ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

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※この話は本編と全く時系列が違います。
なので、まだ結婚していないのに未登場の子供がいたりしますので、読みたくない方はすぐにバックをお願いします。


番外編 肝試し

この話は本編と時間がずれた世界。

まだ存在しない子供がいたりする世界。

 

そんな世界の夏の暑い夜、こんな夜更けで子供を集めての肝試し大会を開こうと、カムイが言った事から始まった。

とある場所に集まったカムイ達とラクス、そしてその子供達がやって来た。

 

「それでは肝試し大会を始めます!」

 

「ルールは簡単だ。二人一組であの森をまっすぐに抜けて廃墟前の印を取ってくればゴールだ。言っておくが種々と仕掛けがあるから注意な」

 

カムイが宣言して、ラクスがルール説明を説明をする。

ここで、現在のペアを紹介しよう。

 

レーラ×ジークベルト

 

シグレ×カンナ

 

ディーア×ソレイユ

 

ルッツ×ゾフィー

 

フォレオ×イグニス

 

オフェリア×エポニーヌ

 

ベロア×ミドリコ

 

と、なっている。

 

「・・・」

 

「よ、よろしくレーラ」

 

無言のレーラに苦笑いで言うジークベルト。

 

「な、何だか怖いよ・・・」

 

「大丈夫だから。僕が側にいてあげるから」

 

怖がるカンナを励ますシグレ。

 

「はぁ、肝試しなんて面倒だな・・・」

 

「良いじゃん肝試しぐらい!」

 

やる気無しのディーアとやる気ありのソレイユ。

 

「だ、大丈夫だよ!僕がいるから!」

 

「・・・大丈夫かな」

 

強がるルッツとそれを心配するゾフィー。

 

「こ、怖いです・・・でも、やらなきゃ・・・」

 

「・・・早く終わりたい」

 

互いに怖がるフォレオとイグニス。

 

「こ、今宵は心があ、荒ぶるわね!」

 

「あ~、ペアになってる男の人を今すぐ観察したい・・・」

 

微妙に訳の分からない言葉を言いながら怖がるオフェリアと方向性がずれてるエポニーヌ。

 

「何か珍しい物があるかな・・・」

 

「新しい薬草見つけるよ!」

 

もく目的すら違うベロアとミドリコのペア。

 

この全員を確認した主催者のカムイはくじを出した。

 

「さぁ、最初は誰が行くのでしょう」

 

「では、私から・・・」

 

ジークベルトがくじを引くと7と書いてあった。

 

「ふふ、最後の方ですね」

 

「レーラ。どうやら最後のようだ」

 

ジークベルトがそう言うと、レーラは全く反応しない。

ジークベルトが再度声を掛けようとしたら、レーラは小刻みに震えている。

その震えが鎧の動くカシャカシャとする音をかなり早くした様な感じの音をならし。

 

「怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない」

 

「れ、レーラ?」

 

「え、はッ!?ジークベルト様!何か!?」

 

「いや、順番は最後になったからと言いに来たんだだけど・・・」

 

「そ、そうですか・・・」

 

異常に怖がっているレーラを見て自分まで怖くなるジークベルトだった。

 

「じゃぁ、行くとするか」

 

「行ってくるね!」

 

先発はディーア×ソレイユは暗い森の中に入っていく。

特に何の叫び声は無いが、レーラはかなり震えている。

 

「怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない」

 

「れ、レーラ・・・」

 

いつまでも怖くないを連呼するレーラにジークベルトは徐々に怖くなってきた。

 

「(まずい!このままじゃ私まで怖くなる!)」

 

ジークベルトはこの状況を危惧し始め、何とかしようとし始めた。

 

「ね、ねぇレーラ。いつまでも怖がってないで」

 

「怖がっていません!」

 

「は、はい・・・」

 

レーラの威圧にジークベルトは黙った。

その内にディーア×ソレイユのペアが帰ってきた。

 

「ただいま!」

 

「たいした事はなかったぜ」

 

二人は余裕と言わんばかりの表情で、回りに話している。

次のペアのルッツ×ゾフィーが行く。

 

「さ、さぁ行くぞ!」

 

「大丈夫かな・・・」

 

