奇妙新聞記者の事件簿   作:味噌神のスペリア

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仇宮村のもう1つの神社

黒仇 ミヤと名乗る少女

普通の子供とは違う感じがした

何か落ち着いた様子が見られる

 

何か…わからない…

全てを見透かされたような…

そんな気分が明人の心に残る

 

ミヤは明人に話しかける。

 

 

「ねぇ?お兄さん

この村…楽しい?」

 

ミヤがそう言うと

明人は笑顔で答えた。

 

 

「まぁ、いい村だね

空気はうまいし 自然が沢山あるからね」

 

 

「そうなんだ」

 

明人が村を褒めると

ミヤは少し笑顔になった。

 

すると ミヤは明人にこう言った

 

 

「お兄さん 私が村を案内してあげようか?」

 

村の案内…

明人は考えた

地図だけではイマイチわからないこともある

それに、この村の住人なら

この仇宮村のことも詳しいはずだから

明人は考えミヤに言った

 

 

「じゃあ、おねがいしてもいいかな?」

 

 

「うん!じゃあ、案内するから

私について来て」

 

ミヤは明人の手を握り

ミヤと明人は走る

その時 暑いこの時期なのに

何故かミヤの手は

凄く冷たかった…

 

そう思った明人である。

 

 

ミヤに連れて行かれる明人

仇宮村の周りの景色やお店などを教えて貰った

 

結構 歩き回ったせいで

明人は少し疲れが出て来た

 

 

「ねぇ?ミヤちゃん 何処かでお昼だから ご飯が食べれる場所はないかな?」

 

明人は時計を見ると

お昼にはいい時間になっていた

 

 

「ん~ あるよ」

 

 

「じゃあ、一緒に行こう

案内してくれたお礼でね」

 

 

「うん!じゃあ、こっちだよ」

 

すると、ミヤは明人の手を引っ張る

子供は元気で体力もある

 

 

ミヤと一緒に歩くと

一件のお店の前にたどり着いた

 

そのお店は

【仇宮食堂】と書かれていた。

 

 

「ここのご飯 凄く美味しいんだよ」

 

ミヤは笑顔で答えてくれた

明人は仇宮食堂の扉を開けお店の中に入る。

 

 

中に入ると

「いらっしゃいませ」と若い女性の声が聞こえ 奥からピンクのエプロンを着た少女が現れた。

 

 

「いらっしゃいませ 仇宮食堂へ~

あ、ミヤちゃん!」

 

 

「こんにちは 朱理ちゃん」

 

どうやら二人は知り合いらしい

ミヤの身長が150ぐらいなら

朱理と言う少女もそれぐらいだろうか?

 

 

「ミヤちゃん こちらのお兄さんは?」

 

「俺は、利田 明人と言います

この村に観光で来てね

ミヤちゃんにこの村を案内して貰ってね」

 

 

「そうなんですか?あ、私は 永坂朱理 (ながさか あかり)と言います!この仇宮食堂で働いています」

 

永坂 朱理と言う少女は

明人に頭を下げ挨拶をした。

 

 

「こちらこそ…朱理ちゃんが料理をするのかい?」

 

 

「はい!仇宮食堂は私ともう一人で働いています!」

 

 

「朱理ちゃんのご飯 美味しいだよ」

 

 

明人は少し心配だったが

ミヤちゃんが推しでもあるから少し安心している。

 

 

壁にはメニューが貼られていた

メニューには定食や丼系の料理の名が書かれていた。

 

 

「どうぞ!お水です!」

 

朱理は明人とミヤにお水を持って来て

テーブルに置いた。

明人は「ありがとうね」と朱理に言った。

 

 

「ミヤちゃん オススメは何かある?」

 

 

「あるよ!この鳥卵丼って料理が美味しいんだよ」

 

壁のメニューにオススメと書かれ

鳥卵丼が書かれている。

 

 

「じゃあ、鳥卵丼で」

 

