俺の幼馴染はコミュ力お化け 作:有象無象
これにて第四特異点は終わりです。次回からは日常回ですので、更新がなんぼか早くなるかと思われます。
「…………無事、か?……どうした?」
そう問いかけるが、アイツは固まっていた。
おーい、大丈夫か?
うわっ!突然目がキラッ!キラッ!し始めた!
え?何?何で?何でそんなに楽しそうなの?頭イっちゃったの?
と、とにかくニコラ・テスラを倒さないと。
落下地点を振り返ると既にニコラ・テスラは立ち上がってジっとこちらを見つめていた。うん、これはわかるわ。怒ってるわ。
そりゃまあ、突然ソリに激突されれば怒るよねぇ。
チラリとアイツを見る。アイツは元の調子に戻ったのか強い眼光を放っている。
これならいける。
戦力も十分だ。アルトリアズにアイツのサーヴァントにマシュ。それに、謎の男女。ん?待って、この二人だれ?
怪訝な目でアイツに確認をとるがどうやらアイツも知らないらしい。頼光さんが親しげに慈しむように男の方に声をかけた。が、しかし男はジリジリと後退し始めた。
「まぁ金時…… ど、どうして逃げるのです? 母はあなたに会えて嬉しいだけなのにぃ……。よよよ……。そんなに邪険にされると、泣いてしまいますぅ……」
そして、おしとやかに泣く仕草まで始めた。
なんだろうかこの何とも言えない罪悪感は。別に俺が何かしたわけじゃないんだが。男もなんだかバツが悪そうに佇んでるし。
それはともかく、頼光さんの知り合いっぽい金時というと、あの有名な坂田金時ってこと?なんというか、こう、根は優しいヤンキーの兄ちゃん感があるんだけど。
じゃあ、もう一人の目のやり場に困る着物を着た狐耳の女の人はだれ?着物だから日本で、著名な狐と言うと誰だろうか?
玉藻の前しか思い付かない。
「みこーん!ご主人様の頼れる巫女狐、キャスター玉藻の前!降臨っ!です!とまぁ、ご挨拶をさせていただきましたが、此度は観光がてら少々金時さんの召喚にただ乗り……もといご主人様との新婚旅行の予行演習に参ったしだいです」
あ、やっぱり玉藻の前なのか。キャラ濃いなぁ。
とにかく、坂田金時と玉藻の前の協力が得られたのは心強い。
互いの戦力を確認して再び対峙する。
先程と変わらずニコラ・テスラはそこに佇んでいる。アルトリアズに警戒頼んでたけど、どうやら俺達を待ってくれたらしい。敵なんだよね?
え?本当ならやりたくないの?でも狂化が?
よし、倒せばいいよね。
あのモードレッドさん?作戦求められても。俺別に軍師じゃないし、霧邪魔だし。
え?霧は剥がせる?マジで、金時さん。
となると、霧は任せるとして。高火力なら倒せるだろうけど。そうすると被害がなぁ。突き落としといてなんだけど。階段の上でやればよかった。
ん?待てよ?
地面にいるなら飛ばせばいいんだよ。
アルトリアお願いが…………
数分後、綺麗な花火が咲きました。
だって、あれだよ?こちとら過剰戦力どころじゃねぇぞ?霧も晴れるなら正面から叩くべきでしょ。
よし、これで後は聖杯を回収してとっていうかアイツちゃっかり金時さんと玉藻の前とモードレッド、さらに野良サーヴァントだった二人から触媒貰ってんだけど?今まであった二人はともかく金時さんと玉藻の前といつ仲良くなったの?まだ会って数分なんだけど?
となんて思ってたらまたサーヴァントが召喚された。
今度は馬に乗った騎士甲冑の女性だった。
モードレッド?
え?父上?
アルトリア?マジで?直感が告げてる?
嘘だろ?アルトリアの体つきじゃな……すみませんすみません。余計なことでした。だからX、サンタオルタ。ちょっと腕が痛いかな。弓トリア。背中がメリメリいってんだけど?
