ファイアーエムブレムif ～Darkside～【本編完結】

カムイの実力

捕虜を連れてこられた事をガロンは確認するとカムイに話す。

「カムイよ。見事この者らを打ち倒し己の力が本物かどうかを証明してみせよ」

「わかりましたお父様」

カムイはそう言うとガングレリを構え捕虜と向き合う。

その時にカムイと共に来た臣下らしき二人が現れカムイの横に立つ。

どうやら戦いを手助けする様で武器を取っている。

「よろしいのですかガロン様。これはカムイ様の腕試しと思われるのですが？」

「良い・・・」

ガロンはその一言だけ言うとカムイ達の戦いを見る。

戦況は数的には捕虜の方が優勢だがカムイが竜脈を発動させ戦況を有利にさせた事で戦いの流れを変えていた。

「(流石だな・・・白夜の者とはいえ流石は王族と言った所か)」

ラクスはそう考えていると戦いは白熱する。

炎の部族が臣下の一人であるグレートナイトの戦い、緑髪の忍びとカムイ・バトラーの戦いが始まっている。

両者の戦いは激しさを増すが徐々に捕虜二人は押され遂に倒れた。

戦いは完全に決着しカムイ達の勝利となった。

「ガロン様。どうやら決着が着いたようですね」

「うむ、カムイよ・・・止めを刺せ」

ガロンの止めを刺せと言う言葉にカムイ達とマークス達兄妹が驚く。

ラクスも表面は落ち着いている様に見えるが内心動揺している。

「ガロン様何を言っているのですか？」

ラクスはつい聞き返してしまうがガロンは気にしていないかの様に返す。

「言ったであろう。カムイに止めを差し刺させるのだ」

ラクスはガロンの言葉に本当に恐怖を覚えた。

戦いで弱り果てた捕虜をこのまま殺そうとするのだ。

ラクスは反対したい気持ちを抑え黙り込むが一人そうはいかない者がいた。

「待ってください！この人達はもう戦えません。何故殺さなければならないのですか！」

カムイは児の場で唯一反論したのだ。

その事が気にくわないのかガロンは眉間にシワを寄せている。

「もう一度言う・・・殺ろせ」

「嫌です！」

「・・・そうかラクス。お前がやれ」

「畏まりました」

ラクスは捕虜の元に来るとディアブロスを引き抜き捕虜を斬ろうとした。

だが、カムイのガングレリがそれを阻み金属音を鳴らしながら剣を鍔迫り合いをしている。

「・・・カムイ様。貴方は何をしているのかわかっているのですか？」

「わかっています・・・でも、殺す事なんて」

「ラクス。時間の無駄だ。カムイを痛め付けてでも白夜兵を殺せ」

「・・・畏まりました」

ラクスはそう言うと剣を突き放して剣の横でカムイの腹を殴る。

カムイは意気なりの攻撃に反応すら出来ずに唾を吐きながら吹き飛ばされ地面に倒される。

「カムイ！」

「姉さん！」

「カムイ！」

「カムイお姉ちゃん！」

マークス達は吹き飛ばされたカムイを案じるかの様に声を上げた。

ラクスはその声が聞こえてはいないと言わんばかりに近づき立ち上がろうとしたカムイに更に攻撃を加える。

縦に横に斜めに、と連続で攻撃を浴びせ最早気絶していると判断する程に痛め付けた。

「悪く思うなこれは命令だからだ。お前が邪魔さえしなければまだこんな事はせずに済んだ」

ラクスはそう言って捕虜に歩いて近づいて殺そうとした時、後ろから気配を感じたラクスは振り替えるとそこにはガングレリを振りかざしたカムイがいた。

「チッ！(避けられないか！)」

ラクスは少し体勢を反らしすとガングレリはラクスの兜を少し切り裂いて地面に落ちラクス自身は無傷だった。

「まさか気を失っていなかったとは・・・」

「はぁはぁ、これでもマークス兄さんに鍛えられてきましたから・・・」

「成る程・・・だが、お前はもう限界だろう。残念だったな」

ラクスはそう言うと同時に今度こそカムイは気を失った。

ラクスはそれを見届けると無言でカムイを見ている。

「何をしているラクス。早く止めを刺せ」

「ガロン様。今回の処刑・・・レオン様にお任せさせて頂けませんか？」

「ッ！？」

ラクスの言葉にレオンは厳しい目付きでラクスを見る。

「ほぉ、何故だラクス？」

「他の仕事もありますのでこれ以上は時間が裂けません。推薦は優秀で冷徹なレオン様が適任だと思い言っただけなので・・・では失礼します」

ラクスはそう言うと王座から出ていきガロン達はそれを黙って見ていた。