ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース   作:宇宙刑事ブルーノア

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第113話『蛇VS蛇です!』

『ガールズ&パンツァー+ボーイズ&ゾルダース』

 

第113話『蛇VS蛇です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦車道・歩兵道全国大会の第6回戦の試合会場………

 

海に面した広大な海岸砂丘………

 

とある地点に向かって移動を続けている大洗機甲部隊の本隊………

 

「みぽりん………アヒルさんチームとサンショウウオさんチーム、撃破されたって。ペンギンさん分隊とタコさん分隊は今、敵の歩兵部隊の一部を相手にしてるって」

 

「………分かりました。全部隊、移動を続けて下さい。もう少しです」

 

沙織からの報告に、みほは影の差した表情を見せながらも、移動を続ける様に指示を出す。

 

(………最早逆転にはこの方法しかない。何とかあの場所まで辿り着かなくては………)

 

随伴して居る歩兵達の中の弘樹も、そんな事を思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

取り残されたペンギンさん分隊とタコさん分隊は………

 

「フンッ!」

 

「ぐはっ!?」

 

飛び掛かって来たスフィンクス歩兵を殴り飛ばすシャッコー。

 

殴り飛ばされたスフィンクス歩兵は、他のスフィンクス歩兵を巻き込んで派手に砂煙を上げる。

 

「カモン! カモン! カモォンッ!!」

 

2丁拳銃でS&W M27を構えたジャクソンが、次々にスフィンクス歩兵に向かって発砲する。

 

「装甲車! 前へっ!!」

 

するとそこで、スフィンクス歩兵隊の中から、ハンバー装甲車 マークIVが前に出る。

 

ジャクソンが放つS&W M27の弾丸は、装甲車に当たると次々に弾かれる。

 

「Oh! コイツはバッドね!」

 

ジャクソンはそう言ったかと思うと、近くに掘っていた蛸壺に飛び込む。

 

直後に、ハンバー装甲車 マークIVの37ミリ砲から 榴弾が放たれる!

 

「「「「「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」」」」」

 

蛸壺に飛び込んだジャクソンは難を逃れたが、他の大洗歩兵達が爆発で飛んだ破片を浴び、戦死判定を受ける。

 

「どうだ! もう1発………」

 

ハンバー装甲車 マークIVの砲手がそう言って次弾を放とうとした瞬間………

 

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!」

 

エースが叫びと共に、M39卵型手榴弾を野球ボールの様に投擲!

 

M39卵型手榴弾は開きっ放しだったハンバー装甲車 マークIVの砲塔の上部ハッチから、車内へと飛び込む。

 

「!? ヤバ………」

 

外へ放り出す時間も無く、M39卵型手榴弾は爆発!

 

ハンバー装甲車 マークIVは砲塔が吹き飛び、開いた穴から乗員が折り重なる様に這い出て倒れ、戦死と判定された。

 

「クソッ! 怯むなぁっ! 押し潰せっ!!」

 

しかし、1人のスフィンクス歩兵がそう言い放ったかと思うと、新たなハンバー装甲車とガイ装甲車が次々に前に出る。

 

「やらせるかぁっ!!」

 

「行けぇっ!!」

 

「撃てぇーっ!!」

 

それに対し、武志や弁慶と言った対戦車兵や、明夫を中心とした砲兵達が、次々と対戦車火器や野戦砲で応戦する。

 

「撃て撃てぇっ! 撃ちまくるんやぁっ!!」

 

大河も、進軍して来るスフィンクス歩兵達に対し、EMP44で弾幕を張る。

 

「こないな事してへんで。はよ、本隊に戻らなぁ………!?」

 

とそこで殺気を感じた大河は、居た場所から後方へと飛び退く。

 

直後に、大河が居た場所の砂が弾け………

 

巨大な身長と体躯を誇り、両手に剣と盾を持ったスフィンクス歩兵が姿を現した。

 

「チイッ! 退いとけや、木偶の坊!!」

 

現れた巨漢のスフィンクス歩兵に向かって、EMP44を即座に発砲する大河。

 

「!!………」

 

しかし、巨漢のスフィンクス歩兵は左手に持っていた盾を構えたかと思うと、EMP44の弾を全て弾いてしまう。

 

「!? 何ぃっ!? 防弾性の盾かいな!?」

 

大河が驚きを示した瞬間!!

