ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
カムイ達とラクス、そしてサイゾウは襲い掛かるフウマ兵を倒して進むもうとするが、巻きびしと呼ばれる地面にばら蒔く罠に、遮られて進めずにいた。
「くそ・・・」
「どけ」
サイゾウはそう言うと、巻きびしを取り除いた。
「成る程な、ありがとうサイゾウ」
「ふん、これはカゲロウを助ける為の共闘だ。別にお前達の仲間になった訳ではない」
サイゾウはそう言うと、奥に進んでいく。
ラクスもサイゾウに続いて行くと、フウマ兵が手裏剣を投げて、行く手を遮ろうとしてくるがラクスは、ディアブロスを振るってフウマ兵を倒す。
「貴様達に用は無い!コタロウを出せ!」
「死ねぇ!」
フウマ兵が飛び掛かってきたが、フウマ兵は斬り飛ばされた。
「父さん!」
「すまないレーラ。さぁ、行くぞ!」
ラクスは引き続き、フウマ兵を斬りつけて進むと、壁が立ちはだかった。
「くッ・・・行き止まりか」
「ラクスさん!」
ラクスが行き止まりで引き返そうとした時、カムイがやって来た。
「カムイ様。ここは行き止まりです。引き返しましょう」
「待ってください。この近くに竜脈を感じます」
「竜脈が?」
「はい・・・ここです!」
カムイは竜脈のある所へ行くと、竜脈を発動させた。
すると、壁が下りる様に無くなり道ができたが、別の所から壁が出てくる。
「成る程・・・竜脈を発動させると、交互に壁が動く仕掛けですか。これを駆使しなければコタロウには辿り着けないと、言う事ですね」
「はい。行きましょう」
カムイと共にラクス、レーラ、サイゾウは突き進む。
多くのフウマ兵が襲い掛かるが、もはや敵ですらなく遂に、コタロウの元に辿り着いた。
「ここか・・・」
「待ってくれ!」
ラクスは後ろから聞こえた声に振り向くとそこにはアシュラがいた。
「コタロウとは俺にやらせてくれ!この通りだ」
「・・・分かった。私は良いがカムイ様は?」
「私も構いません」
「だ、そうだ。しっかりやって来い」
「あぁ!」
アシュラはそう言うと、奥に走っていく。
カムイ達とラクスは奥に言って、アシュラの戦いの行方を見る為に、入ると、そこには椅子に座り待ち構えていた、コタロウがいた。
「ここまで来るとは予想外でしたよ・・・」
「今回、お前の相手はカムイ様でも私でもない・・・ここにいるアシュラだ」
ラクスがそう言うと、アシュラが前に出た。
「・・・貴様は」
「俺はコウガ公国の元忍アシュラだ。お前を殺して仲間の仇を討ってやる!」
「やはりコウガ公国の生き残りか!良いだろう、私が引導を渡してやる!」
「待て」
コタロウが立ち上がってアシュラと戦おうとした時、サイゾウが現れた。
「私も戦おう。卑怯な手段を使って殺した父の仇を討たせてもらう・・・覚悟しろ!」
「くッ・・・ちょこざいな」
「それなら私も戦いましょう」
「スズカゼ・・・!」
今度はスズカゼが現れ、サイゾウの隣に立つ。
「私だって兄上と同じ父に育てられてきました。貴方を討ち過去の因縁を終わらせます」
「へ・・・どうやら俺一人とはいかなくなったなったようだな」
三人は武器を構え、コタロウと対峙する。
コタロウは怒りの顔をして、三人を睨み手裏剣を構える。
「なら、お前達三人を殺してやるまでだ!」
戦いは始まった。
最初はコタロウの手裏剣が飛んできて、サイゾウは弾くとアシュラの弓が矢を射てコタロウを攻撃するが、コタロウは避ける。
コタロウはアシュラを攻撃しようとするが、スズカゼに遮られ、サイゾウの手裏剣が飛んできて肩を掠めた。
「チッ!」
コタロウは飛び引くと、後ろにはスズカゼがおり、手裏剣を手に飛び掛かるが、受け止められて、蹴り落とされる。
コタロウは着地すると、スズカゼを殺そうと、素早く走り斬りつけようとしたが、サイゾウがそれを防いだ。
「くそ・・・」
「どうした?」
「もう疲れたのですか?」
「俺達はまだ、疲れちゃいないぜ?」
三人の言葉にコタロウは血が昇り怒りのあまり手裏剣を手に飛び掛かった。
アシュラは冷静にコタロウに向けて射ると、コタロウの胸に当たりコタロウは血を吐いた。
その隙に、スズカゼとサイゾウが止めに手裏剣でバツマークに斬り裂いた。
「ぐ、はぁ・・・おのれ・・・私の野望が・・・消え・・・・・・」
コタロウはそう言うと、完全に息を引き取って死んだ。
コタロウの死んだ姿を見た三人は全て終わったと、考えた。
「・・・終わったか」
「・・・はい」
「・・・ここまで、長かったがやっと、コタロウを討てた」
三人がコタロウを討ち取ったを確認したカムイ達とラクスは三人に近づく。
「気は済んだか?」
「えぇ・・・」
「俺はカゲロウを助け出して白夜王国に退く。今回はカゲロウを助けてくれた礼だ。お前達を見逃してやる」
サイゾウはそう言うと、消えた。
「・・・素直じゃないな。それで、アシュラ。お前はコタロウを討った。次の目的はあるか?」
ラクスの問いにアシュラは首を横に振る。
「無いさ・・・だが、最後までお前達に着いて行くつもりだ。コタロウを討たせてくれたし、命をカムイ様に助けられた恩もある」
「そうか・・・」
ラクスはそう言うと、コタロウを見下ろす。
「馬鹿な奴だ・・・野心に溺れさえしなければ死ななかったのにな。だが、命はどんな者であれ平等だ。眠れ安らかにな・・・」
ラクスはそう言うと、せめての情けとしてコタロウが安らかに眠れる様に祈るのだった。