 

「私もそれにする」

 

 

「分かりました!すぐに準備して来ますね」

 

朱理は店の奥に行き

料理を作りに行った

 

明人はお水を一口

飲むとその水が凄く美味しかった。

 

 

「水がうまいね」

 

 

「うん!仇宮村にある

仇宮神社の近くにある水場から引いてる

天然水だよ」

 

なるほど…と明人は水を飲む

 

 

明人は少し不思議な気持ちになっていた

この仇宮村に来てから

何だか時間が遅く感じていた。

 

都会で仕事をしていると

時間何て早く過ぎている感じはあった

歳を取っていくにつれ

時間が早く過ぎる気はあった…

だけど、気にする事は無かった

 

成長もすれば

家庭を持ち 仕事を退職になって

亡くなって…それが普通の暮らしなのかも知れない…

 

だけど、この仇宮村に来てから

何故か 時間の進みが遅く感じがある

 

 

…何故か?これも神隠しと関連しているのか?それとも…俺の気のせいかも知れない

 

 

「お兄さん?大丈夫?」

 

 

「え?」

 

ミヤに声をかけられ

明人は気付いた

 

 

「お兄さんを呼んでも返事が無かったから 夏バテ?」

 

 

「いや、大丈夫だよ

ちょっと考え事をしててね」

 

 

明人は笑顔で答えると

ミヤは「そっか~」と笑顔で返事をした。

 

 

すると 奥から

朱理がこちらにやって来た

お盆には鳥卵丼と味噌汁を持って来て

明人たちの前に置いた

 

「どうぞ!鳥卵丼です!」

 

親子丼みたいだが

焼いた鳥が大きく切られ

卵を乗せた シンプルだが

美味しそうだった。

 

「じゃあ、食べようか?」

 

「うん!」

 

明人とミヤは手を合わせ

「いただきます」と言い

鳥卵丼を食べた

 

「うん!凄く美味しいよ」

 

「ありがとうございます!」

 

明人は鳥卵丼の旨さに

朱理を褒めた。

 

 

「やっぱり朱理ちゃんのご飯は美味しいね」

 

 

「ありがとうね!ミヤちゃん」

 

明人とミヤは

鳥卵丼を完食し

水を飲み

お腹が満腹になった。

 

 

「ねぇ?お兄さん

お昼はどこに行きたい?」

 

ミヤが突然

明人に言った

 

 

「じゃあ…神社とか行けるかい?」

 

 

「えぇと…今からじゃあ…遅いかな…」

 

今から神社に行くには

遅いらしい…夕方には宿に戻らないといけないからな…夜は外出が出来ないらしいし

 

 

「あ…じゃあ、お兄さん!ミヤの秘密の場所に連れてってあげる!」

 

 

「え?秘密の場所?」

 

 

「うん!秘密の場所だよ!」

 

 

明人は朱理に鳥卵丼の料金を渡し

仇宮定食を後にした。

 

明人はミヤの後ろについて行くと

ミヤは森林の中へと入って行く

明人もミヤについて行く

森林の中は涼しく

何だか寂しい気がした

 

すると、歩く事

10分ぐらいだろうか

川が流れる音が明人の耳に聞こえ

太陽の光が明人とミヤを照らす

 

 

「ここが秘密の場所だよ」

 

ミヤは手を広げ

案内してくれた場所は

川が流れる湖だった。

 

 

「すごい…」

 

明人は目を疑った

現在 自分が見る景色の景観に

透き通るきれいな湖

花が咲く 花畑

そして、湖の奥に見える

黒い神社が建っていた。

 

 

「ミヤちゃん…あの神社は?」

 

明人はミヤに黒い神社の事を聞いてみると

ミヤは後ろを振り向きこう言った。

 

 

「あの黒い神社ね…

黒仇宮神社…仇宮村のもう1つの忘れられた神社だよ…」

 

ミヤは寂しそうにそう言った。


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