ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
ラクスは現在、王都に帰還し自分の部屋で療養していた。
最初はガロンから任務失敗の咎めが来るのではと考えていたラクスだが以外にも許され今に当たる。
「・・・駄目だやはり奴等が何処にいるのかが気になる」
ラクスは本を読んだりして一度戦争の事を忘れようとしたができずカムイの行方を頭で追っていた。
「(奴等がいきなり消えたとなると転移の魔法だろう。しかし、目的地は不明かつ必ず暗夜にいるとは限らない。もしかしたら・・・一度国を出た後で戻ってきているのか?)」
ラクスはそう考えていると部屋の扉が開かれる。
兜を外してはいるがベットにあるカーテンで顔が隠れているので問題は無かった。
「ラクス。お見舞いに来たよ!」
「ありがとうございますエリーゼ・・・」
ラクスはエリーゼの格好を見て唖然とした。
エリーゼが着ている服装はどう見ても庶民の服で王族が着るような物ではなかった。
「え、エリーゼ様。何でそんな格好を?」
「うん。お忍びで地下の街に行こうかな、て」
「そうですか。では、私が供を」
「ちょっとラクスは安静にしてて!私一人でも大丈夫だから」
エリーゼは立ち上がろうとしたラクスを無理矢理寝かせるとそう言った。
「しかし、エリーゼ様」
「本当に大丈夫だから。心配しないで」
エリーゼはそう笑ってお見舞いの花を置いていった。
綺麗な色の花で暗夜では見られない物だった。
「・・・全くエリーゼ様は」
「エリーゼ様にゾッコンねラクス」
ラクスはこの口調で言う人物は一人しかいないと考えるとその人物の名を言う。
「何とでも言えベルカ」
ラクスはそう言うと本を読み始める。
「それで何の様だ?」
「カムイが王都付近で目撃された。恐らく地下の事を利用してこの王城に入り込む気かもしれない」
「やはりな・・・地下は王城にも繋がっている。奴等が次に行くとすれば王城の秘密の通路だ。そこで待ち伏せれば確実に当たる」
ラクスはそう言うと本を閉じてベルカにそう言う。
「えぇ、だから私はカミラ様とカムイを捕らえに行くから安静にしてて」
「わかっている・・・行ってこい。必ず帰れよ」
ラクスはそう言うと窓の外を見る。
~ベルカside~
私はいつもの様にラクスに状況を伝えていたがここ最近、ラクスの側にいると胸が苦しくなる。
それに最近になって仲が修復されているエリーゼ様とラクスの仲の良さを見るとまた強く胸が苦しくなって仕方がない。
「何かの病気・・・?」
「探したわよベルカ!」
私の後ろから見慣れた赤いツインテールのルーナがやって来た。
「もう、カミラ様を待たせないでよ。いつものあんたならとっくに来てるのに!」
「ごめん・・・何だか胸が苦しくて時間を忘れてた」
「胸が?」
ルーナは疑問を抱きながらそう言ってくる。
「ラクスを見てると何だか胸が苦しくなる。何かの病気ならどうすれば良い?」
「・・・ベルカ。気づいてないの?」
ルーナは呆れ顔で私にそう言ってくるが何の事だが私にはわからない。
「はぁ・・・良い。貴方が患っているのはラクスに恋心を抱いているからよ」
「恋?」
「まさか貴方が恋するなんてね」
ルーナが意外そうに私を見てくるが本当に恋なんだろうか。
「でも、ラクスとエリーゼ様が一緒にいる時は何だかもっと苦しくなる」
「ベルカ・・・それはエリーゼ様に嫉妬してるのよ。まぁ、恋をした事がないならわからないのは無理ないけど貴方は今、エリーゼとラクスの取り合いをしてる様な物なの!」
私はルーナの話を聞いて何故か顔が熱くなる感覚に襲われる。
ルーナが何か叫んでいるが聞こえずルーナは私の腕を引っ張っていく
~side終了~
長い時間が経過した後、ラクスは暫く外を見ていたがやはり気になってしょうがなかった。
今、エリーゼは地下におりもしかしたらカムイと鉢合わせしている可能性もあり殺されはしないのは思うが心配で堪らなかった。
「・・・」
ラクスが悪い考えをしない様にしていると部屋が急に開かれ兵士が慌てた様子で報告する。
「た、大変です!白夜軍がこの王城に侵入しました!」
「やはり敗けたか・・・私の武具を持ってこい!」
「し、しかし貴方様は・・・」
「早くしろ・・・着付けは自分でする」
ラクスの睨みを感じたのかすぐにラクスの鎧兜とディアブロスを持ってくると部屋を出る。
ラクスは鎧兜とディアブロスを差すと急いで歩いていく。
最後の戦いに身を投じる為に・・・