 

「………!!」

 

巨漢のスフィンクス歩兵は、右手の剣を振り被りながら突進して来た!!

 

「!? うおわっ!?」

 

思わずEMP44を手放してバッとその場から飛び退く大河。

 

巨漢のスフィンクス歩兵が振り下ろした剣は、残されたEMP44を斬り裂く!

 

「………如何やら木偶の坊やないらしいな」

 

「…………」

 

大河がそう言う中、巨漢のスフィンクス歩兵………『パイソン』は、盾と剣を構え直す。

 

「銃は無しかい。そっちの方が自信あるって事かいな?」

 

「…………」

 

パイソンは、大河の問いに沈黙で返す。

 

「上等や! ならワイも1番得意な戦い方………ステゴロで行かせてもらうでぇっ!!」

 

それを見た大河はそう言って拳を握り、パイソンに突撃して行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

片や、別の場所でも………

 

「ぐあああっ!?」

 

「チッ! キリが無いな………」

 

ウィンチェスターM1912のポンプを引いて排莢を行っていた大詔が、未だに周辺に数多く展開しているスフィンクス歩兵を見てそう呟く。

 

「西住総隊長達は大丈夫なのか?………!?」

 

とそこで、大詔は背後から殺気を感じて、咄嗟にその場に伏せる!

 

その頭上を、ナイフの刃が通過する。

 

「ハアッ!」

 

「おっと!」

 

そして直後に、後方に向かって後ろ蹴りを繰り出したが、殺気を放っていた人物はバックステップして回避する。

 

「フフフ、危機察知能力だけは言い様だな………」

 

「貴様か………リキッド」

 

殺気を放っていた人物が、リキッドことアナコンダである事を確認した大詔がそう言う。

 

「漸くお前と勝負を着けられる時が来たな」

 

「その様だな………」

 

挑発的な笑みを浮かべ、余裕そうな様子を見せているアナコンダとは対照的に、大詔は油断なく構えており、何時でもウィンチェスターM1912を撃てる様にしている。

 

「………!!」

 

そして不意を衝く様に、バッとウィンチェスターM1912の銃口をアナコンダに向けたが………

 

「フンッ!」

 

それに対してアナコンダが右手を伸ばしたかと思うと、袖口から細いワイヤーが射出され、ウィンチェスターM1912の銃身に巻き付く!

 

「!?」

 

「ムンッ!!」

 

大詔が驚いた瞬間、アナコンダはワイヤーを掴んで引き、ウィンチェスターM1912の銃身をバラバラにしてしまう!

 

「! チイッ!!」

 

舌打ちしながら右腰のホルスターからM1911Aを右手に抜き、左手にナイフを逆手に持ってアナコンダにCQCを仕掛けようとする大詔。

 

「フッ………」

 

だが、アナコンダは接近してきた大詔の右側へ回る様に動いたかと思うと、その右手のM1911Aを掴む!

 

「!?」

 

すぐに振り解く大詔だったが、M1911Aのスライドが抜かれてしまう。

 

「!!………」

 

それでも怯まずに、ナイフをアナコンダの喉元目掛けて振るう大詔。

 

「無駄だ!」

 

しかし、それもアナコンダの左手に左腕を掴まれて制止される。

 

「むんっ!!」

 

「がっ!?」

 

アナコンダは右手に有ったM1911Aのスライドを捨てると、大詔の喉を掴む。

 

「ハアアッ!!」

 

「ぐああっ!?」

 

そしてそのまま、チョークスラムで砂の上に叩き付ける様に投げ飛ばす!

 

その際の衝撃で、大詔はナイフを手放してしまう。

 

「喰らえっ!!」

 

「!!」

 

追撃にと大詔の顔面目掛けて拳を振り下ろすが、大詔は砂の上を転がってかわす!

