ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
橋を渡りきったラクスとカムイ達は砦へと行く為に進もうとしたが砦の先は崖になっており通れる道は無かった。
ラクスは流石にこの崖を突破するのは不可能だと判断しカムイに指示を仰ぐ。
「道がないな。どうしますかカムイ様?」
ラクスが諦めたかの様な声を聞いてカムイは考える素振りを見せたが何かに気が付いたかの様に一点を見る。
カムイが見る先は崖で特に何も無い。
「待ってください。あそこに竜脈があります」
「竜脈があるのですか?」
「はい。竜脈を発動させて見ます!」
カムイはそこに向かうと竜脈を発動する。
すると今まで道が無かった崖に道が現れ進める様になり引き返す事は無くなった。
「道ができたのか・・・?いや、今は竜脈に考えるより戦いに勝つ事を考えねば・・・・・」
「ラクスさん?」
「いえ、何もありません」
暫く考え込むラクスにカムイが話し掛けるとラクスは誤魔化す様に敵に向かっていく。
その姿をギュンターやバトラーのジョーカーに睨まれつつ。
~ギュンターside~
私はガロン様の偵察任務の命を受けたカムイ様の付き添いでジョーカーとガンズそしてラクスと共に無限渓谷へとやって来たが偵察目標である無人の筈の砦には多数の白夜兵が警備していた。
見つかった時点で引き返せば何とかなっていたがここで予想だにしない事態が引き起こる。
ガンズの乱心だ
ガンズは何を考えているのか白夜の兵士を斧で斬り白夜兵との戦闘にもつれ込んだのだ。
流石にラクス自身も予想だにしていなかったのか落ち着いた声で喋るが慌てているのがわかる。
カムイ様の指揮で戦いは始まり最初こそは苦戦はしたがラクスの突破力と高い戦闘能力が項を然して何とか目的地の場所へと足を進めた。
だが、それ以上に道は無く崖しかないまさに絶望的な状況になってしまった。
だが、幸いにも竜脈があった事でカムイ様がそれを発動させた事により道は開かれた。流石に
だが、可笑しい・・・話が出来すぎているのだ。
無限渓谷には誰もいないとガロン様がそう言っていたのにも関わらず白夜兵はおりラクスは確かに最初は驚いてはいた・・・ガンズの特攻だけを。
奴は白夜兵がいて見つかったにも関わらず想定内と言わんばかりに静かだった。
ガロン様の腹心なのだ把握していても可笑しくない人物であるのは間違いない。
「じじぃ、やっぱ可笑しくねぇか?」
「あぁ、奴は恐らく砦に白夜兵がいる事を知っていてカムイ様を近づけたのだろう・・・そうだとするとこれは」
"罠"
この言葉がやけに私の頭に響き私はラクスを睨むしかなかった。
~side終了~
ラクスは先頭に立って馬を走らせ迫り来る白夜兵をディアブロスで次々と討っていく。
腕を斬り飛ばし、首を斬り飛ばす等とラクスの戦いを見て白夜兵は恐れをなし始めた。
「怯むな!敵将の首は目前だぞ!」
白夜の将は激昂するが兵士の恐怖を拭いきれず次々と恐怖が蔓延する。
ラクスは敵兵をディアブロスに突き刺した状態で白夜の将の元に歩み寄ってくる。
"死神"
正しくその姿は死神その者で白夜の将は恐怖を圧し殺すしかなかった。
ラクスは近づくとディアブロスに刺さっている死体を投げると白夜の将に問い掛ける。
「貴様が白夜の将か?」
「そ、そうだ!貴様を」
「さらばだ」
「へ?」
ラクスの言葉に白夜の将は唖然とした瞬間、首が勢いよく吹き飛び一人の白夜兵の足元へと飛んで転がる。
生首となって息絶えた白夜の将を見て白夜兵達は慌てて逃げ始めた。
「ば、化け物だ!」
