俺の幼馴染はコミュ力お化け 作:有象無象
とはいえ、特異点は相変わらず苦手なので、あまり話が進みません。
ジャック・ザ・ リッパーがスコットランドヤードを強襲した。
あいつが作ったシフォンケーキとクッキーが尽き始めた頃そんな情報が飛び込んできた。
え?ジャックはここにいるよね?
そう訊くとモードレッドが不機嫌そうに教えてくれた。
なるほど、アサシンじゃなくてバーサーカーで、なおかつ分身したり変装したりすると。会うたびに斬ってるけど何故か何事もなかったようにまた現れるっていうのはかなり気になるけど。
なんにせよ、今ロンドンにジャックは二人いるってことか、だけどあり得るの?
教えて!Dr ロマン。あ、なるほど、かなり確率は低いけどあり得なくはないのか。
とにかく、すぐに行こう。モードレッドが今にも飛び出しそうなのでなんとか宥めて準備を終える。
あいつに作戦を求めたら、エミヤとジャックを霧の中に配置して残りは一塊に集めてジャック(狂)と戦う。
注意が私の方に向いたらエミヤに狙撃させる。もしくは、ジャック(狂)が逃げそうだったり近くに協力者がいた場合は、同じく狙撃で阻止するか、ジャックに霧に紛れて強襲してもらう、という言葉が返ってきたのでそうする。
あいつの意見を伝えたとき、何故か、モードレッドが少し感心してた。
モードレッド、あいつはヘタレで軟弱だけどやる時はやるよ。
あ、待てよ?このままモードレッドがあいつに興味を持ったら召喚する可能性が出てくるなぁ、いけない!そうなるとカルデアがカオスになる。
ジャック・ザ・リッパー(狂)を倒しにアイツがサーヴァントを引き連れて出ていった。
作戦を求められたから、それっぽいこと言ったら採用された。
モードレッドそんなに見ないで、わかってるよ。そんなの誰でも思い付くとか思ってそうだけど、俺もそう思ってるから。
ドアがしまってすぐため息が出た。
歯痒い。
俺のもとには色物だけど強力なサーヴァントが四人もいる。色物だけど。
なのに、俺が貧弱なせいで戦いにいけない訳だ。
歯痒い。
アイツは人理をロンドンを守るために戦っている。でも俺は、戦う力があるのに戦えない。
こうしてここでぬくぬくしてるだけだ。
悔しい。
悲しい。
イライラする。
えっちゃん?何?クッキーくれるの?
X?何で無言で手をつなぐの?
サンタオルタ?何で逆の手をつなぐの?
弓トリア?何で微笑んでるの?
なぐさめてくれてるのか。
ありがとう。
やれることを探してみるさ。
ロマン?ちょっと頼みたいことが………………。
結果を言えばジャック(狂)討伐は上手くいった。
まさか、ジャックの姿で出てくるとは思わなかった。一応その姿のジャック(狂)は倒せた。それでも何度も姿を変えて立ち上がってきたのは驚いたし、最後には分身まで披露してきた。話してみると意外と理性的で会話もできた。
あれだね。なんとなくアサシンよりアサシンな感じがするんだけど。
うちのカルデアの自称セイバーのアサシンがおかしいだけ?
分身されたからかなり面倒だったけど頼光さんの宝具で一網打尽にして、また出てきた時は清姫に焼き付くしてもらった。
実はもうひとつ朗報がある。
なんと、敵の首魁の一角 Pことヴァン・ホーエンハイム・パラケルススも倒せた。
ジャック(狂)との戦闘に気をとられていた彼をエミヤが赤原猟犬で狙撃して倒したのだ。
その上、彼らが魔霧から出てきたサーヴァントを勧誘して仲間にしていたことも判明した。
今回の特異点かなり活躍している気がする。第三まではあいつに頼ってたし、たまには返さないと。
意気揚々とジキルの家に帰ったらあいつが上機嫌で食事を作っていた。
え?何があったの?
おや?主人公の様子が?
主人公 紅秋人の容姿は目付きが悪く、背が高い以外特に決めていません。好きに想像してください。
えっちゃん(マスターさんが凹んでます)
ヒロインX(マスターが凹んでいます)
サンタオルタ(トナカイが凹んでいるな)
「「「なぐさめないと(使命感)」」」
弓トリア(正義感といいますか優しいといいますか。いいマスターになれそうですね)
ちなみに、シンパシーを感じるのか主人公はロマンと仲が良いです。単語レベルの会話が出来ます。