ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
ラクスは略奪した食料を王城へと運んでいる時、兵士の一人がやって来た。
「ラクス様。ガロン様がお呼びです」
「ガロン様が?わかったすぐに行く」
ラクスは持ち場を任せてガロンの元へ向かっていく。
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ラクスは王座の間へとやって来るとガロンが玉座に座っていた。
しかし、戦時の時はいつもガロンの徒なりにいるマクベスが見当たらずラクスは不審に思いつつもガロンの前に出る。
「お呼びでしょうか?」
「うむ、今回呼んだのは他でもない。お前に風の部族の村へと攻め混んで貰いたいのだ」
「風の部族の村を?何故ですか。彼等は中立を貫き戦争には関係ない筈ですよ」
ラクスにはこれ以上の敵対者を作る理由がまるでわからないと言わんばかりにガロンに反論する。
「奴等が白夜と手を組み我々に滅ぼさんとするつもりなのだ。これは由々しき事態であり即急に解決すべき物だ」
「だからと言って・・・」
「カムイ」
ラクスが反論しようとしたがカムイと言うガロンの発言に黙る。
「カムイが風の部族の村へと向かっている。これはカムイが風の部族に対しての使者と言っても過言ではない」
ラクスはガロンの言葉を聞いて無茶苦茶な内容だと思ったがラクスは好機と捉えた。
これはラクスの中で一番の驚異であるカムイを葬れるチャンスなのだ。
ラクスは兜の下で不適に笑うとガロンの任務を受ける。
「わかりました。風の部族の村へ進攻します」
「うむ、では行け・・・我が懐刀よ」
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風の部族の村ではカムイ達は不本意な戦闘が行われていた。
王城にいなかったマクベスの罠にカムイ達は引っ掛かり風の部族と敵対する事になったのだ。
だが、カムイ達は見事に風の部族族長のフウガを打ち倒した。
暫くの平穏を得ていたが部族兵が伝令に走ってきた。
「報告します!中規模の暗夜軍が進攻。此方に迫ってきています」
「何だと!暗夜め、遂にこの風の部族までも手を出してきたか」
「フウガさん私達も戦います!」
カムイの戦うと言う言葉にフウガは首を横に振る。
「いや、お前達はイズモ公国に行くのであろう・・・早く行くのだ」
「しかし!」
「カムイ様。敵は我々よりも多いです。数が少なく疲労の多い我々では戦うのは困難です」
「・・・それでも風の部族の皆さんを見捨てる事はできません」
スズカゼの進言を聞いてもカムイの決意は揺らがない。
フウガはその姿を見て笑う。
「フフフ・・・やはりスメラギの娘だな」
フウガは懐かしむ様に言うと暗夜軍が迫ってくる方向を見る。
フウガが見る先には暗夜王国の紋章を掲げて進軍してくる暗夜軍が現れた。
「ここが風の部族の村か?」
「ッ!?貴様は!」
「ん?お前は・・・ヒノカと言ったか。それとあの時の捕虜の忍びと・・・知らない顔ばかりだな」
ラクスは面倒くさそうに数える。
ヒノカはラクス様に態度に怒りを覚えつつ警戒する。
ラクスの強さは白夜平原で経験済みで下手に出たら死ぬとヒノカは考えていた。
「まぁ良い・・・それよりもカムイは何処だ?私の目的は風の部族を亡ぼす事だが私個人としては裏切り者のカムイを討ちたいと思ってきたんだ。早く出てこい」
ラクスはディアブロスを引き抜いてヒノカ達に向ける。
「止めてくださいラクスさん!」
「来たか・・・」
ラクスは呼ばれた方を見るとカムイが現れる。
ラクスは自分の悩みの種が自らが現れてくれた事でラクスは冷酷な笑みを浮かべる。
「やっと会えましたね。貴方を殺し暗夜の脅威を絶ち斬らせて貰います」
「ラクスさん。戦う前に一つ聞きたい事があります」
「何ですか?」
ラクスはわかっててカムイの話に乗る。
カムイはラクスを睨みながら問いただす。
「貴方は村々への略奪は貴方がしたのですか?」
「そうですが?」
ラクスは悪びれずカムイにそう言いカムイは怒りを露にする。
カムイは荒らされた村やモズメの悲しみを考えラクスに対して増悪が深くなった。
「許せません。貴方は何処か優しいさがあると思っていましたが私の勘違いだったようです・・・」
「・・・」
ラクスはカムイの言葉が突き刺さるがすぐに元の自分へと戻る。
もう引き返せないだから何処までも落ちようとラクスは考えたのだ。
「勝つ為には手段は選ばない。それが私の方針だ。誰にもその方針を覆させはしない・・・それがお前であっても」
ラクスはそう言うとカムイに向かっていく。
【イメージ戦闘BGM 漆黒の騎士戦】
ラクスは馬を走らせてカムイに一気に近づいて攻撃する。
カムイはラクスの攻撃を夜刀神で防ぐがラクスの二激目が襲い掛かる。
「くッ!」
カムイは間一髪避けるとラクスに反撃する。
ラクスはカムイの攻撃を軽くあしらいながら隙を伺っている。
「ふん、少しは戦い慣れているか。だが、あまい!」
ラクスはカムイの攻撃を弾き返しカムイの体勢を崩す。
その隙を狙わない訳がないラクスはカムイを斬ろうとディアブロスを振るう。
「貰った!」
「カムイ!」
「カムイ様!」
だが、惜しい所でヒノカの薙刀が阻みスズカゼが手裏剣を投げてきた。
ラクスはヒノカの薙刀からディアブロスを離すと手裏剣を横に奮って落とす。
「勝負に手を出すとはな」
「お前が一方的に始めたんだ!カムイ私達も戦うぞ」
ヒノカがそう言うとカムイに着いてきた白夜の者達が身構えてくる。
今気付いたのだがサイゾウもおり手練れだらけだとラクスは思った。
「(まずいな・・・敵は少数だが手練れが多い。致し方ない撤退だ。どうせ滅茶苦茶な戦いだったんだ別に問題は無い。カムイを討てなかったのは残念だがな)」
ラクスは溜め息をつくとディアブロスを収める。
カムイ達はその状況に困惑の表情を浮かべている。
「興が覚めた・・・決着はまた何処かで着けよう」
「逃げる気か」
サイゾウがラクスに対して言う。
「お前達を相手にしていたら疲れる。私は帰らせて貰うよ」
ラクスはそう言うと砂煙と共に軍共々姿を消した。