機甲部隊。

 

「何とか時間が稼げた………コレで市街戦に持ち込める」

 

漸く市街地へと辿り着き、得意のゲリラ戦を仕掛けられる様になったみほがそう言う。

 

………と、その時!!

 

砲撃音が聞こえて来たかと思うと、大洗機甲部隊の中に砲弾が着弾!

 

「「「「「うわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」」」」」

 

運悪く直撃を貰ってしまった兵員輸送車が爆発し、搭乗していた大洗歩兵達は吹き飛ばされて戦死判定となる。

 

「!!」

 

すぐにその砲弾が飛んで来た方向を見やるみほ。

 

そこには、3両のⅢ号戦車J型の姿が在った。

 

1両は、まだ砲門から硝煙を上げている。

 

「Ⅲ号だよ! Hかな? Gかな?………つか、一目で戦車の種類が分かっちゃう私って如何なの?」

 

沙織がⅢ号戦車を見てそう言い、何時の間にか戦車に詳しくなっていた自分にセルフツッコミを入れる。

 

「よくもやってくれたわねっ!!」

 

とそこで、やられた大洗歩兵達の仇だと言わんばかりに、ルノーB1isが副砲を発射。

 

47ミリ砲弾が、1両のⅢ号の車体側面に命中!

 

命中したⅢ号戦車から、白旗が上がる。

 

その直後に、残る2両のⅢ号戦車は、団地の敷地内へと退却を始める。

 

「逃げるぞっ!」

 

「Ⅲ号なら突破出来ます! 後続が来る前に撃破しましょうっ!」

 

「「「「「ハイッ!!」」」」」

 

挟み撃ちを警戒したみほは、逃げたⅢ号への追撃命令を出す。

 

団地の敷地内を逃走するⅢ号2両を、大洗機甲部隊全軍が追撃する。

 

途中、八九式とヘッツァーが発砲。

 

至近弾がⅢ号達の車体を揺らす。

 

「唯ちゃん! 速度上げて!」

 

「おうっ!」

 

と、大洗機甲部隊で1番の俊足であるクロムウェルが速度を上げ、Ⅲ号達に追い付こうとする。

 

すると、片方のⅢ号が停車。

 

反転したかと思うと、追撃して来るクロムウェルに向かって発砲する。

 

「! 唯ちゃん!」

 

「任せろっ!!」

 

しかし、聖子の声が飛ぶと、クロムウェルは当て舵を入れて大きく左に曲がり、砲弾をかわすとそのまま横滑りしながら発砲したⅢ号の側面を取る。

 

「撃てっ!!」

 

「!!」

 

聖子の号令で優が引き金を引き、主砲が火を噴く!

 

至近距離からの75ミリ砲弾に、Ⅲ号が耐えられるわけも無く、敢え無く白旗を上げた。

 

だが、その間に残った1両のⅢ号は距離を離す事に成功する。

 

「待てーっ!!」

 

「敵に背を向けて逃げるなど! 黒森峰のやる事かああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

典子が叫ぶと、月人が逃げ腰なⅢ号に不満をぶつける様に吼える。

 

「………西住総隊長、コレは」

 

「うん、誘い込まれてる………」

 

そんな中で、弘樹とみほが、Ⅲ号が自分達を何処かへと誘い込もうとしている事に気づく。

 

(市街地に既に別働隊が? でも、あのⅢ号を含めると、残っているのは5両………一体何を?)

 

黒森峰機甲部隊との戦闘で、戦車の数を把握していたみほは、市街地に居る別働隊の戦車が多くても5両であると推理し、それが何なのかと考えを巡らせる。

 

「! Ⅲ号が停まりました!」

 

「!!」

 

しかしそこで、大洗歩兵の1人からそう報告が挙がり、前方を見やる。

 

そこには、十字路となっている先の団地の間で、コチラに背を向けたまま停車しているⅢ号の姿が在った。

 

「よ~し!」

 

大洗機甲部隊が停止すると、先頭に居たルノーB1bisが、Ⅲ号に狙いを定める。

 

すると、その時………

 

大洗機甲部隊から見て左手の十字路から、停まっているⅢ号を隠す様に、巨大な『何か』が現れる。

 

「壁? 門?」

 

余りの巨大さに、みどり子は壁か門かと思ったが、それは3色迷彩に塗られた巨大な………

 

「戦車ぁっ!?」

 

………だった。

 

「『マウス』です! 凄い………動いているところ、初めて見ました」

 

その巨大な戦車を見た優花里が思わずそう呟く。

 

「来ちゃった………『マウス』」

 

「史上最大の………超重戦車」

 

観客席でも、カチューシャとダージリンが若干戦慄しながらそう呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『マウス』………

 

第二次世界大戦末期に完成したヒトラーの狂気の産物とも言うべき超重戦車である。

 

全長10メートル以上、重量200トン近くと言う、正に怪物と言うべき戦車だ。

 

128ミリの主砲に加え、75ミリの副砲を装備。

 

殆どの部分の装甲が100ミリ以上………

 

砲塔正面に至っては250ミリ近いと言う、動く要塞であった。

 

しかし、当時の技術力でこんな戦車が真面に動かせる筈も無く………

 

結局、実戦投入はされたものの、戦わずに破損・燃料切れを起こし、爆破処分されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、その世界最大の超重戦車が、大洗機甲部隊の敵となって、目の前に立ちはだかっている。

 

マウスは主砲を大洗機甲部隊に向けようとしたが、その巨大さ故に建物に引っ掛かり、結局十字路を更に下がって、車体ごと大洗機甲部隊の方へと向ける。

 

「退却して下さいっ!!」

 

みほが叫ぶよりも早く、ルノーB1bisを除いた大洗機甲部隊の一同は退却を開始していた。

 

その直後っ!