 

「セアアッ!!」

 

そして、立ち上がると同時に上段回転蹴りを繰り出す。

 

「ゴフッ!?」

 

真面に喰らったアナコンダがよろめき、数歩下がる。

 

「………そう来なくては」

 

だが、相変わらず不敵な笑みを浮かべたまま、口の端に流れた血を拭ってそう言い放つ。

 

「…………」

 

そんなアナコンダを見据えながら、大詔は冷や汗を流して構えを取るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方………

 

再び、大河VSパイソンの場では………

 

「おりゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」

 

「!!」

 

繰り出された大河のケンカキックを盾で防ぐパイソン。

 

「!」

 

そして反撃にと、剣を横薙ぎに振るう。

 

「おっと!?」

 

後ろへと身を反らす大河だったが、戦闘服が僅かに斬られる。

 

「チイッ! コナクソォッ!!」

 

素早く身を戻すと、パイソン目掛けて今度は拳を振るう大河。

 

「!!………」

 

だが、この攻撃も、パイソンは盾で防いでしまう。

 

「~~~~ッ! 何ちゅう頑丈な盾や!!」

 

大河は殴った拳を抑えて後ずさりながらそう言い放つ。

 

既に何度か殴りつけていたのか、大河の両手は赤く染まり、若干腫れ上がっていた。

 

「…………」

 

しかし、パイソンの盾には傷1つ付いていない………

 

(アカン………拳の感覚が無くなって来とる………このままやと………)

 

対する大河は殴り過ぎで、拳の感覚がなくなって来ていた。

 

と、その時!!

 

「………!!」

 

何と!!

 

今まで守勢に回っていたパイソンが突然攻勢に出て、大河に向かって突撃して来る!

 

「!? 何やイキナリ!? やる気になんたんかぁっ!?」

 

驚きながらも、構えを取って警戒する大河。

 

そして、パイソンが右手に握る剣の動きに注意を払う。

 

だが………

 

「!!」

 

何とパイソンは、大河の至近距離までに接近したかと思うと、盾の方を突き出して来たではないか!!

 

「!? 何やて!?………!! グハァッ!?」

 

てっきり剣の方を振るって来ると思っていた大河は意表を衝かれ、真面に盾でのパンチを食らってしまう。

 

「ガハッ!?」

 

「!!」

 

そして大河が倒れ伏せた瞬間!!

 

パイソンはその右足に剣の刃を突き立てた!!

 

「!? ぐああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

戦闘服が甚大な傷を負ったと判定し、大河の右足が動かなくなる。

 

「…………」

 

パイソンは動けなくなった大河に対し、ゆっくりと剣を頭上に掲げる様に構える。

 

脳天から唐竹割りの様に剣を振るう積りらしい。

 

「チイッ! ワイとした事が………油断したわい」

 

そう言いながら、眼前のパイソンの姿を睨む様に見据える大河。

 

「!!」

 

そして遂に!

 

パイソンの剣が、大河目掛けて振り下ろされる!!

 

………が、その瞬間!!

 

「ハアッ!!」

 

突如大河とパイソンの間に拳龍が割り込み、真剣白刃取りで受け止めた!

 

「!?」

 

「杷木っ!?」

 

パイソンと大河が驚きを露わにする。

 

「ぐうううう………」

 

力任せに振り下ろされようとしている剣を、必死に受け止め続ける拳龍。

 

「!!」

 

だが、パイソンは更に力を込め、拳龍を力尽くで斬り裂こうとする。

 

「杷木! 逃げぇっ!!」

 

そんな拳龍の姿を見て、大河がそう叫ぶ。

 

しかし………

 

「ぐうううううっ!!」

 

その拳龍の身体から、オーラの様な物が溢れ始める。

 

「!?」

 

「何やっ!?」

 

パイソンと大河が戸惑いを見せた瞬間………

 

何処ぞの戦闘民族の様に、拳龍の髪の毛が逆立った!!

 

「コレ以上大切な仲間を………失わせないっ!!」

 

と、拳龍がそう叫ぶと、パイソンの刀の刀身が、粉々に砕け散る!!

 

「!?!?」

 

「ハアアアアアアアァァァァァァァァ………」

 

驚愕するパイソンの前で、拳龍は正拳突きの構えを取る。

 

「龍・鉄・拳っ!!」

 

その台詞と共に、拳龍の鉄拳が、パイソンへと繰り出される!

 

「!!」

 

パイソンは盾を構え、防ごうとしたが………

 

拳龍の鉄拳が命中した瞬間!!

 

銃弾をも防いだ頑強な盾が、まるで豆腐の様にバラバラになる!!

 

「?!??!!」

 

そしてそのまま、拳龍の鉄拳はパイソンのボディを直撃!!

 

巨漢のパイソンが、まるで木の葉の様にブッ飛んだっ!!