強がるルッツに対してゾフィーは不安な面持ちで森に入っていく。

肝試しの終わったディーアは歩いていると、ジークベルトとしゃがみ込んでブツブツと、言っているレーラがいる。

 

「何しているのです?」

 

「ディーアか。実はレーラが物凄く怖がって」

 

「だから怖がっていません!」

 

「は、はい」

 

再びレーラの威圧を受けたジークベルトは再び黙る。

そんな二人を見てディーアは無表情で見ている。

 

「はぁ、ディーア。何とかならないか?」

 

「・・・無理です」 

 

ディーアはそう言うと歩いて行く。

 

「・・・いったいどうすれば」

 

「怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない」

 

以前として怖くないを連呼するレーラにジークベルトは困っていると、ルッツ×ゾフィーのペアが帰ってきた。

 

「ぜ、ぜぜぜぜ、ぜんぜん怖くなかったよ!」

 

「嘘つけ・・・」

 

ルッツが汗だくで胸を張っていると、ゾフィーが苦笑いで言う。

次のペアはオフェリア×エポニーヌのペアだ。

 

「さ、さぁ行くわよ!我が暗黒の波動の前にき、恐怖はないわ!」

 

「もう、早く行くわよ!」

 

怖がっているオフェリアと正気に戻っているエポニーヌが森に行く。

 

「れ、レーラ。取り合えず落ち着こう。ね?」

 

「は、はい・・・怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない」

 

「はぁ・・・」

 

今だにガタガタ、と震えているレーラに溜め息をつくジークベルトの所にゾフィーが来た。

 

「あれ、どうしたの?」

 

「ゾフィーか。聞いてくれないかレーラがこんな状況なんだ・・・」

 

「あぁ、成る程・・・」

 

ゾフィーがレーラを見ると、苦笑いする。

 

「レーラとはもう長い付き合いだけどレーラは怖い物とか苦手だからね」

 

「だから怖くはない!」

 

「はいはい」

 

レーラの威圧をまともに受けても普通でいるゾフィーにジークベルトは凄いと感じた。

 

「レーラはアクアおば様の怖い話を聞いたその後に、隅でガタガタ、てなってあんな風になるのよ」

 

「そ、そうなのか・・・いつも鍛練でも戦闘でも勇敢な彼女にそんな弱点があるなんて」

 

「まぁ、誰にでも弱点があるんのよ。私だってアベルが戦闘以外で中々言う事を聞かないとかね」

 

ゾフィーが苦笑いでそう言うと、オフェリア×エポニーヌのペアが帰ってきた。

 

「へぁ、ち、力が漆黒の魔に抜かれた・・・」

 

「しっかりしなさい!何で腰を抜かしたあんたをおぶって帰らないといけないのよ!」

 

腰を抜かしたオフェリアとオフェリアを担いで帰ってきたエポニーヌが出てきた。

次のペアはベロア×ミドリコのペアが行く。

 

「珍しい物を見つける」

 

「行くよ!」

 

目的がずれた二人は森へと入っていく。

ジークベルトはもうレーラをどうにかしようとは思わず、順番を待ち続ける。

その隣にはゾフィーがいてレーラの背中を擦ったりしている。

数分後、ベロア×ミドリコのペアが帰ってきた。

腕の中には大量の何かを持って。

 

「珍しい物を拾えた」

 

「こんなに薬草が取れたよ!」

 

二人は笑顔で歩いて行き、次のペアであるフォレオ×イグニスが行く。

 

「じ、じゃぁ行きますよ・・・」

 

「は、はい・・・」

 

フォレオとイグニスは森へと入っていく。

 

「ねぇ、レーラ。もう怯えなくても良いんじゃないか?」

 

「わ、私は怯えてなどいません」

 

あくまで強がるレーラにジークベルトは本当に困ったと言った表情で見ている。

 

「ジークベルト。やっぱり怖い物は怖いのよ。あたしだってかなり怖かったんだから」

 

ゾフィーはそう言うとレーラの背中を擦り続ける。

 

「・・・」

 

ジークベルト達が話していると、フォレオ×イグニスのペアが帰ってきた。

二人とも髪と服装が乱れており汗だくだった。

 

