ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
ラクスは準備を整えると、剣を片手に、カムイが決めた場所で待機する。
ラクスが待機した場所、門の真っ正面でカムイと同じ場所だ。
「カムイ様。一つ申したい事があるのです」
「何ですか?」
「黒竜砦の門の右側に人影を見たので、警戒してみてはどうでしょうか?」
「人影を?わかりました。私が直接、行ってみますので貴方は配置通りに白夜軍と戦って下さい」
「了解しました」
カムイはジョーカーとサイラスを連れて門の右側に向かって行き、ラクスは手筈通りの位置で白夜軍がいる黒竜砦を見る。
白夜軍が此方に向かって来るのがわかり、ラクスは剣を構え白夜軍の方へ走っていく。
「暗夜の者め、覚悟!」
「邪魔だ」
ラクスに斬り掛かってきた白夜兵を、ラクスは簡単に倒すと次々と、白夜兵は迫ってくる。
「暗夜め・・・」
「白夜の民とミコト様の仇!」
「仇討ちか・・・しかし、対象が間違っているぞ」
ラクスはそう言いながら、白夜兵を次々と倒していき自分の回りに血の池を作っていく。
ラクスだけでなく、エルフィ、ハロルド、ゼロ、オーディンも王族の臣下として、恥じない戦いを見せつける。
ラクスは粗方、白夜兵を倒すと砦内に、侵入しそこでも白夜兵と戦う。
「ふん、次だ来い!」
ラクスは圧倒的な強さで白夜兵を倒していっている時、壁が突然、崩れ落ちそこからカムイ達が現れる。
「カムイ様・・・その子供は?」
ラクスが見たのは、ダークマージの格好をした少女でラクスは首を捻る。
少女は不機嫌な顔で、ラクスを見てくる。
「この子は黒竜砦を抜けようとしていたので、私達と一緒に抜ける事になったんです」
「ニュクスよ。よろしく」
「はい。私はレスターと言います」
ラクスは少し微笑んでそう言った瞬間、白夜兵がラクスの後ろから斬り掛かってくる。
「レスターさん!」
「鬱陶しい」
ラクスはそう呟くと白夜兵を斬り返り血がラクスの顔にかかる。
「だ、大丈夫ですか!」
「えぇ、何ともありません。それよりも畳み掛けて行きましょう」
ラクスがそう言った瞬間、突然、地響きが起きて上から酸が白夜に降り注いだ。
白夜兵は溶けるような熱さに襲われ悶え苦しんでいる。
「ここは死んだ竜の中じゃないのか?」
「恐らくこれは、竜脈です。誰かが発動したかもしれません」
ラクスは剣を肩に置いて成る程と、思った。
「誰が竜脈を発動したにしろこれは、チャンスです」
「はい。皆さん、行きましょう!」
ラクスとカムイ達は白夜軍を蹴散らしつつ、突き進み、ラクスが奥に行くと大将らしき男が薙刀を持って立っていた。
「貴様が大将か」
「そうだ。我が名は、ハイタカ。暗夜の者よ・・・いざ、参る!」
ハイタカはそう言うと、ラクスに斬り込みラクスは剣で受け止める。
ハイタカは、相当な薙刀の使い手なのか、かなりの腕前をしていた。
「少しはできるようだな」
「舐めるなよ暗夜の者よ・・・我々が常に平和ボケをしていたと、考えているなら今のうちに撤回しておくが良いぞ」
「ふん、そうだな・・・だが」
ハイタカが斬り込むと同時に、首が吹き飛んだ。
「弱すぎる・・・」
ハイタカが最後に見たのは、研ぎ澄まされた冷酷な目をするラクスの姿だった。
「ふぅ・・・」
ラクスは返り血を拭いながら一息着いていると、カムイ達がやって来た。
「レスター、さん・・・」
「あぁ、カムイ様。もう決着はつけました。これで戦いは終わりです・・・」
ラクスはそう言いながら微笑むもカムイは引き顔になっており、回りもそんな顔をしている。
ラクスの回りには、首の飛んだハイタカの死体と血の海ができて尚且つ、ラクスは血だらけだったのだから。
「さて、そこの影にカクレテイル貴方も出てきては如何ですか?」
ラクスがそう言うと、物陰から水色の長髪の少女が現れる。
「アクアさん!」
「知っているのですか?」
「はい。白夜王国で会った私の対の人質です・・・」
ラクスはカムイの言葉を聞いて、引っ掛かりが解けた様に思い出した。
確かに、カムイがガロンの娘として育てられていた時に、連れ去られた王女がいたのだ。
「久し振りねカムイ」
「はい。アクアさんはどうしてここに?」
「貴方が暗夜についた時に、白夜兵達に連れてこられたの。リョウマ達も庇ってくれたけど・・・」
「(要するに白夜兵の独断で連れてこられたのか・・・)」
ラクスはそう考えていると、アクアがラクスを見た。
「貴方は、見ない顔だけど誰?」
「私はレスター。訳あってカムイ様に同行している」
「そう、私はアクアよ」
ラクスは軽く挨拶すると、アクアは無表情でそう言った。
アクアとニュクスがカムイの陣営に加わり、ノートルディア公国に向かう港町に向かうのだった。