俺の幼馴染はコミュ力お化け   作:有象無象

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ワルキューレの中でヒルドが、実は一番闇抱えてそうなヒロイン感あるよね


四国の人気に嫉妬


第27話 普段明るいヒロインが突然見せる暗い一面って良いよね

第五特異点の修復から1日。俺とアイツは久しぶりにピリピリしていた。

 

召喚の日なので食堂に集まった俺達だが、いつもなら並んで座るのに、アイツとは一言も交わさず離れて座っていた。食堂全体が重苦しい。

 

あの後、言われた通りにお説教を受けた。

おっしゃる通りあそこは一度引くべきだったと思う。ただの意地で不利な中留まるべきではないからだ。だがしかし、これは譲れない意地だった。

 

アイツの背中を守りたいという意地があったから引けなかったのだ。

 

アイツは俺のただ一人の友人だ。だけど、アイツには多くの友人がいる。意地でも幼なじみとして近くにいなければ、アイツにおんぶに抱っこで頼りっぱなしの俺なんか捨ててを離れてしまうんじゃないかと、昔から恐れていたから、不利でも引けなかった。いや、引きたくなかった。

 

 

ああ、そうか。一回気づけば簡単だ。

 

 

 

 

 

 

 

一人になるのが怖い。アイツに捨てられるのが怖い。

 

 

 

 

 

 

アイツが勝手に俺の就職先を斡旋した時も、アイツが人理のために戦うと言った時も、俺は一人になりたくないから付いていったし、捨てられたくないから戦った。

 

 

 

本当に、自分でも嫌になるくらい自分勝手な臆病者のバカ野郎だ。

 

 

 

この気持ちを素直に吐露できればどれ程楽だっただろうか。

だが、「俺はお前から離れたくないです。捨てないでください!何でもしますから!」とか本人に言える訳ねぇのだ。いや、言えないわ。恥ずかしいとか超越した感情だぞこれ!

 

というか、なんでアイツ読み取らねぇんだよ。いつもなら勝手に俺の心読むくせに、なんで今日だけ都合良くピンポイントで読めねぇんだよ!

そんな訳で、

 

「引くべきだったのは分かってる。けど、引きたくなかった」

 

って答えたら、当然何でかを訊かれる訳なんだが、俺の依存症気味の気持ち悪い気持ちなんか言えるわけないので黙っていたら、アイツがカッとなって、そのまま俺もカッとなってしまったのだ。

 

そして険悪なまま今に至ると。

 

「マスターさん。どうかしたんですか?今日のご飯の味付けが薄いですよ?」

 

えっちゃんマジで?うわ薄!おかしいな味噌は入れたはずなんだけど。あ、出汁忘れてた。エミヤ?え?今日は休め?いやでも、あ、はいわかりました。

 

そんなこんなで絶不調である。Xすら今日の鍛練は休みましょうとか言ってくる始末である。

 

あー、召喚できるかな?え?そのコンディションじゃ無理?今日は急遽休みね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─藤丸立香─

 

あいつと久しぶりに喧嘩した。

 

理由はあいつの行動だ。不利なら一度引くべきだったんじゃないかと伝えたら、「引くべきだったのは分かってる。けど、引きたくなかった」と言われた。何でか聞いても答えてくれなかったので、ついカッとなってしまった。

 

でも頭を冷やしてみると、引かなかったのも理解できた。私が相手する予定だったのは24本の魔神柱だ。普通に考えて勝てる筈のない相手。でも、一つだけ手はあった。それは魔神柱になったクー・フーリン・オルタから聖杯を奪うこと。あいつは素早く聖杯を手に入れ、特異点を作り出せるほどの魔力を背景にゴリ押すつもりだったのかもしれない。

 

なんだよ。私のこと、もっと頼ってくれても良いのに。

 

私が勝利する可能性はないと勝手に判断して!そんなに私は頼りないか!ああ!もう!イラッとする!

 

いやまてまて、落ち着くんだ私。あいつがそんなこと考えるタイプか?確かに無駄に上手いこと動かすけど、だいたいテキトーにだし。いやでも、意外と考えそうではある。考えなかったとしたら何で意地なんかわざわざ張ったんだろう?

ああ!もう!いつもなら、何もなくてもあいつの心が手に取るように解るのに、何で今回ばっかり解らなくなるの!都合悪すぎるよ!

 

どうしよう、出会ってから初めてだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつのことが解らない……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな、嘘だ。何で?どうして突然?今までこんなこと無かったのに。

 

どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう。

 

このままじゃ、あいつが私の前からいなくなってしまうかもしれない。

 

今まで私が前向きでいられたのは、必ずあいつが後ろにいてくれるって解っていたからなのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、そっか、私は。

 

あいつが張った意地とか、相談しなかったこととか、そんなのどうでもよかったんだ。

 

勝手にカルデアに就職させた時も、今も。

 

ただただ、あいつが居なくなるのが嫌で、怖くて、八つ当たりしてたんだ。

 

 

 




主ぐだ「「捨てられたくないよぉ……(プルプル)」」


ソーシャルディスタンスですね。(心の距離的な意味で)

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