てか、聖剣抜いた時から女をやめたんじゃ?え?普段ならともかく今は騎士王じゃないから気になる?サンタと休日あとセイバー死すべき慈悲はない?落ち着け。えっちゃんを見習え、こんな時でも我関せずだぞ。
いえ、あのですね。別に大きい方がいいとかではなくてですね。その人にはその人にベストマッチな大きさと形がありましてですね。おっぱいに貴賤無しと言いますか。アルトリアズのおっぱいはもともと特別なオンリーワンだと思います。
つまりですね。大きくても小さくてもかわいい女の子なら誰でも好きだよ。俺は。
え?アルトリアズ?それはそれで複雑?さらに力を込めないで折れる折れる!
立香さん?なんで頬をつねるの?
エミヤ?なんで複雑なものを見た顔してんの?
玉藻さん?去勢する?やめてください死んでしまいます。
なんてやり取りをしている間もモードレッドと乳上はにらみ合っている。なんにせよ、倒さないと。アルトリアズ?モードレッドに加勢してくる?マジで?
今ならセイバーばっかり増やす神も斬れる?その駄肉を落とす?
モードレッドの意思を汲んで加勢じゃないの?思いっきり私怨なんですがそれは……。
あと、立香さん?いつまで頬をつねってんの?あの清姫さん。別にアイツとりませんから。え?わたくしには見せない表情を?これから、これから見れますから!
なんとか事態を収拾させ、今度こそ戦闘開始である。とは言っても、作戦はガンガン行こうぜで、メインアタッカーはアルトリアズとモードレッド。他のメンツは結界はったり、援護に動いたりで、別に俺いなくてもいいんだが。
結果として、それはもう楽勝だった。
何せ、鬼のようなアルトリアズ(えっちゃん除く)とモードレッドの猛攻に加え、歴戦のサーヴァント達の援護の嵐である。
リンチもとい袋叩きの様相を呈しており、それはそれは非常に憐れな乳上だった。
もし召喚したらめっちゃ優しく接してあげよう。
そんなこんなで、聖杯の回収が完了し、さて帰るかというとき事件は起こった。突如、魔術王にして人理焼却の黒幕、ソロモンが現れたのだ。
ソロモンはトイレにいくぐらいの気まぐれでここにきたらしいが、ただ現れただけでこの威圧感である。俺は改めて自分たちの相手の底知れなさを飛びかけてる意識の中で感じていた。
一本でも強力な魔神柱を四本喚び出す。
ほんの一撃で強力なサーヴァント達を消し飛ばす。
存在の格の違いを見せつけられた気分だ。
マシュの宝具の後ろだったから良かったが、直撃していたらと思うとゾッとする。発動する直前に近くにいたジャックを盾の後ろに引っ張りこんだのだが、左腕を負傷してしまった。痛いのだが、カルデアの魔術礼装で応急手当てをしているためまだ耐えられる。
無茶?ごめん。思わず庇っちゃって
防いだだけでマシュは疲労困憊であり、アルトリアズも、あのギャグ時空の権化と言えるXすら緊張を顔に滲ませていた。それでも、皆が俺とアイツを護るように立っている。
緊張のにらみ合いは続く。
しかし、ソロモンは突然にらみ合いをやめて帰った。飽きたらしい。
安堵と緊張の疲れからアイツと二人で腰をおろす。
モードレッドが不機嫌そうにしつつも、役目を終えて座に帰っていった。去り際に俺を見て「絶対に呼べ」と言っていたが、アルトリア限定召喚の俺が喚べるかはわからない。
なんにせよ。この特異点の修復は終わった。
カルデアに帰れる。その事実が今はとても嬉しかった。
そういえば、うちにえっちゃんPUで鎧を纏った円卓で高レア狂サバで持ったもの全部宝具にできそうな騎士様が来ました。きっとえっちゃんですね(白目)
誰がなんと言おうとあのサーヴァントはえっちゃんです(白目)