ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

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望まぬ再開~前編~

港町ディア。

そこは多くの船が、行き交う暗夜領の町で、これから向かうノートルディア公国に向かう為の船がある場所。

 

「やっと、ディアに着きましたね」

 

「はい」

 

カムイとジョーカーが話している最中、ラクスは定時報告をガロンの元に送る為に、書いているとエリーゼが話しかけてくる。

 

「ねぇねぇ!何してるの?」

 

「これは、ラクス様への定時報告の為の文です。今はカムイ様の下にいるとはいえ、私の主は悪魔でラクス様なのです。内容は・・・まぁ、戦闘報告と現在位置、と言った所です」

 

ラクスはそう言うと、鳩の足に文を結ぶと、飛ばす。

鳩は真っ直ぐに飛んでいきすぐに、見えなくなった。

 

「へぇ、大変なんだね」

 

「仕事ですから」

 

ラクスはそう微笑むとカムイの元に向かおうとした瞬間、二隻の軍船が、港に入ってきた。

旗は、白夜王国の紋章だ。

 

「ッ!?カムイ様、白夜軍です!」

 

「何ですって!」

 

カムイは港を見ると、既に、白夜軍は船を着けて上陸しており、その戦闘には白夜平原で、見た白髪を結んだ青年だ。

 

「タクミさん・・・」

 

「タクミ?あの、白夜王国第二王子の?」

 

「はい・・・」

 

カムイは辛そうな顔でラクスにそう言うと、ラクスはタクミを見る。

タクミは、神器風神弓の使い手で、簡単には倒せない。

ラクスは対策を考えていると、遠くから羽音が聞こえ、音の発生源に視線を向けると、見えたのはカミラとベルカ、ルーナだ。

 

「カムイ様!カミラ様が此方に向かってきています!」

 

「カミラ姉さんが?」

 

カムイはそう言うと同時に、カミラがやって来た。

 

「大丈夫、カムイ?任務を終わらせて助けに来たわよ」

 

「ありがとうございます。カミラ姉さん」

 

カムイとカミラが話している時、ラクスはベルカと向き合っている。

ガロンと、その直下の親衛隊以外で顔を知る唯一の存在であるベルカは何故、ラクスが顔を晒して、ここにいるのかと疑問に思っている。

 

「・・・何してるの?」

 

「任務だ。内密だから頼むぞ」

 

ラクスはベルカに、ジョーカーやその他からの目線は感じないかラクスが探った後で、小声でそう言った。

ラクスは、合わせろと言わんばかりに、ベルカに挨拶する。

 

「初めまして。私はレスターです」

 

「ベルカよ」

 

怪しまれない様に、お互い知らない振りで挨拶し、白夜軍と対峙する。

 

「さて、やるか・・・」

 

ラクスは剣を抜くと、迫ってくる白夜軍に向かって走り出す。

ベルカはドラゴンナイトの為、竜に乗って白夜軍へ向かい、ラクスと二人で中央の広場に斬り込んで来た、天馬武者から陣地を守る。

 

「敵は多い。油断するなよ、ベルカ」

 

「貴方もね」

 

次々と飛んでくる天馬武者をベルカは空を、ラクスは地上から防ぎ、息の合った連携技も見せる事もあった。

 

「凄い・・・」

 

カムイは同じ様に、中央の広場で白夜軍の大軍から陣地を守っていた。

それにより、カムイは二人の戦いを目の当たりにする。

互いの欠点を守り、そして息を合わせた攻撃に、カムイは見惚れてしまった故に、白夜兵がカムイを攻撃してくるのを気が付かなかった。

 

「覚悟!」

 

「しまった!」

 

「ふん!」

 

その声と共に、白夜兵は投槍が突き刺さり絶命した。

カムイは投槍が飛んできた方向を見ると、そこにはラクスが何かを投げたかの様な体勢で、カムイを見ていた。

 

「気を付けてください!白夜兵はまだまだ、来ます!」

 

マーシナリーの筈の、ラクスが槍を扱った事にカムイは驚いていたが、すぐに気を取り直して戦う。

ラクスは、カムイの一時的に止まった行動に呆れつつも戦っていると、白夜の槍術士が走ってくる、かなり怖い顔でだ。

 

「あんたは暗夜の兵ね!」

 

「そうだが・・・?」

 

「私は、白夜王国第二王子タクミ様の臣下、オボロ!勝負しなさい!」

 

オボロはそう言うと、薙刀を構えてくる。

 

「おいおい、暗夜に何の恨みがあるのか知らないが、私はここで死ぬ訳にはいかないんだよ」

 

ラクスは剣を構えると、オボロと対峙する。

 

「(・・・にしても、何処かで、見た様な顔だな。いったい何処で・・・・・)」

 

「行くわよ!」

 

ラクスはそう、考えているといるとオボロが薙刀を振るって、ラクスへ攻撃し始めた。

ラクスは軽く避け、オボロの二激目をさせる前に斬り込んむ。

オボロはラクスの攻撃を上手く防ぎ、ラクスにリーチを生かした薙刀での突き、斬りつけをしてくる。

 

「チッ、思った以上にやるな・・・」

 

「まだまだ、これからよ!」

 

オボロはそう言うと、薙刀を大降りに振るってきた時に、ラクスは右に逸れて地面に落ちた薙刀を踏みつける。

 

「なッ!?」

 

「これでもう、薙刀は使えん」

 

ラクスはそう言うと、剣を横に振るいオボロを斬ろうとした。

オボロはこの時に、剣がゆっくりに流れる様に見え、今までの人生が走馬灯に流れる。

 

「(ごめんなさい、タクミさま・・・!」

 

オボロはそう心で叫んだ瞬間、激しい金属音が流れた。

 

「大丈夫か、オボロ?」

 

「ヒナタ・・・」 

 

そこには、白夜の侍がおり、ラクスはすぐに身を引いて身構える。

 

「へぇ、どうやら相当な、剣の使い手の様だな・・・お前、何て名前だ?」

 

ヒナタは笑顔でラクスにそう言うと、少し考える素振りをした後に名乗った。

 

「私の名は、レスター。暗夜王の臣下ラクス様に、仕える者だ」

 


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