 

数10メートルはブッ飛んだかと思うと、その先に居たM39 汎用装甲車の側面に激突。

 

M39 汎用装甲車は、パイソンが激突した側面からくの字型に折れ曲がり、当然パイソンも戦死と判定される。

 

「! いけない! やり過ぎた!………あの人、大丈夫かな?」

 

とそこで、興奮が冷めた様子の拳龍が、殴り飛ばしたパイソンを心配する。

 

「………流石は空手道場の免許皆伝や」

 

そんな拳龍を見て、冷や汗を掻きながらそう呟く大河だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、大詔VSアナコンダの戦いは………

 

「てええりゃあっ!!」

 

「甘いぞっ!」

 

大詔が振るった右の拳を、左手で手首を掴んで下へと反らしたかと思うと、右腕で大詔の右肩を押さえ付けるアナコンダ。

 

「せえりゃあっ!?」

 

そのまま大詔の腕の上を滑らせる様に、顔面に肘鉄を見舞う。

 

「ガッ!?………せやあっ!?」

 

「のうっ!?」

 

しかし、大詔はよろけて後ずさりながらも、置き土産とばかりに、上段回し蹴りを繰り出し、アナコンダの横っ面を蹴っ飛ばす。

 

「やるな!」

 

相変わらず不敵な笑みを崩さないアナコンダ。

 

「…………」

 

油断無く構えを取り直す大詔。

 

「今度はコチラから行くぞぉっ!!」

 

と、今度はアナコンダが大詔へと仕掛ける。

 

「セアッ! ハアッ! ドォアッ!!」

 

連続で大詔の頭目掛けて拳を繰り出すアナコンダ。

 

「ぐうっ!?」

 

大詔はガードを固めて防御する。

 

「せいやぁっ!!」

 

「!? がっ!?」

 

しかし、ガードが上がった為、がら空きになった腹に、アナコンダはボディブローを叩き込む。

 

「ハアアッ!!」

 

更にもう1発叩き込むと、大詔が思わずガードを下げたので、空かさず横っ面を殴り付ける!

 

「ッ!!」

 

「ハアアアッ!!」

 

更に返す裏拳で反対の横っ面を殴ると、再びボディブローを1発!

 

そしてまたもフックで、横っ面を殴りつける。

 

「ガッ!?」

 

「セイヤァッ!!」

 

「!!」

 

とそこで、ストレートを繰り出して来たアナコンダの腕を掴む事に成功した大詔は、そのままその腕を後ろ手に固めようとしたが………

 

「セエエイッ!!」

 

「!? ぐあっ!?」

 

逆の方の腕で、背中越しに肘打ちを連続して食らい、アナコンダを解放してしまう。

 

「ツアアアアアアッ!!」

 

すると大詔は、飛び上がってのローリングソバットを繰り出す!

 

「むんっ!?」

 

「!?」

 

だが、アナコンダは敢えて踏み出したかと思うと、大詔を身体ごとキャッチし、そのままボディスラムの様に砂の上に叩き付ける!

 

「ガハッ!!」

 

そして追い打ちとばかりに宙返りしてのセントーンを喰らわす!!

 

「ゴハッ!?」

 

肺の中の酸素が一気に無くなった大詔の意識が一瞬飛びかける。

 

「セエエイッ!!」

 

更に容赦無く、肘打ちを顔に叩き込むアナコンダ!

 

「!!」

 

「ぬあああああああっ!!」

 

終いにはマウントポジションを取り、連続して拳を顔面に浴びせ掛ける!!

 

「ゴハッ! ガハッ!………」

 

大詔の血反吐で、辺りの砂が赤く染まって行く………

 

それでもアナコンダは殴るのを止めない。

 

「ふあっ! ふあっ! でやああっ!………ハア………ハア………ハア………」

 

やがて、息切れを起こした事で、漸く攻撃が止まる。

 

「…………」

 

大詔の方は虫の息で、戦死判定を受ける寸前である。

 

「終わりだな、スネーク………所詮はこの程度だったか………トドメだぁっ!!」

 

呼吸を整え、トドメの拳を大詔に振り下ろそうとするアナコンダ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Wasshoi!」

 

「!?」

 

ニンジャシャウトと共にアナコンダの前方の砂が弾け、嫌な予感がしたアナコンダが、大詔の上から飛び退く!

