俺の幼馴染はコミュ力お化け 作:有象無象
本当にお待たせして申し訳ありません。
しかもさんざん待たせて番外編です。
本編は一章分書き終えた段階で連投するつもりですのでもうしばらくお待ちいただけると幸いです。
GWには5章を終わらせ、今年中には最終回を目指したいと思っております。
なおプロトタイプについてですが、最終回後に公開したいと思います。
PS.本編中の※は三人称視点になります。
「お二人は結婚というものについて考えていますか?」
マシュにそう聞かれたのは、日課の訓練が終わってすぐのことだった。自動販売機の前でアイツと駄弁っていたらなにやら本を抱えたマシュにそう訊ねられたのだ。
「結婚かぁ。考えなくもないなぁ」
アイツの言葉に少し驚く。コイツもそんな事考えてるのか。
でもまあ、もうすぐ二十歳だし、三十位には、と考えなくもないか。
俺は、もし結婚するならどんな人がいいんだろう?
コミュ力高くて、適切な距離が測れる人がいい、かな?
現状その条件に一番近いのは…………
「「こいつ(だね)」」
同時に指を指した。互いに「やっぱりか」という顔だ。
納得ではある。なんだかんだ二人でいるときが一番素でいられるのは確かだからだ。
マシュは一瞬驚いたものの次の瞬間にはキラキラした目に変わっていた。
あ、これは何かしらの勘違いをしているな。
違うぞ。別にアイツと結婚したい訳じゃないぞ。言っておくがな、アイツに対して
「「違う、恋愛感情はない」」
続けてアイツが、あくまで結婚という共同生活が一番上手くいくのは互いのあらゆる部分を知り尽くしているからであって、それを満たしているのがお互いしかいないからだ。と説明する。
まったくだ。と頷くが、マシュの目はキラキラしたままだ。
そこから小一時間、代わる代わる、恋愛感情はなく、あくまで墓まで付き合える相棒なだけで、同じ条件を満たすならそっちに恋愛感情を抱くことを説明していく。
それが幸をそうしたのか、最終的にマシュは「解ってます。解ってます」という笑みを浮かべて納得してくれた。
誤解されなくてよかった。よかった。
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※以下は、後日マシュが記したであろう手記から抜粋した
【マシュレポート】
─紅秋人先輩と先輩について─
私、マシュ・キリエライトの二人の先輩についての記録。
一人は、デミサーヴァントである私のマスターの藤丸立香先輩。
もう一人は先輩の幼なじみで、カルデアのマスターの一人、紅秋人先輩。
先輩は言わずもがな、秋人先輩もただ目付きが悪くて人見知りで、口下手なだけの優しい人で、先輩とは非常に仲が良いのですが、最近思うんです。
お二人は恋人同士ではないのですか?
と、
いえ、もちろん恋人同士ではないものの仲が良い男女が存在することはわかります。
先輩同士の関係もそうといえばそのような感じかと一瞬思えます。
しかし、しかしです。普段の様子をみる限り職員の方にお借りした漫画に登場する恋人のようなやり取りを見ているとどう考えても恋人同士なのです。
─訓練後の風景─
まず、この手記を記すきっかけとなった出来事です。
はじめに、秋人先輩は朝夕にアルトリアの皆さんに稽古をつけてもらっています。
調整しているとはいえ英霊による訓練です。それはもう体力を限界以上に消費するのだとか。
同時の秋人先輩は体力はそれなり(人間のくくりで)でしたが、夜の訓練が終わるとくたくたで、歩けるまでベンチで休んでいくのですが、先輩はそんな秋人先輩と飲み物を飲みつつ談笑するのが日課でした。
そんなある日のこと
事は夕の稽古の後に起こりました。何時もの日課中に先輩の肩に凭れて眠ってしまった秋人先輩。
「ん…………。寝てたのか」
「あ、おはよう」
目が覚めたのか先輩の肩から頭を上げる秋人先輩。
「悪い。汗臭かったろ」
「ううん。そうでもなかったよ」
立ち上がって首をコキコキ鳴らしながら軽く謝罪する秋人先輩に微笑みながら返す先輩。
「それに、この匂い嫌いじゃないから」
「お前……」
躊躇いがちに目をふせ、ややあって上目遣いでの突然の一言に秋人先輩が一瞬戸惑います。
が、すぐにジト目になると呆れたように言いました。
「お前、それ毎回やらないとダメか?」
「慣れちゃったか」
「一週間毎日やられればな。あんまりこういう冗談言うのやめとけよ」
カラカラと笑いながら「了解」と先輩。
「んじゃ、お先に、おやすみ」
「おやすみ」
先に退出しようとドアを開けつつ、「あ、そうそう」と首だけ振り返って口を開きます。
「今回のは冗談だけど、匂いが嫌いじゃないのは本当だよ」
「ッ!」
面食らって固まる秋人先輩の様子に微笑んで今度こそ先輩は部屋を後にしました。
残ったのは固まる秋人先輩となにやら口の中が甘ったるい私。
あ、なるほど、これがバカップルというものなのでしょう!
