ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
~ノートルディア公国~
「着いましたね・・・ここがノートルディア公国ですか」
ノートルディア公国に着いた、カムイ達とラクスは一息つける事ができた。
「何事もなく上陸できて一安心ですね」
「あぁ。たが・・・妙だ」
「どうかしましたか?サイラスさん」
サイラスは何かを感じ取ったのか不審感を感じている。
ラクスもまた、ノートルディア公国に着いた時に、違和感を感じたのだ。
「(何故、白夜軍はいない?)」
ラクスはそう思っていると、サイラスもこの事態に気づいたのか、カムイに説明してカムイもすぐにその事に気づく。。
白夜軍がノートルディア公国に駐留しているなら何故、カムイ達を上陸させたのか。
ラクスは奇襲を警戒しながら周りを見渡すと、人を見つけカムイも気づいた。
「・・・あ!あそこに人がいますよ。すみませーん!そこの方ー!」
「えッ・・・わ、私かい?」
「あの、すみませんが、教えて頂きたい事があるのです。この国に白夜軍がいると聞いたのですが・・・」
「白夜軍・・・」
カムイの質問におばさんは考える素振りを見せると、何かを思い出したのか話してくれた。
「あぁ、あの方達なら、この前会ったねぇ。物腰の柔らかい、良い人達だったけど・・・なかなかやる事がごういんでね。警護だとか言って、虹の賢者様を山に連れて行っちまったんだ」
「そんな・・・虹の賢者様を!?」
「(まずい事になったな・・・)」
おばさんの言っている事が本当なら虹の賢者は白夜の手中にあり、カムイは力を得られない。
もし、得るなら白夜軍と戦う事になるのは明白だ。
「その山は、何処にあるのですか?」
「えぇと・・・彼処に見えるノートルディア山がそうだけど・・・まさか、あんた達、あの山に行くつもりなのかい?止めておいた方が良いよ。命が欲しいならね」
「どう言う事ですか?」
カムイの疑問にラクスが答える。
「ノートルディア山は登る者に試練を与える高峰だと言われていてな。今まで、何人もの猛者が挑戦したが、帰ってきた者は殆ど皆無だった・・・昇れたとしても、頂上に立つ七重の搭の内部で命を落としたりする」
「七重の搭・・・」
「へぇ~、あんた詳しいねぇ」
ラクスの説明に、カムイは七重の搭に反応し、おばさんはラクスの詳しい説明に関心を抱いている。
「ねぇ・・・どうする?カムイ。罠に飛び込む様な物だけれど」
「でも、引き下がる事はできません。もし任務に失敗したら、お父様は私を始末するでしょう。そうなったら、この手で戦争を終わらせる事なんてできません。これが試練だというなら、望むところですよ」
カムイの決意は固い物だとラクスは感じ黙っていた。
「(カムイ様は軍才はあるが、優しすぎるのが災いしている。その優しさが、カムイ様の弱点と言うのなら補っていかなくては・・・そうしなければ、虹の賢者の試練は越えられん)」
ラクスはカムイを見ながら思い剣をそっと、握る。