 

凄まじい爆音と共に、マウスの主砲が火を噴いた!

 

発射された砲弾は、ルノーB1bisの横を擦り抜け、ヘッツァーの傍に着弾!

 

ヘッツァーに損傷は無かったが、余りの衝撃波で、ヘッツァーの車体が一瞬大きく浮き上がった!

 

「やーらーれーたーっ!!」

 

「やられてません!」

 

「近くに着弾しただけです!」

 

「どっちにしろ凄いパワーだね」

 

「一瞬本気で死ぬかと思ったよ………」

 

車内のカメさんチームの面々も、戦々恐々な様子だった。

 

「クウッ! デッカイからって良い気にならないでよ! こうしてやるっ!!」

 

とそこで、退却していなかったルノーB1bisが、マウスに向かって主砲と副砲を見舞った!

 

だが、かなりの至近距離からの砲撃にも関わらず、副砲弾は元より、主砲弾も装甲を貫通出来ず、甲高い音を発して弾かれる!

 

その間に、マウスは主砲をルノーB1bisへと向ける。

 

「カモさんチーム! 下がるんだっ!!」

 

紫朗がそう叫んだ瞬間………

 

轟音と共にマウスの主砲が再び火を噴いた!

 

ルノーB1bisは車体前面に直撃を受け、その余りの威力の前に、縦回転して引っ繰り返り、底部から白旗を上げた!

 

「みどり子!」

 

「モヨ子!」

 

「希美ちゃん!」

 

紫朗、十河、鋼賀から思わず声が挙がる。

 

一方、ルノーB1bisを撃破したマウスは、車体と砲塔を正位置に戻し、大洗機甲部隊に向かって前進して来た!

 

その後ろからは生き残っていたⅢ号が続いて来る。

 

そして、3度目となる砲撃が、マウスから放たれる!

 

八九式の近くに着弾したが、直撃ではなかった様で、後退を続行。

 

大洗戦車隊の砲撃が、次々にマウスへ叩き込まれる。

 

しかし………

 

その全てが甲高い音を立てて弾かれ、明後日の方向へ飛んで行く。

 

大洗戦車隊最大の火力であるポルシェティーガーの砲撃も、マウスの装甲を貫通出来ない。

 

「駄目だ! 全部弾かれちまうっ!!」

 

『奴の装甲は殆どが100ミリ以上………正面に至っては200ミリ以上有る。残念だが、コチラの戦車の火力では歯が立たないな………』

 

海音がそう叫ぶと、煌人が珍しく気落ちしている様な声でそう通信を入れて来る。

 

「と言う事は、俺達の対戦車砲も役に立たないって事かよ!」

 

砲兵の鷺澪がそう言い、大洗砲兵部隊にも絶望の色が浮かぶ。

 

「カモさんチーム! 怪我は有りませんか!?」

 

「そど子、無事です!」

 

「ゴモヨ、元気です!」

 

「パゾ美、大丈夫で~す」

 

沙織が撃破されたカモさんチームに怪我人は居ないかと問い質すと、カモさんチーム全員が無事に返事を返して来る。

 

「皆、ゴメンね!」

 

「オノレッ! カモさんチームの仇っ!!」

 

と、みどり子が謝罪の言葉を述べると、左衛門佐がそう叫び、三突がマウスに向かって発砲する。

 

だが、三突の砲弾は有ろう事か、潰れて跳ね返って来た。

 

その直後にマウスが発砲!

 

砲弾は三突の左履帯に直撃!

 

転輪と履帯が全て吹き飛び、三突は横倒しの状態となって、側面部から白旗を上げた!

 

「2両撃破された………これで残り、7両………」

 

流石のみほも、圧倒的なマウスを前に戦慄を隠せずにおり、嫌な汗が頬を伝う。

 

「!!………」

 

一方弘樹は、果敢にも肉薄攻撃を仕掛けようと、吸着地雷を手にする。

 

しかし………

 

その直後に、マウスの背後から左右に広がる様に、武装親衛隊の戦闘服に身を包んだ黒森峰歩兵部隊が姿を現した!