「はぁはぁ、もう、やりたくありません!」

 

「そ、そうですね・・・」

 

フォレオとイグニスがそう言って歩いて行く。

次のペアはシグレ×カンナのペアだ。

 

「ど、どうしよ。本当に怖いよ・・・」

 

「大丈夫だよ。僕がいるから」

 

シグレとカンナは森に入っていく。

 

「・・・」

 

「落ち着いた?」

 

「はい・・・」

 

ゾフィーに背中を擦られていたレーラは少し落ち着き、体育座りをして座っている。

レーラがこの座りかたをするのは、大体が落ち込んでいる時だ。

 

「・・・情けない。私がここまで怯えるなんて・・・」

 

「はは・・・まぁ、大丈夫だよ。皆も怖がって帰ってきてたし、オフェリアなんて腰を抜かしてたんだよ」

 

オフェリアの恥ずかしい事をちゃっかりと言うゾフィーにレーラは暗い笑みで礼を言う。

 

「ありがとう・・・」

 

レーラとゾフィーが話していた時、シグレ×カンナが帰ってきた。

シグレとカンナは笑顔で帰ってきたのだ。

 

「怖くなかっただろ?」

 

「うん!シグレさんがいてくれたから!」

 

シグレとカンナがそう言って歩いて行くと、遂にレーラとジークベルトの番が来た。

 

「行くよレーラ」

 

「は、はい・・・」

 

「頑張ってねー!」

 

__________

______

__

 

二人は暗い森をランプ一つで歩いていた。

レーラはジークベルトの隣で歩いて怖くないと言う事を示しているのか、無表情でいる。

 

「ねぇ、大丈夫?」

 

「・・・はい」

 

青ざめている顔で説得力がないレーラにジークベルトは苦笑いしかできない。

暫く歩いていると、木の上からいきなり不気味な人形が落ちてきた。

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁッ!」

 

「ちょっと!?落ち着いて!」

 

レーラは叫びながらジークベルトの腕にしがみついている。

ジークベルトは顔を赤く染めてレーラを落ち着かせ様とした。

 

「・・・こ、怖くないです」 

 

「分かってるよ。でも、腕を離してくれるかな?もう、動き」

 

ジークベルトは腕を離そうとしたが、レーラは離さない。

むしろ、もっと強くしがみつく。

 

「れ、レーラ?」

 

「お願いしますジークベルト様。暫くこのままでお願いします・・・」

 

震えながら見つめてくるレーラにジークベルトは赤面しては、頷く。

二人はそのままの体勢で歩いていると、道端で倒れ込んでいる水色の長い髪の女の人を見つけた。

 

「ッ!?そこの人、大丈夫ですか!?」

 

「・・・ジークベルト様。これは肝試しですよ?もしかしたら・・・」

 

ジークベルトはそう声を挙げ、レーラは怯える。

女の人はゆっくりと後ろ向きで立ち上がると、声を掛けてきた。

 

「・・・探して欲しいの」

 

「な、何をですか?」

 

「私の・・・私の目を探して!!!」

 

そう言って振り向くと、女の人の目が無かった。

流石のジークベルトも叫びを挙げた。

 

「うおぁ!?」

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁッ!」

 

「・・・ふふ、二人とも私よ」

 

女の人はそう言うと、目元を布で拭くとアクアの顔だった。

 

「アクアさん?」

 

「アクア、さん?」

 

「ふふ、二人の驚きぷりはどのペアよりも上よ。次も仕掛けがあるから頑張ってね」

 

アクアはそう言ってレーラとジークベルトのペアを手を振って見送った。

 

「それにしても凄く怖かったな・・・」

 

「は、はい・・・」

 

レーラとジークベルトは歩いていると、草むらからいきなり大きな巨大な狼が現れた。

 

「うわぁ!」

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁッ!」

 

「お、おい。そこまで驚くか?」

 

そう言うと、光り出し収まった時にそこにいたのはフランネルだった。

 

「いや、あの姿で出てきたら驚きますよ・・・」

 

「こ、怖く・・・怖くない・・・」

 

レーラは涙目で怖くないと言うと、ジークベルトは苦笑いする。

 

「まだまだ仕掛けはあるぜ。がんぱれよ」

 

