ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

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略奪者

決行の日、ラクスは何時もの鎧ではなく軽い服装と顔を隠す様に口元を布で巻いて隠した服装をしている。

他の兵士もそうで正しく盗賊その者だ。

 

「今回の作戦は新兵の者もいるかもしれないから説明しておく。今回は略奪だ。非道な行いを嫌う者には酷な話だがやらなければならない。それでも嫌なら抜けてくれ・・・邪魔になる」

 

ラクスのそう言うと先に進む。

兵士は覚悟を決めていると言わんばかりにラクスに続く。

 

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ラクスの部隊は山の木々に隠れ村を襲うタイミングを見計らっていた。

戦争で白夜軍が付近の村まで兵を配置して警戒しており一度逃がせば増援が来るので慎重をきたしていた。

 

「なかなか警備が厳しいが、やれない事はない・・・行くぞ」

 

ラクスはディアブロスは使わず銀の剣を持って馬を駆り他の兵士達もラクスに続いていき村の付近まで接近した。

その姿を白夜兵は見つけて叫ぶ。

 

「盗賊だ!盗賊が出たぞ!」

 

「早く武器を取れ!村の者達を守るのだ!」

 

白夜兵は武器を取ったが既に遅くラクス達の突撃を許してしまった。

次々と斬り捨てられる白夜兵と村人達を余所にラクスは数人の兵士を連れて倉庫へと向かう。

 

「よし、開けろ」

 

「は!」

 

兵士はラクスの命令を聞くと鍵開けを開始した。

この兵士は本物の盗賊で鍵開けは容易い物だと言わんばかりにすぐに開けた。

ラクスは開けられた扉を開くとそこには大量の食料があった。

 

「運び出せ」

 

ラクスはそう言うと兵士達は食料を運び出し始め次々と馬車に乗せていく。

その光景を見た村人の一人が慌てた様子で止めに入る。

 

「止めてくれ!その食料は今年の冬を乗り切る為の」

 

「黙れ」

 

「ぐはぁ!」

 

ラクスは食料を奪おうとする行為を止めようとした村人を斬り殺す。

 

「この様子だとまだ蓄えはある筈だ。探せ!」

 

ランチの声に兵士達は次々と倉庫だけでなく民家まで押し入り略奪していく。

その際に民家を破壊したり火を着けたりする。

略奪者と化した暗夜兵の横暴を止められる白夜兵も数に圧倒され村人共々皆殺しにされる。

 

「ラクス様。もう全て奪い尽くしました」

 

「そうか・・・ん?」

 

ラクスは離脱を命じようとした時、物陰に隠れる様に箱が置いてあった。

ラクスはまだ手を付けていないのかと思い近づいていく。

 

~???side~

 

あたしは何時もの様に畑を耕している時に盗賊団の襲撃にあった。

盗賊達は白夜の兵隊さんに次々と容赦の無い攻撃で殺し回って挙げ句の果てには村の皆までに刃を向け始めた。

 

あたしはお母さんと必死に逃げたけど徐々に近づいてきてもうダメやと思うた時にお母さんに箱の中に隠れてなさいと言われて無理矢理押し込まれた。

 

あたしは必死に箱から出ようともがいたけどお母さんの悲鳴が聞こえて泣いてしまった。

お母さんは盗賊に殺されてしもうたと言う現実にどうしても信じられなくて泣くしかなかった。

 

あたしが暫く泣いていたらもう片付いてしまったのか静かになって助かったと思った。

 

でも、此方に来る足音が聞こえて危険を感じて息を殺した。

 

"見つかったら殺される"

 

あたしは必死に気配を隠すけど足音は箱の前で止まって箱を開けようとしてくる。

 

「(誰か・・・誰か助けて!)」

 

あたしはすがる様に心の中で助けを求めた

 

~side終了~

 

ラクスは隅に置かれていた箱を開けようとしていた。

だが、箱の蓋はびくともせずとても硬く閉じられていた。

 

「どうした物か・・・」

 

ラクスは少し考えると剣を引き抜いて何を思ったのか箱に向かって剣を振る。

木と鉄がぶつかる音がしつつもラクスは箱に剣を振るい続けあと少しの所まで開きそうになっていた。

 

「あと一回だな・・・」

 

ラクスは剣を振るおうとしたその時、一人の兵士か走ってくる。

 

「ラクス様大変です!白夜の増援が接近してきています!」

 

「チッ・・・まぁ良い目的は果たした。退くぞ」

 

ラクスはそう言って馬に乗って撤退していく。

 

~カムイside~

 

私は村が盗賊に襲われていると聞いて急いで駆け付けて見ると住民と兵士の死体が乱立し民家も崩壊していたり燃えていたりして酷い有り様だった。

 

ジョーカーさんが言うには住民の生存は絶望的と言わましたが私は少しの可能性があるならと生存者を探しました。

 

「誰かいますか!」

 

「こ、ここです、助けてください!」

 

私は声が聞こえた方へ走ると無残に斬りつけられた箱を見つけた。

声はこの中の物らしく私は急いで開けた。

 

「大丈夫ですか!」

 

「は、はい助かりました・・・」

 

私が助けた生存者の名前はモズメと言い盗賊団から逃れた生存者だ。

モズメは箱から出ると自分の母を見つけた様で涙を流して殺された母を抱きしていた。

私はモズメさんの母と村の人達を殺した盗賊を許す事はできない。

 

「辛い所をお聞きしたいのですか盗賊達は何か言っていませんでしたか?」

 

「・・・そうや。盗賊達があたしが隠れてた木箱の近くでラクス様て言ってた様な気がする」

 

「何ですって!?」

 

私は心の底から驚いてしまった。

盗賊達の首謀者はラクスさんだと私は考えてしまった。

まだ早すぎる結論でありもしかしたら名を語った偽者かもしれないし同名の人物の可能性もある。

でも、私はどうしても白夜平原で見たラクスさんの姿が写る。

 

「・・・」

 

「ど、どうしたん?」

 

「あ、いえ何でもありません・・・」

 

その後、モズメさんを保護しましたが盗賊団は多くの村を襲って姿を消してしまい追跡が不可能になってしまった。

事の真相も解き明かせず私は次の目的地へと向かう。

 

~side終了~


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