新連載作品はオリジナル作品ですので、もし暇があれば一度読んでみて下さると嬉しいです。
未来は新良に電話で伝えられたカコさんに会うために、ジャパリパーク動物研究所へと足を進めていた。
謎の生き物の目撃情報があった場所からはそう遠くなく、車を使えば5分程度で着く場所にあった。
未来はラッキービーストを抱え上げ、ドアを開けて助手席に座らせた。未来もまた、運転席に座ってドアを閉めてエンジンをかけた。
車は快調に走りだし、Y字の分岐点に差し掛かった。
その途端ラッキービーストは「ミギダヨ」と言った。しかし未来は迷わずハンドルを左に切った。
さっき、端末で地図を見たときに研究所は左にあることを確認していたのだ。
ラッキービーストはいつもの通りフリーズしている。危ない、もし端末を確認していなくてラッキービーストに従っていたら今頃道に迷って大冒険が始まっていただろう。
そして、暫くすると車は「ジャパリパーク動物研究所」と書かれた看板の前に到着した。
未来はそこに車を止めると、研究所の扉へと向かった。
目の前に聳え立つ大きな建物、息をのんで未来は扉を二回ノックした!
中からは「どうぞ~!」の声。以外に気さくそうで未来は一安心して、中に入った。
そこに居たのは深緑と紺色が混ざったような毛色をしたロングヘアーの白衣の女性。年は未来と同じくらいに見えた。
未来が「初めまして!未来と申します!!」言うとカコは「初めまして、ここの副所長をしているカコよ。」と自己紹介した。
するとカコは少し考えるような仕草と表情を見せてから話し出した。
「実は....その目撃情報と酷似した、或いは同じような目撃情報がパーク開演前からいくつか寄せられてるの。この研究所でもその謎の生物に対する研究は進められてきたんだけど...まだまだ分からないことの方が多いのが現状なの。それでも分かってきた事はいくつかあるの。ミライさん、サンドスターって知ってる?」
ミライはこの島に来て一番最初にホールで行われた説明会での新良の発言を思い起こした。
そして、「はい、一応は...」と答えた。
するとカコは「そう。あの山から不定期に噴出される謎の物質よ。このサンドスターのおかげで新しいフレンズが生み出されたり、各地域の気候が調整されていたりしているの。つまりコレがジャパリパークの要とも言えるわね。だけどね、サンドスターが噴出した翌日には必ず謎の現象が起きるの。」
それを聞くと未来は「謎の現象...?」と尋ねた。
するとカコは話を続ける。
「サンドスターが噴出した翌日には必ずフレンズが一体以上居なくなる。そして稀にではあるけれど居なくなったフレンズの元の姿、つまり動物が普通居るはずのない場所で目撃されているの。そして、謎の現象はもう一つ。今回と同じ、謎の生物が現れること。しかもこの生物は、噴出が起きるたびに目撃情報が増えていってる。つまり、噴出するたびにフレンズではない何かがサンドスターによって生み出されているって事ね。そしてこの謎の生物はフレンズを捕食している可能性が高いということ。私たち研究員は、その目撃情報で寄せられた個体の色から名前をとってこの謎の生物を
ミライはこれを聞いて呆気に取られてしまった。
ジャパリパークが成り立っている上でとても重要なサンドスターが、まさかフレンズの天敵となる生物を創り出しているとは、と思ったのだ。
と同時に、目撃情報があった場所から道路に戻る際に妙に感じた視線に身震いをする。
暫く沈黙が続いてからカコが話し出す。
「また何か進展があったら連絡するわ。貴重な情報ありがとう。」と言った。
ミライは「はい!お願いします!」と伝えて扉を開けた。
扉の向こうで手を振って見送ってくれているカコに手を振り返して、ミライは研究所を後にした。
ふおんなけはい。
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