フランネルとも別れてレーラとジークベルトは歩く。

その後、スズカゼに後ろから脅かされたり、大きな音を出して驚かさるたりするも、ようやく廃墟前に着くと印が置いてある。

 

「じ、ジークベルト様。早く取って帰りましょう」

 

「分かったよ」

 

ジークベルトはそう言って印を手を伸ばした瞬間、廃墟からいきらに竜が現れた。

 

「ガオ!」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

目の前の竜の余りに情けない咆哮に唖然とする二人に、竜は暫く立ち尽くしてから光り出すとカムイになった。

 

「はぁ、最後の方でも驚きませんでした・・・」

 

「は、母上・・・」

 

「カムイ様・・・」

 

カムイは落ち込みながら印を二人に差し出した。

 

「はい。これを持って戻ってね」

 

「あ、ありがとうございます・・・」

 

「な、何故かすみません・・・」

 

二人はこの気まずい雰囲気から脱却したいのですぐにその場から去る。

二人は帰り際も威かされ、驚きながら歩いていると、空から竜が降りたって咆哮を浴びせた。

 

「グワオォォォォッ!」

 

「うわぁ!」

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁッ!」

 

二人は驚いていると、竜の上に誰かいた。

それは、無表情で二人を見るベルカだ。

 

「ベルカさん」

 

「か、母さん!?」

 

「・・・二人共、熱いわね」

 

「「え?」」

 

レーラとジークベルトがお互いを見ると、ジークベルトの腕にレーラがしがみついている状態だった。

レーラは口をパクパク、と開けて赤面した。

 

「ち、違うの・・・これは」

 

「大丈夫よ。もう貴方は年頃の女の子なんだから」

 

ベルカはそう微笑むと、飛び立っていく。

 

「違うの!母さん!!!」

 

「もう、聞こえてないよ・・・」

 

レーラに苦笑いで言うジークベルトは、ベルカの言っている事を理解していなかった。

レーラは顔を両手で押さえながら歩いている。

 

「そんなに恥ずかしがらなくても・・・」

 

「だって・・・」

 

暫く歩いた二人は、出口付近までやって来た。

 

「もうすぐだよ」

 

「やっと終われる・・・」

 

レーラはもう疲れたと言わんばかりに、溜め息をついた。

 

「ん?」

 

「どうしました?」

 

「前に誰かいる・・・」

 

ジークベルトがそう言うと、レーラは目を凝らして見ると、そこにはボロボロの全身鎧で身に纏い、ボロボロのマントを羽織る馬に乗った騎士がいる。

 

「な、何なんだ・・・」 

 

「ぼ、亡霊の役の人じゃないかしら・・・」

 

二人は震えながらみていると、突如、騎士が馬を走らせて来た。

 

「うおぉぉぉぉ、首を置いていけ」

 

酷く低い声なのにはっきりと聞こえた二人は本物の亡霊と思い、走って逃げ出した。

 

「うわあぁぁぁぁぁぁッ!」

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁッ!」

 

一人残された騎士は呆然と見た後に兜を取ると、そこにはラクスの顔があった。

 

「・・・そこまで驚かなくても」

 

ラクスは呆れながら二人を追いかけた。

暫く、二人は亡霊だと思い込んでいるラクスと鬼ごっこを興じる事になったが、すぐに捕まって出口に引っ張られた。

 

「たく、何も彼処まで驚かなくても」

 

「と、父さんの声が本物過ぎるのよ!」

 

「うん。あれは怖かったよ・・・」

 

三人は肝試しを終えて、スイカを食べていた。

 

「にしても、レーラ。お前はいつの間にそんな大胆になったんだ?ジークベルト様の腕にしがみつくなんてな」

 

「そ、それには訳があって!」

 

レーラが顔を赤く染めながら言うと、ラクスはニヤニヤ、と顔を歪ませている。

 

「まぁ、お前がどんな奴に恋しようが勝手だ。空きにすればいいさ」

 

「だから違うって!」

 

「は、ははは・・・」

 

ジークベルトは隣にいるのに、二人はいないかの様に話す事に苦笑いする。

レーラは顔を赤く染めながらスイカを食べた。


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