俺の幼馴染はコミュ力お化け   作:有象無象

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まだゴールデンウィークだよね。うん。


第23話 コミュ力お化けの近況。

─秋人─

 

ねぇこれどういうこと?

 

 

牢屋から出されたと思ったら、先に出ていたアイツがライオンを丸め込んで仲間にしてた。

 

 

な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をしたのかわからなかった…

 

頭がどうにかなりそうだった……

交渉術だとか人たらしだとかそんなチャチもんじゃあ断じてねえ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間前まではいつも通りだった。

いつも通りヤバイところ(戦場のど真ん中)に送られて、アイツと二人で砲弾浴びて。

俺は危うくいろいろ切断されそうになって。

「マスターを守れなかった」ってシュンとしているいじめたくなる少女騎士リリィを慰めつつ(いやでも、シュンとする顔も可愛いかったからもうちょっと眺めていたかった)、特異点修復のために、アイツが口説き落としたバーサーカー フローレンス・ナイチンゲールと共に出発しようとしたんだが。

 

カルナは、インドは反則だってそんなの。

 

見事にボコられました。いや、サーヴァントの数ではこっちが圧倒的だったし、粒も揃ってたけども、マスター、二人とも一般人なんだよねぇ。

 

そして、西側の戦力をまとめる大統王に謁見させられたんだが、聖杯でこの特異点のみを守るつもりらしくこっちとは目的が違ったため交渉は決裂。そのまま地下牢に閉じ込められた。

 

そして、十分ほど前にアイツとナイチンゲールだけがもう一度意見を聞くために連れていかれ、すれ違いでジェロニモが助けに来たタイミングで突然呼び出されたのだが。

 

 

 

 

ねぇこれどういうこと?

 

アイツら楽しそうに談笑してやがる。紅茶にクッキーまで出してティータイムだ。あ、あれ俺が作ったクッキーじゃねぇか。戻ったら食べようと思ったのにいつの間にくすねたんだよ。

いや、そんなことはどうでもいい。それよりもだ。

 

おいこら、ライオン。今までの頑なさはどうなったんだよ。流石は副大統王じゃねえよ。何新しい役職作ってんだよ。

 

カルナさんや、そんな満足気な顔で微笑まないでもらえます?俺まだ状況理解できてないんですけど?

 

エレナさんや、そんな手のかかる子供が成長した時のお母さんみたいな顔しないでくれる?

 

そして何よりもお前だよお前。何なの?またコミュ力なの?お前昔からそうだけど相手選ばないの?コミュ力お化けの片鱗を久しぶりに見せつけてくれたな。機械すら「リツカ。リツカ」言ってんだけど?生物じゃなくてもいけんの?まだ成長期なの?

 

 

 

 

 

 

さて、気を取り直して今後の話をしよう。

とりあえずアイツのおかげで、エジソンの陣営を特異点修復路線へ変えることができた。アイツ曰く、あのエジソンならもっと大きな事ができると励ましたらこうなったらしいが。

 

どうせアイツの振り切れたコミュ力がエジソンの心を動かしたんだろう。昔からそうだった。相手が不良でも優等生でもコミュ障でもすぐに心の中に入ってくる奴だ。

 

だけどさ、まさか英霊でも関係ないのか、コミュ力って実は最強のスキルじゃなかろうか。

 

とにかく、こうしてエジソン陣営を引き入れた訳だが。いくらこちらの陣営の英霊が強力とはいえ、相手はあのケルトだ。すぐさま総力戦!とはいかない。作戦を建てねば。

 

まずは戦力の確保、さしあたってケルトの他にもう一つあるらしい陣営に接触するか。幸いにもさっきやって来たジェロニモの案内もある。

次に時間、現状は大量生産で賄った兵力ともう一つの陣営によって拮抗状態、できればこれを少しでも引き伸ばして戦力確保の時間を稼ぎたい。

 

となれば、こうするか。

 

 

まず、カルデアとエジソン陣営の協力は内密にする。

 

もしも、ケルト陣営がこれを知れば即座に総力戦を仕掛けてくる可能性があるためだ。

そうなれば戦力確保の暇など無くなり、もう一つの陣営もろとも各個撃破されて終わりだろう。もちろん工作などで時間はいくらか稼げるだろうがそれでは負ける。大量生産しているとはいえ資材は有限だ。無限に近くとも無限ではない。いずれは尽きる。対してケルト陣営兵力は本当の意味で無限だ。英霊もケルトの猛者ばかり。もちろん、こっちのサーヴァントも質で負けるとは思ってない、騎士王五人等々武闘派が揃っている。とはいえ、兵力が多ければ英霊の足止めも可能だ。武闘派をそれで足止めされれば終わる。

 

となれば数で劣るこちらが勝つには総力を上げた電撃戦しかない。防戦になれば負ける。

 

具体的には、エジソン陣営とカルデアは敵対していて、ジェロニモ陣営とカルデアが協力しているとケルト陣営に思わせて現状を維持して時間稼ぎ。その間にジェロニモ陣営の戦力をまとめる。

その後、両者が合流し、総力戦を仕掛ける。

総力戦はエジソンやキャスターなどの後方支援員達と一部の武闘派に一般兵を率いてもらい大戦をおこし、その間に残りの武闘派の少数精鋭で本陣を奇襲し一気に落とす陽動作戦。もちろん、いくらか工夫は必要だが。

 

例えば、精鋭も二手に分けて前後から強襲するとか。

 

 

 

と、提案してみた。どっかで聞きかじったような在り合わせの戦略だが。

 

 

 

え?採用?マジで?よかったぁ、プレゼンとか二度とやりたくないから却下されたら泣いてたよ。

え?キャンプ回ってそれぞれの責任者に同じプレゼンしてまわる?い、いやだぁぁぁぁぁぁあ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香─

 

あいつはいつ軍師になったんだろうか?

 

あれかな。猫耳フード被って毒吐いたりするのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………ちょっと、見たい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ゴールデンウィーク中に5章を終わらせると言ったな。あれは嘘だ。




いや、すみません。なかなか筆がのらずこの体たらくです。こう言うのもなんだかアレですが、5章があんまり印象に残ってないもので。
待たせた末に駄文という体たらくですが、遅れぎみですので、4、5話でサクッとケルトを滅ぼします。

いじめたくなる少女騎士──私の主観ですが。リリィは落として上げると輝きそうな娘だと思う。マスターの一言に一喜一憂するリリィを想像すると愛が溢れて止まらなくなるので、いつか現代に召喚したリリィと戦闘力人外のドSマスターが一緒に戦い抜く聖杯戦争を書きたいなと思うこの頃

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