─結婚について─
その日、職員の方からお借りした恋愛小説や結婚情報誌を読んでいた私は、先輩の結婚について興味を覚え、訓練後のお二人を直撃し、インタビューを行いました。
お二人は結婚というものについて考えていますか?と。
すると二人はほとんど一瞬の思案の末同時に互いを指差して、「こいつ」と答えました。
そして、それについて互いに何でもないかのように納得したではありませんか!
やはり、お二人は!と、期待したところ、またもや息ぴったりに恋愛感情はない。と否定されてしまいました。しかし、その理由が互いに知り尽くしているからだと聞かされ、さらには互いを墓まで付き合える相棒と評していました。
なるほど、どうやら恋愛感情は本当に無いようですね。自分で記しておきながら訂正します。お二人は恋人同士ではないようです。
確信しました。
これはもう、恋愛感情とか恋人同士とか飛び越えた【夫婦】なのだと。
何書いてるんだろう俺は(何時もの)。
近況も報告いたします。
親の顔より見たワルキューレの宝具。
これでだいたい察していただけると思います。
オルトリンデが最推しです。
以下はオマケになります。
【オルトリンデ】
まずは全体を眺める
白く細い手足と同じく白く、バランスのとれた肉体、フードから覗くそのどこかあどけなさの残るその凄絶な美貌。艶やかな黒い髪。どこぞの姫と言っても違和感はあるまい。
だが、その服装は違う。彼女は全身を白の鎧に包み、貞淑に守られた、まさにワルキューレと呼ぶに相応しい姿をしている。しかし、そんな戦乙女の貞淑さに反する存在がある。それは、下半身。具体的には下腹部、太腿、ふくらはぎだ。全部かよ。と、思われただろう。違う。より詳細に伝えよう。黒のブーツに被われたふくらはぎの脚線美、スリットから覗く白く神々しい太腿。
それらすべてが、彼女の瑞々しくも貞淑で犯しがたい体に艶かしさを与える。
さらにフードだ。フードというのはいい。ON、OFFによって印象がガラリと変わるからだ。メガネや鎧と同じく、一粒で二度美味しい。 フードからたまに覗くその鋭利な瞳の光は浪漫であり、数千カラットのダイヤモンドにも匹敵する魔性だ。
時に、彼女の露出度は低い方である。フードも相まってさらに肌色率が低い。しかし、いや、だからこそ、その少ない露出は映える。チラリと見えるその瞳は、下腹部は、太腿は、ふくらはぎは、深く印象に残るだろう。端的にいえばエロい。絶対領域。それしか見えない。素顔すらもよく見えない。だからこそ、我々は彼女をもっと暴きたいと思う。女体に対する大いなる冒険心。知りたい。近づきたい。触れたい。そんな裸の欲望こそが、我々の原始的なエロスなのではないだろうか?
かの大神は知っていたのだ。彼女の可能性を、その瞳の破壊力を、低露出に見るロマンを。
故に、彼女らを産み出したのだろう。
私は今日ほど自分が勇士でないことを嘆いたことはない。
それほどまでにその出会いは衝撃だったのだ。
あれですね。感想がほとんどセイバーリリィと一緒ですね。
本編と合わせると自分の癖(へき)をよく理解できてしまい多少戸惑ってしまいました。
チラリズム推しだったのか俺は。
追記 小説情報を読んでいたら、この小説を捜索で紹介して頂きました。ありがとうございます。
ただ一つ、ややほのかにオリ×ぐだ子、と記されていたのです。
妙ですね。恋愛感情はないはずですが?(棒)