ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
ラクスはカムイの事をマークス達に任せて忍びに斬り掛かる。
忍びは素早い動きで隙をつこうとするがラクスにとっての憂いが無くなった今、その隙をつく事すらさせなくなった。
次々と忍びを葬るラクスにサイゾウは厳しい顔つきになる。
「く、もう少し早く仕留めていれば」
「サイゾウ」
「カゲロウか?」
サイゾウの元に女の忍びカゲロウが姿を現した。
「リョウマ様の援軍はもうすぐ着くそうだ」
「そうか。リョウマ様の援軍が来るまで持ちこたえる。行くぞ!」
サイゾウはそう言うとマークス筆頭の暗夜軍に向かって飛び掛かって行く。
ラクスは激しい乱戦の中、馬を走らせ忍びを次々とディアブロスで斬り裂き続けていた。
戦いの途中、ラクスはマークスとの合流に成功した。
「マークス様」
「ラクスか」
「今回の件。大変申し訳ございません。私がいながらこの様な事態にしてしまうとは・・・」
「いや、気にしてはいない。それよりもできる限り早く撤退するぞ。カムイは既にギュンターと共に撤退させている。お前も早く撤退しろ」
「何ですって・・・?」
ラクスはマークスの言葉に耳を疑った。
カムイが一時とはいえラクス自身の目から離れた少しの間にカムイはギュンターと二人で撤退していた。
これは暗殺の危険を持つカムイに万が一危険があったら非常に不味い。
いつの間にかガンズの姿も見当たらないので余計だった。
「・・・」
「どうした?」
「いえ、ではお言葉にあまえて撤退させて貰います」
ラクスは馬を走らせて元来た道から撤退する。
カムイと早く合流すると言う言葉が常に頭から離れずとにかく急いで馬を走らせていると暗夜領へ続く吊り橋にやって来るとそこには怯えたガンズと前までの姿からかけ離れた姿をしたカムイが立っていた。
「カムイ様!」
「ラクスさん?」
ラクスの言葉に反応したカムイと思われる人物が振り向くと顔はやはりカムイだった。
カムイは完全にラクスの方に振り向くと元の姿に戻るがガンズは僅かな隙をついて今だと言わんばかりに走り出した。
「くッ!」
「ッ!?待ちなさい!」
カムイはガンズを追いかけようとした瞬間、カムイの手に握られていたガングレリが突然、光だしてカムイを無限渓谷の崖に引っ張られるかの様に落ちていく。
「そんな・・・カムイ様!」
ラクスは馬を降りて橋から身を乗り出して底を見るとカムイの姿は無かった。
ラクスは膝を着いて絶望した。
「私は、守れなかったのか・・・」
ラクスは暫く項垂れたが立ち上がり馬に乗ってその場を後にする。
ラクスは帰還するなかでマークス達にどう言い訳すれば良いかわからず静かに悲しみに暮れながら暗夜王国の王城まで帰還した。