 

(………流石にあのデカブツを護衛の歩兵無しに潜伏させているワケはないか)

 

弘樹は吸着地雷を仕舞うと、ポーカーフェイスのままそう思う。

 

「武装親衛隊の戦闘服………アイツの部下か」

 

白狼が、マウスの随伴歩兵が全て武装親衛隊の戦闘服なのを見て、蟷斬の顔を思い浮かべながらそう呟く。

 

「うおおおっ! 負けるかぁっ!!」

 

「何とか歩兵をかわしてあのデカブツに取り付けば!」

 

「分隊長達に続けぇっ!!」

 

「「「「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」」」」」

 

とそこで、状況を打開しようと、磐渡が収束手榴弾、重音がパンツァーファウストを手に突撃し、ワニさん分隊の半数の歩兵隊員達がそれに続く。

 

「待て! 迂闊だっ!!」

 

迫信の制止の声が響いた瞬間………

 

マウスの後ろから現れた武装親衛隊を追い越す様に、3人のドイツ国防軍の戦闘服に身を包んだ黒森峰歩兵が前に出た。

 

「…………」

 

その内の1人………日本刀を携えていた黒森峰歩兵が、鞘から刀を抜き放つと、蜻蛉の構えを執る。

 

「喰らえっ!!」

 

その黒森峰歩兵に、磐渡が収束手榴弾を片手に持ったまま、鹵獲していたMP40を発砲しようとした瞬間………

 

「チエエエエエエェェェェェェェストオオオオオオオオォォォォォォォォォーーーーーーーーーーッ!!」

 

独特な掛け声と共に、黒森峰歩兵は構えていた日本刀を一瞬にして振り降ろした!

 

「!? ぐはあっ!?」

 

磐渡はMP40の引き金を引く事も敵わず、斬撃を真面に浴びて、戦死判定となった。

 

「! 磐渡っ!?」

 

それを見た重音が思わず足を止めた瞬間………

 

「!!」

 

両手にサーベルを持った黒森峰歩兵が突撃して来て、独楽の様に回転しながら重音を連続で斬り付けた!!

 

「! ギャアアアッ!!」

 

全身を斬り付けられた重音は、敢え無く戦死判定となって倒れる。

 

「狗魁さんっ!!」

 

「コイツ等ッ!!」

 

それを見たワニさん分隊の面々が、怒りを露わにしつつも距離を取り、銃撃で応戦しようとする。

 

だが、またしても………

 

「ハアッ!!」

 

残った1人の国防軍戦闘服の黒森峰歩兵が頭上高くまで跳躍!

 

「なっ!?」

 

「あの跳躍力………まさかっ!?」

 

その様にワニさん分隊員の1人が驚きの声を挙げ、小太郎がある可能性を考える。

 

「トアアアッ!!」

 

すると次の瞬間!

 

跳躍した黒森峰歩兵が、ワニさん分隊員達に向かってまるで気功波を放つ様なポーズを執ったかと思うと、そこから鉄の糸で編まれた網が放出される!

 

「!? うわあっ!?」

 

「何だコレッ!?」

 

鉄製の網を被ってしまい、動きが取れなくなるワニさん分隊員。

 

「ソラソラソラソラァーッ!!」

 

すると、跳躍していた黒森峰歩兵は、今度はクナイの様な物を連続で鉄の網に捕らえたワニさん分隊員達に向かって投擲する!

 

そのクナイの様な物は、ワニさん分隊員や地面に刺さると、次々に爆発した!

 

「「「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」」」」」

 

一瞬にして、磐渡と重音に続いて行ったワニさん分隊員達も戦死判定となった。

 

「甘いぞ、大洗!!」

 

着地した黒峰歩兵が、大洗機甲部隊に向かってそう言い放つ。

 

良く見ると、その黒森峰歩兵は、ドイツの国旗の色と同じ、目だけを露出している覆面を付けていた。

 

「間違い無い………彼奴、『ゲルマン忍法』の使い手でござる!」

 

「『ゲルマン忍術』!? と言う事は、ニンジャか!」

 

「フフフフフ………」

 

小太郎は、その黒森峰歩兵がドイツの忍術・『ゲルマン忍法』の使い手である事を見抜き、大詔がそう言うと、覆面の黒森峰歩兵………『千霞 蜂一(せんか ほういち)』は不敵に笑う。

 

「我が名は剱! 『甲鎧 剱(こうがい つるぎ)』!! 我こそは! 黒森峰の剣なりっ!!」

 

とそこで、日本刀を構えた黒森峰歩兵………『甲鎧 剱(こうがい つるぎ)』が名乗りを挙げる。

 

「来たか………友よ」

 

その剱の姿を見たゾルダートが、そう呟く。

 

「…………」

 

そして、二刀流の黒森峰歩兵………『双刃 顋(ふたば あぎと)』も、無言のままに両手のサーベルを構えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遂に牙を剥いた黒森峰機甲部隊の秘密兵器・超重戦車マウス………

 

手練れの黒森峰歩兵達に守られたこの怪物に………

 

大洗機甲部隊は………

 

如何立ち向かうのか?………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させていただきました。

遂に市街戦。
しかしその前に立ちはだかったのは、原作通りにマウス。
そして、黒森峰のエース歩兵達だった。
ココから黒森峰の反撃が開始されます。

更にお気づきだと思われますが、みほは残っている戦車は5両と予測していましたが、現れたのはマウス1両………
では、残り4両は?
原作通りにマウスを撃破出来ても油断できません。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

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