ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

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イズモ公国

ラクスは砂煙に混じって撤退した後、無駄な労力を兵士に負わせてしまった事を悔やんでいた。

兵士達は移動するだけでも疲労が多くなり疲れきっていたのだ。

 

「やはり休息が必要か」

 

ラクスは立ち止まって地図を広げて休める場所を兵士と共に探した。

周りの国や集落は暗夜に対して何もしないが敵対的な勢力ばかりでとても受け入れてくれそうな場所は見つからなかった。

 

「ラクス様。イズモ公国は如何でしょう?」

 

「イズモ公国だと?あの中立の国か」

 

「はい。暗夜王国とは敵対的ではありませんので休息がとれると思います」

 

「ふむ・・・」

 

ラクスも良い考えだと思い兵士に頷く。

ラクス達はイズモ公国へと足を運んでいく。

 

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ラクス達はイズモ公国へやって来るとそこは神秘的な場所で何処か神々強い国だった。

ラクスはイズモ兵に近づいて行くと話し掛ける。

 

「我々は暗夜軍の者だがここで休息が取りたいのだ。どうか、許可を頂けないだろうか?」

 

ラクスの言葉を聞いたイズモ兵は門に入って行き数分後、戻ってきた。

 

「どうぞお入りください。公王様も歓迎されています」

 

ラクスはそう言われるとイズモ公国へと入っていく。

だが、ここで予想外の出来事が発生した。

 

「ラクスさん!」

 

「カムイ!・・・随分と早い再開だな」

 

ラクスはそう小さく言うとカムイ達が向いてラクスから左の方から呼び掛けられる。

 

「やぁやぁ君がラクスだね!初めましてイザナです!」

 

「あ、あぁ、よろしく・・・」

 

ラクスはイザナのテンションに驚きつつも受け答えをしてからカムイ達と同じ様に座る。

 

「いやぁ、カムイ達が来てくれなかったら僕はあのゾーラて人にずっと閉じ込められたままだったよ。ありがとね!」

 

「は、はい・・・」

 

「(ん、ゾーラだと?)」

 

ラクスはゾーラと言う名前に聞いた事があった。

暗夜の魔導師で変身が得意な人物だがそれしか能が無く無能とラクスは考えていた。

 

「待てどう言う事だ?何故ゾーラを知っている?」

 

「知らなくて来たのですか?」

 

カムイがそう言って事の成り行きを話す。

ゾーラがイザナを捕らえてゾーラが変身でカムイ達に罠を張ったのだと言ったのだ。

 

「成る程、それでゾーラは?」

 

「今は捕らえています。レオンさんに殺され掛けましたが」

 

「そうか・・・すまないがゾーラを引き渡してくれないか?奴はどうやら独断で軍を動かした様でな処罰しなくては・・・」

 

ラクスはそう言うと鋭い目でカムイを見る。

 

「駄目です!私はゾーラさんの命を助けました。だから彼の生死は私が決めます!」

 

「だが、それでは立場が無い・・・今回のゾーラの事件は暗夜の責任だ」

 

どちらも譲らない二人にイザナが割って入る。

 

「まぁまぁ、落ち着いて。ラクス今回はカムイが正しいよ。一度命を助けた人物がその助けた人物の命を預かるんだよ」

 

「・・・わかりました」

 

ラクスは納得できないまま、黙った。

 

「所でラクス。君、面白いね。いったい何れくらいの顔を持っているの?」

 

「ッ!?・・・何の事ですか」

 

聞いていたカムイはラクスの僅かな反応に気づく。

動揺しているのが一瞬の行動を見て看破したのだ。

 

「うーん。その様子だと知られたくなさそうだね・・・言わなくて良いよ」

 

「はい・・・」

 

ラクスはそう言うと今度こそ喋らなくなった。

謁見は終わりを迎えて其々の部屋に通されて泊まる事になった。

その夜、全員が寝付いている時にラクスは中々寝付けずにいた。

 

「(私の本当の姿を知られただろうか・・・)」

  

ラクスは考えない様に寝ようとしたがやはり眠れないので夜風に当たる事にした。

外は月に照らされており暗夜では見られない光景だった。

ラクスは暫く眺めていると足跡が聴こえそちらに向くとそこにはカムイが歩いていた。

ラクスは現在は完全な寝巻きで兜をしてはいなかった。

ラクスは焦っているとカムイが来てしまった。

 

「あ、こんばんわ。貴方も眠れないのですか?」

 

「は、はい(気づいていない・・・?)」

 

ラクスは一安心した様に小さく溜め息をつくとカムイは縁側に座った。

 

「眠れないと言う事は貴方も?」

 

「はい・・・私はある人についてわからなくなってしまってそれで」

 

「悩んで眠れないと?」

 

カムイは頷く。

ラクスはカムイの悩みは自分の事だと気づくとどうした物かと考える。

このまま立ち去るのは良いがそれでは夢見に悪いとラクスは悩む。

 

「その人物はどんな人なんですか?」

 

「素顔がわからない人で、父の仇なんです。でも、仇討ちらしないつもりです。でも、その人の事が憎くて、許せなくなっているのです」

 

「・・・」

 

「だから、私は彼とどう向き合えば良いかわからなくて・・・それで悩んでいるんです」 

 

ラクスは考える素振りをするとカムイに言う。

 

「許せなくて良いのではないですか」

 

「え?」

 

「人を憎くむのは人の感情で無くしたくても無くしきれない物・・・でも、それを乗り越えて許せると思える様になれば良いと私は思っています」  

 

「・・・でも」

 

「でも、では在りませんよ。やらなければいけないんです。それがどんなに辛くても」

 

ラクスの言葉にカムイは少し笑顔になる。

 

「ありがとうございます。赤の他人の私の相談に乗ってくれて・・・私はカムイです。貴方の名前は?」

 

「私は・・・レスターと言います」

 

「レスターさん。相談に乗ってくれてありがとうございました。では、私はもう寝ますね」

 

カムイはそう言うと立ち去っていく。

ラクスもそろそろ寝る為に自分の部屋へと戻って行くのだった。


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