ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
カムイ達とラクスは王城へ帰還する為に、移動していた。
「やっと、ここまで戻ってきましたね」
「うん。私も流石に疲れちゃったよ」
「はい。無理をさせてすみませんエリーゼさん。でも、後、三日で着きますから、それまで頑張ってください」
カムイ達とラクスは歩き出すと、エリーゼは息を荒げて始めた。
異変に気づいたカムイ、アクアそしてラクスはエリーゼの元に行く。
「どうしたのですかエリーゼさん?」
「何だか・・・目の前が回るの・・・・・・」
「何だと?」
ラクスはエリーゼの額に手を当てるととても高い熱で、次に腕を見ると発疹が現れている。
「これは・・・!」
「何ですかラクスさん?」
カムイがラクスに質問すると、変わりにアクアが応える。
「エリーゼは恐らく島国特有の風土病にかかったのよ。このまま、ほっておけば命に関わるわ・・・」
「命に・・・!?」
「この病を治すには特別な魔法薬が必要となる。サイラス!確か近くにマカラス宮殿があったな?」
「あぁ。マカラス宮殿は確かに近くにあるぞ」
ラクスはそれを聞いてエリーゼを抱き上げると、馬に乗る。
「急ぎましょう。残された時間はあまりありません」
「はい!」
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~マカラス宮殿~
カムイ達とラクスが急いで、マカラス宮殿にやって来ると、何処からともなく白夜兵が現れた。
「何故だ。何故、白夜軍が・・・!」
「カムイ」
カムイ達とラクスが声の聞こえた方向を見ると、そこにら白夜の王子リョウマがいた。
「リョウマさん」
「久しぶりだなカムイ。国境で別れて以来か?すっかり暗夜王国の戦士がいたについたな」
「カムイ様お下がりください・・・」
ラクスはディアブロスを抜いてリョウマと対峙する。
「その顔がお前の素顔かラクス」
「今はどうでも良い事だ。通してくれないか?エリーゼ様が急病なんだ。戦いは後にしてほしい・・・」
ラクスそう言うと、リョウマに威圧するがリョウマも負けずにラクスを威圧する。
両者の威圧のぶつかり合いは、回りにいる者を怯ませるのに充分な物だ。
「・・・どうやら虹の賢者の力を得ているのは、本当の様だな。」
「お前達、暗夜を倒す為に身につけたら力だ。それと、カムイ。ラクスが抱えている暗夜の王女を助けたくば、白夜王国に戻ってこい」
「白夜王国に・・・!」
リョウマのエリーゼを助ける条件は、カムイが白夜王国に戻る事だった。
ラクスは、怒りを表す様に顔を歪める。
「ほぉ、白夜も地に落ちたものだ。病人を人質変わりにカムイ様を白夜に連れ戻そうとはな」
「何とでも言え、決めるのはカムイ。お前だ」
リョウマがそう言うと、カムイは覚悟を決めてリョウマに言う。
「・・・それだけはできません。私はあの国でやる事があるんです」
「・・・なら、直接、刃を交えるしかないな」
リョウマはそう言うと、雷神刀を構える。
ラクスもディアブロスを構えようとした時、カムイに止められる。
「待ってください。ラクスさん・・・貴方は先にエリーゼさんを連れて行ってください」
「しかし・・・!」
「ラクスさんは今、エリーゼさんを抱えている時に戦うのは無理です。だから、先に行ってエリーゼさんを助けてください」
カムイの懸命な言葉にラクスは暫く、沈黙したが頷いた。
「分かりました・・・でも、無理はしないでください」
「分かっています」
カムイの言葉を聞いたラクスは、馬を走らせて突破を図る。
「奴を食い止めろ!」
リョウマの叫びと同時に、白夜兵が一斉に掛かってくる。
ラクスはエリーゼを落とさない様に動き、ディアブロスを白夜兵に振るう。
「な、何て奴だ・・・」
「怯むな!行けぇ!」
「やはり、敵が多いか・・・」
ラクスがディアブロスを振るいながら進むも、白夜兵は束になって掛かってくる。
ラクスは中々進めずにいた時、手裏剣が白夜兵に突き刺さる。
「ッ!?お前は・・・スズカゼ!」
「はい」
手裏剣を投げたのは、七重の塔の戦いで退いたスズカゼだった。
何故、スズカゼが自分を助けたのか分からなかった。
「何故、助けた?」
「はい。私はカムイ様の戦争を終わらせると言う、言葉を聞いて暫く、考えた後、私はカムイ様に着いて行きたいと思いここまで来ましたが・・・助けたのは貴方には借りがありますのでその借りを返したと言う所です」
「借りか・・・まぁ良い。今は誰だろうと助かる。突破するぞスズカゼ!」
ラクスはそう言うと、再び前進する。
スズカゼの支援もあり、着実にマカラス宮殿に入り込めそうだった。
「行かせはせん・・・」
「くッ!また、お前か・・・サイゾウ!」
「カゲロウ。お前はスズカゼに当たってくれ。俺は・・・奴と戦う」
サイゾウはそう言うと、ラクスに手裏剣を構える。
「くそ・・・このままでは、エリーゼが」
ラクスはディアブロスを構えサイゾウと対峙する。
そこに、馬の蹄の音が聞こえラクスは振り替えると、派手な髪色をした、ソシアルナイトが槍を片手に突っ込んできていた。
ソシアルナイトは、サイゾウの元に行くと槍を突き出すが避けられた。
「あ、避けられちゃったの」
「お前は、ピエリか」
「そうなの!」
マークスの臣下ピエリが参戦。
更にまた、別の人物が走ってきた。
「ちょっと待ってよ、ピエリ!」
「ラズワルド」
「あ、ラクス・・・殿だよね?そうだよ僕は、ラズワルドだよ」
マークスの臣下ラズワルドも加わって、形勢は完全に逆転した。
サイゾウは身構えて、一人も通さないと言う雰囲気を出している。
「ラクス殿。先に行ってください。ここは僕達が引き受けます!」
「そうなの!早く行くの!」
「・・・ありがとう」
ラクスはそう言うと、馬を走らせて突っ込んでいく。
「行かせん!」
「させないよ!」
サイゾウの手裏剣が、ラクスに襲い掛かるがラズワルドが防ぎ、ラクスはサイゾウ、カゲロウの二人を抜いた。
「もう少しです・・・あと、もう少しですから!」
ラクスがそうエリーゼに語りかけながら馬を走らせて、遂に突破した。
「・・・逃がしたか」
「サイゾウ。もはや、形だけだが、今回は我々の敗けだ・・・」
「・・・退くぞ」
サイゾウはそう言うと姿を消し、カゲロウも続く。