「ひいぃぃぃ!」
「逃げろ、逃げるんだ!」
口々にラクスを化け物扱いしたり逃げる事を促す白夜兵を見てラクスは決着は着いたと安堵した。
ラクスが馬の上でカムイ達が来るのを待っているとカムイを達はやって来た。
「ラクスさん!」
「カムイ様。ご無事ですか?」
ラクスはそう言うとカムイに近づく。
ラクスは兜越しでカムイの状態を見たが少しの怪我程度で済んでおり後は何ともないとラクスは判断した。
「はい。それよりラクスさんの方が心配です。一人で白夜兵に突っ込んで行ったのでしたから・・・」
「一人で突っ込むのはいつもの事です。まぁ、戦いは終わりました。敵の増援が来る可能性があるのですぐに」
ラクスが引き上げようとカムイに言い掛けた瞬間、ラクスは何かが自身に飛んでくる気配を感じとりディアブロスを引き抜いて振るう。
激しい金属音と共に手裏剣と呼ばれる武器が落ちた。
「この手裏剣は・・・チッ、もう来たのか」
「どうしたのですか!」
「・・・どうやら退くのが遅すぎた様ですカムイ様。白夜の忍びに囲まれています」
そうラクスが言うと多数の忍びが次々と現れラクスとカムイ達を取り囲んだ。
「(不味いな数が多すぎる・・・)」
ラクスは焦りを見せ始めた。
自分一人ならまだ突破する事ができるかもしれないがカムイ達がいるのだ。
多数の忍びを相手にカムイを守る戦いは不可能と言わざる得ない。
「(どうする。このままではカムイだけでなく私や他の者の命も危ないだろう)」
ラクスがディアブロスで牽制しつつも忍びはジリジリと迫ってくる。
ギュンターとジョーカーはカムイの近くで守りを硬めているがラクスと同じ事で徐々に追い詰められている。
「暗夜の者だな?」
「何者だ?」
「我が名はサイゾウ・・・お前達の命を貰い受ける」
白夜の忍びサイゾウはそう言うとラクスに手裏剣を投げつける。
ラクスは手裏剣を弾き返しサイゾウに斬り掛かるがサイゾウは避けてまた手裏剣を投げてくる。
「ちょこまかと動き回るか・・・」
「俺は忍びだ。忍びが英傑に対して距離を取って戦って何が悪い?」
「まぁ、そうだろうな」
ラクスはそう言うとディアブロスを構えつつどう戦うか考えていると後ろから金属音が聞こえた。
「(しまった!)」
後ろにはカムイ達がおりサイゾウは一番の手練れであるラクスを引き剥がす役目だとラクスは気づき戻ろうとした時にサイゾウに阻まれる。
反転させた後なので大きな隙が出来てしまっていた。
「貴様・・・!」
「終わりだ・・・爆散れ!」
サイゾウの攻撃にラクスは死を覚悟した瞬間、何処からともなく魔法がサイゾウに襲い掛かりサイゾウはその魔法を避けて距離を取る。
魔法はリンゴの木が生えた様な物でこの魔法の名前をラクスは知っていた。
「この魔法はブリュンヒルデ・・・まさか」
「そのまさかだよ」
ラクスは振り替えるとそこには馬に乗ったレオンがいたのだ。
レオンだけではないマークス、カミラ、エリーゼと暗夜王族が勢揃いしたのだ。
「嫌な予感を感じて来てみればいつものお前とは思えない程にドジを踏んだね」
「申し訳ありません。しかし、助かりました」
「お前の為じゃないカムイ姉さんを助ける為に来たんだ。お前はおまけだ」
レオンにそう言われラクスは内心傷ついた。
これまで自分に寄り付かない様に様々な悪名を作り上げてきたが此処まで言われたのは初めてだ。
「そうですか。では取り合えず・・・」
ラクスはディアブロスを構えると忍びが飛び掛かってきた。
「お前達を潰さないとな」
後ろの憂いが無くなったラクスは忍びを一網打尽にすべく反撃を開始した。