 

直後に、先程までアナコンダが居た場所を、スリケンが通り抜けて行く!

 

「ドーモ、アナコンダ=サン。葉隠 小太郎です」

 

現れた人物………小太郎は、アナコンダに向かって身体の前で両手を合わせると頭を下げて、アイサツと共にオジギをする。

 

「ドーモ、葉隠 小太郎=サン。アナコンダです」

 

するとそれに対し、アナコンダもアイサツを返す。

 

「フッ、舐めるなよ。俺はNRSなど起こさん」

 

「ぬうっ………」

 

余裕の表情でそう言い放つアナコンダを見据えながら、小太郎は大詔に駆け寄る。

 

「蛇野殿! しっかりするでござる!」

 

「う………あ………」

 

そう声を掛ける小太郎だったが、大詔からは呻き声しか返って来ない。

 

「無駄だ。ソイツはもう戦えん」

 

「………お主は知らぬ様でござるな」

 

「何?」

 

「蛇野殿の底力を見るでござるっ!」

 

すると小太郎はそう言い放ち、腰に下げていた巾着袋から小さな箱の様な物を取り出した。

 

「??」

 

何をする気だとアナコンダが見ていると、小太郎は更に、その箱の中から更に小さな袋を取り出す。

 

そして、その袋を破ると、中に入っていたブロック状の物体を、大詔の口の中に半ば無理矢理押し込んだ!

 

「!? むぐっ!?………モグ………モグ………」

 

口に中に突っ込まれたブロック状の物を、大詔は反射的に咀嚼し、飲み込む。

 

すると………

 

「!! 美味過ぎるっ!!」

 

大詔はそう絶叫して、先程まで瀕死であったのが嘘の様にガバリと起き上がった!

 

「!? な、何ぃ!? 馬鹿な!? き、貴様! 一体ソイツに何を食わせたっ!?」

 

そこで初めて、アナコンダは動揺を露わにし、小太郎にそう問い質した。

 

「蛇野殿の大好物でござるよ」

 

そう言って小太郎は、先程巾着袋から取り出した小箱………『カロリーメイト(チョコレート味)』を見せる。

 

「もっと食わせろっ!!」

 

とそこで、大詔は小太郎からカロリーメイトを引っ手繰り、残りも全部平らげる。

 

「カロリーメイトを食って復活だと!? 嘘を言うなっ!!」

 

「嘘でもなければ冗談でもない! 俺は至って正気だ!」

 

信じられないと言った様子を見せるアナコンダに、すっかりピンピンしている大詔がそう言い放つ。

 

「ええい! ふざけた奴め! だが退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ! スフィンクス歩兵に逃走はないのだぁっ!!」

 

動揺の余り同じ声の別の人が出て来たりしながら、アナコンダはSIG MKMS短機関銃を構える!

 

「イヤーッ!」

 

だが、引き金を引こうとした瞬間!

 

小太郎が投擲したスリケンが、銃口に突き刺さる!

 

「!? おうわっ!?」

 

SIG MKMS短機関銃は忽ち暴発し、アナコンダは両手に甚大なダメージを追う。

 

「りょ、両手が!?………」

 

「蛇野殿っ!!」

 

「とああっ!!」

 

両手が使えなくなったアナコンダに、小太郎の両手を足場にして、大詔が飛び掛かる!

 

その右手には、何時の間にかバズーカが握られている。

 

「!?」

 

「多くの戦友達の犠牲が無駄ではなかった事の証の為に! 大洗の理想を掲げる為に! 優勝の成就の為に! アナコンダ! 覚悟ぉっ!!」

 

大詔が叫んだ瞬間、バズーカからロケット弾が発射される!!

 

「!? ぐああああああっ!?」

 

まるで核爆発が起った様な爆炎に包まれ、アナコンダは戦死と判定された。

 

『試合、終了っ!!』

 

「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」

 

とそこで、試合終了を告げるレミのアナウンスが流れ、両部隊は動きを止める。

 

果たして、勝ったのはどっちなのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させていただきました。

残されたペンギンさん分隊とタコさん分隊の奮戦。
此処へ来て拳龍がその強さの一端を魅せました。
そして大詔VSアナコンダの対決は中の人合戦(笑)
そこへ流れる試合終了のアナウンス。
果たして、勝ったのはどっちだ!?
いよいよ次回、決着です。


では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

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