ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
カムイ達とラクスが進むと、そこには天馬武者の部隊と白夜王族のヒノカが待ち受けていた。
「ヒノカさん・・・」
「カムイ。まさか、お前がこの七重の搭を攻め登ってくるとは思わなかったぞ。だが、お前の姉ではあるが私は、お前に負ける訳にはいかない!」
ヒノカはそう言うと、薙刀を構えカムイ達とラクスに対峙する。
カムイは夜刀神を構えてヒノカと戦おうとするが、ラクスが制す。
「カムイ様。ここは私が相手をします」
「レスターさん?」
「白夜の者とはいえ、貴方の実の姉だ。辛い戦いはさせたくない」
ラクスはそう言うと、ヒノカと対峙する。
「来い!私はお前達を一歩足りとも、虹の賢者様に近づけさせはしない!」
ラクスは、ヒノカの言葉を聞いて斬り掛かる。
カムイ達も、天馬武者の部隊と交戦を開始した。
ラクスは斬り掛かったがヒノカは避け、ラクスに反撃する。
「やぁ!」
「あまいな」
ヒノカの攻撃をラクスは防ぐと、ヒノカに連続で攻撃する。
ヒノカは、ラクスの連続での攻撃を防いでいると、ラクスが飛び上がり、蹴りを入れた。
「ぐはぁ!」
ヒノカはまともに当たってしまったが、天馬から落ちる事はなく体勢を整えようとすると、ラクスは着地した後、素早く斬り込む。
「くッ!」
ヒノカは、ラクスの攻撃を間一髪の所で防ぎ、ラクスは距離を取る。
「流石は王族だな。手強いものだ・・・」
「私はカムイを取り戻したい一心で、鍛練を積んできたからな。たが、まさかこんな形で、振るう事になるとは思わなかったが・・・」
ヒノカは、悲痛ともとれる表情を見せるがラクスもまた悲痛な表情を出す。
ラクスの目的はスメラギ暗殺での贖罪を果たす為に、カムイを影から守っているが、スメラギの子である白夜王族もその対象なのだ。
だが、ラクスはそれでも敵だと、割り切りながら剣を構える。
「確かに、血の繋がりはお前達にあるかもしれない・・・だが、それでも繋がった絆を断ち切るのは不可能に近い物だと思え」
「くッ!・・・うおぉぉぉ!」
ヒノカはラクスの言葉を言い返せず、薙刀を振るう。
ラクスは、薙刀を弾き返すとヒノカは体勢を崩し、ラクスはその隙を衝いてヒノカを掴み、天馬から落とす。
ヒノカは立ち上がろうとしたが、ラクスはそれを許さず踏みつけて剣を突き立てようとした。
「止めてくださいレスターさん!」
「何故ですか?こいつは白夜王族だ。生かしていたら面倒な事になります」
「もう勝敗は決しています。これ以上の殺戮は止めてください」
「・・・」
ラクスはカムイの命令を聞いて足を退けると、ヒノカはゆっくりと立ち上がる。
「くッ・・・私の負けか・・・・・・」
「はい。私達の勝ちです。ですが、私達は無用な殺戮はしません。ヒノカさん・・・退いてください」
「・・・致し方ない」
ヒノカはそう言うと、天馬に跨がって七重の搭から逃げ出す。
他の白夜軍も同じで、ヒノカに続いていく。
「・・・本当によろしかったのですか?」
「はい・・・では、行きましょう。虹の賢者様の元へ」
カムイはそう言うと、扉を開けた。