これから投稿は不定期になります。
未来が木に近づくと、木陰から何かがジャンプして飛び出てきた。
とっさに未来は、その物体が飛んだ方向へと体を向ける。
そこにいたのはサーバルだった。
「サーバルちゃん?!」
未来が驚いているとサーバルは照れたような顔をして、「面白そうだったから、付いて行こうかなー、と思って!」と説明した。
それを聞いて未来はホっとした表情を見せて、サーバルを連れて再び停留所のベンチへと腰を下ろした。
暫くすると、道の奥の方から二つの光が近づいてくるのが見えてきた。
サーバルは若干ゃ怯えた表情を見せて未来の後ろへと隠れた。
やがてその光は停留所の前で止まり、車だという事がやっと分かった。
それでもサーバルは隠れたままで、未来にずっとしがみついている。
やがて車のドアが開き、中から人が出てきた。新良だ。
新良は未来とサーバルを見つけ、停留所に歩いてきて未来に話しかけた。
「大丈夫だったか?!未来さんにサーバル...一体どうしたんだ!?」
切羽詰まった様な口調で新良は話した。
未来は「すみません!!ラッキービーストの調子が悪くて...バスが無くなってて、端末の充電は切れてしまって...雨が降ってきて...」
それを聞くと新良は全てを理解したようにため息をついて口調を改めて話しだした。
「大変だったね、お疲れ様。また明日は早い、さあ車に乗って。サーバルは...今日は暗いし雨も降ってる。今日は一旦一緒に従業員棟に行こうか」
それに対して未来は「わかりました」と答え、サーバルは「はーい!」と元気よく答えた。
二人が車に乗ったことを確認してから新良は車を従業員棟へと走らせた。
やがて車は従業員棟へと到着し、未来とサーバルはそれぞれの部屋へと案内された。
未来が椅子に座り、今日は疲れたなぁと精一杯伸びをしていると、コンコンとノックの音が聞こえた。
未来は「どうぞ。」とその客人を部屋に招き入れた。
すると入ってきたのはサーバルだった。
サーバルは「夜ご飯、一緒に食べよう?私おなかすいちゃったぁ~!」
と、バスケットに入れられたじゃぱりまんを持ってきた。
じゃぱりまんはフレンズの主食となる食べ物で、各個体向けに栄養バランスが考えられたまんじゅうの様な形の食べ物。
もちろん人間が食べても安全な上、凄く美味しいとしてパーク内での販売が人間向けに予定されている程だ。
未来は笑みを浮かべ「ありがとう」と言って、事務椅子から二人掛けのソファへと移動してじゃぱりまんを一つ取った。
サーバルも同じくじゃぱりまんを一個取って、二人同時に一口食べた。
「美味しい!」
二人の声が重なり、思わず顔を見合わせる。
そしてまた、笑いあうのだった。
じゃぱりまんを食べ終えて、二人とも「お腹一杯」という表情で、ソファにダラーともたれかかった。
するとサーバルが思い出したように立ち上がり、未来に話しかける。
「私たち、これからずーっと一緒だよ!よろしくね!」
そういうとサーバルは、手を差し出して未来を見つめた。
未来は「うん!」と笑顔で返事をしてその手を取り、優しく握ったのだった。
1200文字と控えめです。
すみません。
次回よりオープン編に突入かなぁと思っております。
最終回までの構想は大体練ってありますが、このままだと何話続いてしまうやら....
感想や評価、お待ちしております。