ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

81 / 174
楽園の歌声

カムイ達は歌姫達のショーを見る為に、席に着いていた。

ラクスはベルカ、レーラの三人でショーを見る事にした。

 

「父さん。ショーが楽しみですね!」

 

「ふ、そうだな。もう始まるから静かにしておくんだぞ」

 

初めてのショーにレーラは笑顔を浮かべ、ラクスとベルカは微笑みながらその姿を見ている。

やがて、ショーが始まり黒い服装をした歌姫が現れた。

ラクスはその歌姫を見て疑問を感じた。

 

「ラクス。始まったわ」

 

「・・・ああ、そうだな(誰かに似ているな)」

 

ラクスがそう思っていると、歌が始まった。

歌姫の歌声は透き通る様に美しく、そして美しく舞う姿にラクスはつい聞き惚れてしまった。

歌姫は歌い、舞いながら魔法なのか水の様な物を広げ更に引き立たせる。

 

「綺麗・・・」

 

レーラは目を輝かせてそう言う。

確かに綺麗な物ではあったがラクスはふと、特等席を見ると、ガロンが苦しんでいた。

 

「なッ!?」

 

ラクスは咄嗟に立ち上がり、歌姫を見たが何処にもおらずその変わりに、舞台の奥から白夜兵が現れた。

 

「白夜兵・・・!?成る程、事の発端は奴等か」

 

「命が惜しければここを退け!我々は戦争にしょうりする為、今ここで・・・暗夜王ガロンの首級頂戴いたす!」

 

「何だと・・・?」

 

ラクスは白夜兵は中立の立であるミューズ公国内でガロンの首を取ろうとしているのだ。

ラクス達の席から少し遠くにいるカムイとレオンもかなり驚いている。

 

「致し方ないか・・・ベルカ、レーラ。戦闘の用意をしておくんだ。奴等を追い払うぞ」

 

「えぇ・・・」

 

「せっかくの父さんと母さんとの時間を、邪魔した報いを受けさせてあげます・・・!」

 

ベルカとレーラは武器を手に愛機に跨がる。

白夜軍との戦いが勃発し、白夜兵が次々と突き進む。

 

「はぁ!」

 

ラクスは、接近してくる白夜兵を倒していくが後ろを敵の矢がラクスに飛んできたが、ベルカが防いだ。

 

「すまないベルカ」

 

「次は気を付けて」

 

そう言うと、斬り掛かってくる白夜兵を斧で斬る。

レーラは馬を走らせながら、上手く戦い白夜兵を蹴散らしている。

 

「流石が私達の娘だな」

 

「負けていられない」

 

ラクスとベルカはレーラの戦いを見ていつも以上に戦い、白夜兵に恐怖を与えた。

 

「こ、こいつら強すぎる!」

 

「ひぃッ!」

 

「えぇい!相手は三人だ押しきれ!」

 

指揮官の言葉を聞いても白夜兵は誰一人行こうともしない。

そんな状況の中で、遠くから走ってくるカムイ達の姿が見えた。

 

「皆さん大丈夫ですか!」

 

「あぁ、まだ余裕がある位に大丈夫だ」

 

ラクスが余裕そうにそう言うと、カムイは微笑んで安堵した。

 

「良かった。では、白夜軍を共に倒しましょう」

 

「ふ、言われなくても」

 

ラクスはカムイの横に立つと、白夜兵を次々と斬り裂いて進むと、髪の長い尻尾を生やした男が立っている。

 

「おい、そこの人!」

 

「きゃっ!?尻尾を生えた人間が喋っていますよ!?」

 

「ガーン・・・」

 

カムイが可愛らしい声で驚くと、男は心底ガッカリしてカムイを見る。

 

「せっかく良さそうな奴だと思ったのに、この言われ様はショックだぜ・・・俺は尻尾の生やした人間じゃない!誇り高き人狼、ガルーだ!」

 

「ガルー?」

 

「ガルーとは、狼の姿に変わる事ができる種族です」

 

カムイの疑問にラクスが応えると、男は笑う。

 

「そうだぜ。この獣石を使ったら、大きくて強い狼になれるんだぜ。」

 

そう言うと、獣石を見せてくる。

 

「へぇ・・・狼にですか、失礼な事を言ってすみませんでした。でもどうして、貴方の様な種族が此処に?」

 

「へっ!?そ、それはその・・・み、道に迷ったんだよ、それで、その・・・お前なら助けてくれそうだなって思って・・・」

 

ガルーの男がそう言うと、カムイは微笑みながら問いかける。

 

「声を掛けてくれたのですか?」

 

「べ、別に・・・そう言う訳じゃ・・・」

 

「でも、申し訳ありませんが・・・私には貴方の故郷の場所は分かりません」

 

「・・・そう、か」

 

ガルーの男が残念そうな表情を出していると、カムイは提案した。

 

「ただ・・・仲間になってくれたら一緒に故郷を探す事はできますよ。貴方のその力は頼りになりそうですし、考えてみてくれませんか?」

 

「仲間・・・し、仕方ねぇな。そこまで言われちゃ、ひきさがれねぇよ。別に俺は一人でもやっていけるけどら力を貸してやっても良いぜ」

 

ガルーの男は素直に言っていないが尻尾のブンブン振っている。

レーラはその尻尾に無表情ながらも目を輝かせている。

ラクスは犬かと、心の中で、ツッコム。

 

「尻尾をブンブン振ってますね・・・もしかして、嬉しいのでしょうか・・・」

 

「俺はフランネル!お近づきの印に、この芸術的な毛玉をやるよ!」

 

「・・・ゴミクズ・・・?」

 

カムイは毛玉と思われるゴミクズを見て引いている。

 

「へへ・・・おれの宝物なんだ。べ、別に礼なんて良いぜ。仲間になった印っていうかさ・・・た、大切にしろよな!」

 

「あ、ありがとうございます・・・」

 

ガルーのフランネルが仲間になり、戦況は有利になった。

フランネルが獣石を使って巨大な狼に変わると、白夜兵をその巨体で吹き飛ばす。

 

「ふむ、流石はガルーだな」

 

ラクスは冷静に観察していると、白夜兵三人が来る。

ラクスはその三人に向かって馬を走らせると、ディアブロスで三人を斬り、遂に襲撃の首謀者まで辿り着いた。

 

「我はクマゲラ!いざ、勝負!」

 

「ふん、そうか」

 

ラクスはそう言うと、馬を走らせると、クマゲラは棍棒を構えて迎え撃つ構えを見せ、ラクスが近づいて来た所を狙って、棍棒を振るった。

 

「とおりゃぁ!」

 

クマゲラの棍棒は勢い良く振るわれるが、ラクスは馬を飛び上がらせると、クマゲラを斬った。

クマゲラは大量の血を出して倒れ絶命した。

 

「身の程を弁えてから戦うべきだったな・・・」

 

ラクスは冷たい目でそう言うと、白夜兵達はクマゲラの死を見ると、一目散に逃げ出した。

 

「終わったか・・・」

 

ラクスは戦いを終えて一息をつくのだった。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。