ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
暗夜王の懐刀
とある村。その村は赤く高い炎が燃え盛り村の住民達は逃げ惑っていた。
その住民達に容赦無く剣や槍、斧と武器を振るって殺める兵士達の後ろに顔が兜で隠れた騎士が馬防具を身に付けた馬に乗って兵士に指示していた。
騎士の名はラクス。
暗夜王ガロンの懐刀にして腹心のパラディン。
ラクスは何の感情も無いかの様に燃え盛る村を見ていると年老いた村人が体を引きずり恨みを込めた目で睨みつつラクスの元に来た。
「おのれガロンの手先め・・・お前はガロンと同じ様に罪深いお前は、必ず討たれる・・・平和を信じる者達によって、滅ぼされが良い・・・・・・!」
「・・・それだけか?」
ラクスはそう言うと腰に差してあった剣を引き抜いて村人を突き刺して止めを刺した。
ラクスは剣を引き抜くと軽く降って血を払う。
「お前達が反乱など企てるから軍を送り込まれたのだ・・・大人しくしていれば私はお前達を殺す事はしなかった。それだけだ」
ラクスがそう既に死んだ村人に言い放つと同時に仕事を終えた兵士達が集まってきた。
ラクスは剣を鞘にしまうと馬を反して進め兵士もそれに続いていく。
~暗夜王国・王城~
「此度の反乱の平定・・・ご苦労だったラクス」
「は・・・勿体なきお言葉ですガロン王様」
ラクスは反乱平定と言う名の虐殺の報告をしていた。
ラクスは内心ではヘドが出るような思いで虐殺をしたが何時もの事だと気にせずにガロンに膝まずいてガロンの褒め言葉を返す。
「お前は常に我の命に従い行動する。今回はその働きの数々を讃え褒美を取らす。受け取れ」
ガロンはそう言うと一本の剣を何処からと取り出してラクスに渡した。
剣は黒い刃で覆われその柄すらも黒一色であった
「その剣は我が暗夜王国に伝わる宝剣ディアブロス。その剣は神器に匹敵はするが扱う者の技量が低ければ命を奪う代物だ・・・だが、お前なら使えこなせよう」
「ありがたき幸せ・・・喜んで受け取らせてもらいます」
ラクスはそう言うと剣を受け取る。命を奪う剣と言うだけに触れだけでかなりの違和感を感じたがラクスの身には何も起きなかった。
「では、行くが良い」
「は・・・」
ラクスはガロンにそう命じられると王座の間から出ていく。
ラクスは王座の間から出て廊下をしばらく歩いていると別れ道に差し掛かった所で誰かにぶつかった。
ぶつかった方は豪快に転けたがラクスは全くビクともしなかった。
「いった~い・・・」
「何をしているのですかエリーゼ様」
「・・・あ、ラクス」
ぶつかった方は暗夜の第三王女であるエリーゼであった。王族の中ではかなり子供らしいがそんな彼女には苦手な存在がいた。
その苦手な存在が今ぶつかったラクスだ。
エリーゼは幼い頃は特にラクスを苦手とは思わなかったが戦場帰りの帰り血だらけのラクスを見て怖くなり今に当たる。
「貴方ときたらまた、城を走り回っていたのですか?危険だから止めてくださいと言ってますよね」
「ごめんなさい・・・」
「・・・次は気を付けてください」
ラクスはそう告げると再び歩きだした。