未来動物園   作:ゆるる

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一話~四話まで就職パートなのであまり面白くないと思います()
サッと読み流して五話以降から読むのもアリかな、と自分自身で思ってます。


第一話

人間は動物が大好きだ。動物を可愛がるのが好き、動物の仕草が好き、動物を飼うのが好き。

人間(ヒト)にとって癒しであり、時には慰めになる動物。しかし、この動物たちを巡って歴史に残る大事故が起こる事など、誰も考えることはなかった。

 

21xx年、東京の土曜日。人々が、日頃の学校や仕事による疲れを癒すつかの間の休日だ。その方法は十人十色、ゲームをする者や読書をする者、体を動かす者、それぞれがそれぞれの方法で疲れを癒す。しかし、そんな中一際賑わいを見せている場所が存在した。そう、「動物園」だ。

動物園は2050年頃から需要が大きく落ち、多くの園が閉鎖した。しかし、ここ近年の絶大な動物ブームにより動物園の復活を求める声が高まり、今動物園は過去最大の盛り上がりを見せている。

人々は動物の一挙一動を眺めその逞しさ、あるいは優雅さに見とれている。その群衆の中に、未来(ミライ)という一人の少女も居た。未来は根っからの動物好きで、毎日動物園に通うほどだった。勿論将来の夢は動物園で働くこと、毎日決まって学校終わりに動物園に来ては動物たちのスケッチを取りながら動物たちを見つていた。閉園時間ギリギリまで動物園に居座る未来に両親も困惑していたが、本人の夢中な事には全力で取り組ませたいという願いから見逃していたのだ。

沢山いる動物の中でも特に未来が気に入ってたのはネコ科の動物、サーバルキャットだ。

サーバルキャットは基本的にはアフリカの、サバンナと言われる地域に過ごしている動物だ。未来はそんなサーバルキャットを格別気に入っていたのだ。

やがて閉園時間になり、心残りがありながらも仕方なく帰路に就く。動物園から家までは徒歩10分、だからこそこんな時間まで動物園に居残ることができたのだ。

 

家に帰ってまず向かうのは自分の部屋、描いてきたスケッチを取り出しアルバムに挟む。このアルバムは未来の宝物になっていた。

そして課題をする前にひと段落、未来はテレビを点けた。まず目に見えたのはニュース番組、そんな番組に興味はないのでチャンネルを回そうとしたその時、テレビから手を止めざるを得ないワードが聞こえてきた。

 

「次のニュースです、桜企画はこの動物ブームに伴い新たな動物園の建設に取り掛かる事を明らかにしました。」

 

桜企画と言えば某TDランドやU〇J等の人気アミューズメントパークを次々と生み出してきた超一流企業だ。そんな企業が今更動物園なんて...いや、今だからこそなのかもしれない。

未来はテレビを真剣な眼差しで見つめる。

 

「なお、新たに建設される動物園は「ジャパリパーク」という名称が採用されることが既に決まっており、桜企画曰く「ジャパンとサファリ、日本を代表する革新的な動物園になる」とのことです。以上、ニュースでした」

 

未来はすぐさまパソコンを開き「ジャパリパーク」で検索をかける。未完成ではあるものの公式HPも作られており、現実的な計画であることが分かった。と同時に完成予定が丁度一年後であることも記されていた。

大人気SNS、twettriではトレンド上位三位を「ジャパリパーク」「動物園」「桜企画」が占めている。こんな世の中では当然だろう。

 

パソコンを閉じた未来は決意を固める。

 

「私、ここで働く!」


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