ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
ラクスはシュヴァリエ市場へやって来るとまるで反乱等起きてはいない様な静けさを放っていた。
ラクスは不審に思いながらも愛馬に股がりシュヴァリエ市場に侵入する。
「静かすぎる・・・ん?」
ラクスがそう呟いた瞬間、前に誰かに抱きついているカミラがおりラクスは誰に抱きついているのかと目を凝らすと抱きつかれているのはカムイだった。
しかし、以前のカムイの服装とは違い白い白夜風の服装をしているがラクスはカムイと認識した。
「全く何をやっているのですか・・・」
ラクスはそう言いつつも遠くから眺めていたがどうやら戦闘になる様でカミラが奥へと竜で飛んでいった。
「反乱軍は後の様だな・・・全軍、白夜軍を攻め立てろ!」
ラクスがそう言うと暗夜兵が一斉にカムイ達の元へ走っていく。
~カムイside~
私はカミラ姉さんと再開をしましたが戦闘になってしまい私達は身構えて攻撃しようとしましたが突然、横から暗夜軍が現れ襲い掛かってきました。
「何故、横から暗夜軍が!」
「カムイ。奥を見て」
アクアさんの言葉を聞いて奥を見るとそこには何度も戦って殺され掛けた相手、ラクスさんがいたのだ。
「ラクスさん・・・!」
「どうやら彼奴とも戦わないといけないみたいだね」
タクミさんが忌々しそうにそう言うと突撃してくる暗夜軍に対して神器風神弓を構え暗夜兵を射つ。
暗夜兵はタクミさんの風神弓の攻撃に倒れて行くが次々と沸いてくる。
「このままじゃ押しきられるわ」
「くッ」
私は夜刀神を構えると暗夜軍を迎え撃とうとした時、奥から異質な気配を感じた。
「また会ったなカムイ・・・」
「ら、ラクスさん・・・」
異質な気配の発生元はラクスさんだった。
その気配はまるで白夜平原で見たラクスさんその物で私は恐怖した。
あの状態になれば理性がなくなるのは既にわかっているので余計に恐怖しました。
~side終了~
カムイとラクスが相対している時、カミラの元にもラクスが現れたと知らせがきた。
「何ですって。ラクスが!」
「はい。ラクス様は既にカムイと接触。今にも刃を交えんとしています」
兵士の報告にカミラは動揺を隠せないでいた。
ラクスがここに来るからには必ず理由がありそれは大体の事は反乱鎮圧でありもしかしたら偶然、カムイと遭遇したのかもしれない。
「どうすれば。彼なら必ずカムイを殺そうとしてくる筈・・・何とか彼の気をそらさないと」
カミラはカムイを取り戻したいと思ってこのシュヴァリエ市場まで会いに来たのだ。
偶然、現れたラクスに邪魔はされる訳にはいかないと思っているとベルカが現れた。
「カミラ様。ここは私に任せてほしい」
「ベルカ?」
「彼と話して時間をくれる様に話します。どうか・・・」
「・・・わかったわ。お願いね」
カミラがそう言うとベルカはラクスの元へ飛んでいくのだった。
その頃、馬に乗ったパラディンとしては完全体しかも狂気を纏ったラクスとカムイがお互い対峙して動かないでいた。
「・・・」
「カムイ。貴様はこの戦争をどう見る?」
「暗夜が白夜に侵攻を」
「違う。目的での話しだ・・・」
「暗夜は白夜を手に入れようと侵攻を、白夜は国を守る為に戦っています・・・」
「そうだ。戦いには常に目的がついてくる」
ラクスはそう言うとディアブロスを降ろす。
「何故、暗夜は白夜を手に入れたいと思う?」
「・・・わかりません」
「簡単な事だ。この国には光が無い・・・故に土地は荒れ果て作物は実りにくく、それで人々は飢えに襲われ、僅かな光さえ奪い合う毎日なのだ。この連鎖を終わらせる為に私は白夜との戦いに参加している」
「でも、それで良くなるなんて限りません!」
「それでも・・・それでもやるしかないんだ。私はこれ以上、何の希望もなく死んでいく民は見たくないんだ」
ラクスの言葉にカムイは心が揺らぐ。
ガロンのやっている侵略は間違っているかもしれないが戦う者達の思いまでは否定できない。
「だから・・・死んでくれ」
「ッ!?」
カムイはラクスと戦う気持ちを持とうとした時、一騎のドラゴンナイトが飛んでくる。
「ラクス」
「ベルカか・・・どうしたんだ?」
「カムイとの戦いを少しの間だけで良い、止めて」
「何故だ」
「・・・お願い」
ベルカの願いにラクスは考える素振りを見せるとカムイの周りを見る。
カムイの周りには多くの仲間がおり今にもラクスに飛びかからんとしている者ばかりだった。
ラクスは別に問題はないと思ったが他ならぬベルカの願いだとラクスは待つ事に決めた。
「・・・わかった。だが、少しの間だけだぞ」
「ありがとう」
ベルカはそう言うとカミラの元へ飛んでいく。
ラクスはそれを見届けるとディアブロスを収めカムイと向き合う。
「カムイ、そう言う事だ。暫くは手は出さないでおくが、時間がくればお前に攻撃する」
「・・・わかりました」
カムイはラクスとカミラの両方を同時に戦うのは得策ではないと判断してラクスの言葉に乗った。