未来動物園   作:ゆるる

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ジャパリパークパート突入です。


第五話

警笛が鳴り、船はジャパリパークへと進み始めた。

出発直前に、二時間ほどの航海になるとの知らせがあったので、未来は船内に備えられている仮眠スペースで睡眠をとることにした。

 

目が覚めて気づいた時には出航から一時間半が過ぎており、未来は重い腰を上げて甲板へと向かった。海の気持ちい潮風を感じながら、壮大な海を眺める。目の先には大きな島が見えた。これがジャパリパークだろうか。

未来が刻々と迫ってくるジャパリパーク上陸への期待感に胸を躍らせながら海を眺めていると、あっという間に三十分が経ち、船は島の停泊所に碇を沈めた。

アナウンスに従い、未来たちはジャパリパークに上陸する。

降りてすぐ目に見えたのは立派なゲート。某TDLを想像させるようなものだった。混雑回避の為に受付がいくつも設置されている。

未来たちは、ゲートの横手にある従業員入口から中に通される。

そして、その先にある大きなホールへと案内されたのだ。

「ご自由にお座りください。」と聞き覚えのある声がホールに響く。

その声を聞いて未来たちは当な場所に座り、未来は隣の席の若い同年代の女性に会釈をしてからホール前のマイクスタンドへと注目した。

そして暫くしてホール横から人が現れ、マイクの前へと立った。新良だ。

新良は「コホン」と咳払いをすると明るい口調で話し始めた。

「こんにちは。今日はジャパリパークの従業員となる皆様への職務内容と担当場所等の詳しい説明をしたいと思い、このホールにまずお集まり頂きました。説明を担当します、新良と申します。よろしくお願いします。」

その言葉と同時に、従業員たちは一斉にメモを準備しだす。

殆どの人がメモを準備したタイミングで新良が再び話し始める。

その内容は、ジャパリパーク設立への道のりや簡単な概要、園内の動物やアトラクション等多岐に渡った。新良が話している間も、未来を含め多くの従業員が熱心にメモを取っている。

「さて...」と新良が、少し深刻そうな口調に切り替え、話を続けた。

「役職と担当場所を伝える前に、一つ大事なことを伝えなければなりません。これはジャパリパークと言う動物園の一番の特徴です。しかしその反面、今までの皆さんの考えを思い切り覆すような、凄く大きなお知らせです。次の話を聞いてもしも働く気が失せたのなら、解散後に直接伝えに来てください。」

その言葉に、ホール内ではどよめきが起きた。

それを遮るように新良が再び口を開く。

「先ほどこのジャパリパークの起案理由を説明したと思いますが、アレは全て真っ赤なウソです。本当の理由はこの島にあります。」

ホール内の全員が驚いた表情を見せる。そして若干のヤジも聞こえた。しかし新良はそれには動じず話を続ける。

「このパークにはあの山、と呼ばれる大きな山があります。その山は噴火する山なのですが、吹き出てくるのは溶岩でも岩石でもなく、未知数の物質なのです。我々はその物質をサンドスター、と呼んでいます。噴火する時期は不定期で、まだまだ研究が進んでいなお未知の物質なのです。そしてそのサンドスターが、動物の死骸や毛と融合すると、新たな生命体が誕生するのです。我々はそれをフレンズと呼んでいます。」

次から次へと訳の分からないワードが飛び出てきて、未来だけではなくホールの全員がとまどいの表情を隠せない。

それを見て新良は「ふぅ...」とため息を漏らし、口を開く。

「言葉だけでは分からないでしょう。実際のフレンズを見て頂きたいと思います。」

全員の視線が新良に集まる。そして新良は、大きな声で叫んだ。

「サーバル、前に出ておいで!!」




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