ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
常に夜の国、暗夜王国。
その国は四六時中、夜の世界であり、光が無い為に作物はおろか草木に渡って緑が無い。
そんな暗夜はガロンが侵略を日常的に行い始め、結果として暗夜は他国や部族挙げ句の果てには国内にも敵を作ってしまった。
それでもガロンは侵略を止めずにいる中、そんなガロンに対して正義感を出した者達が再び現れた。
その者達は暗夜の政務官であり、ガロンの政策に我慢の限界を感じたのだ。
だが、そんな彼らは暗夜の闇に包まれる様に消える・・・
ある日、政務官達は暗殺された。
喉や胸、動脈等と急所を正確に切り裂かれて見つかったのだ。
その次も政務官が同じ手口で殺された。
その次は反ガロン派の大貴族。
その次は軍の一部隊を任された反ガロン派の騎士。
どれもこれも同じ手口であり、人々はこの奇怪な連続殺人に共通点がある事を知った。
それは全員がガロンに反抗的な存在だったと言う事だ。
前に殺害された騎士は反乱を企てていると噂があり、ガロンの言葉の中には「芽は早い内に摘む方が良い」と言っていた事からガロンの刺客に暗殺されたと大きな噂になった。
犯人は誰か?ガロンが扱う刺客は?
そこで挙げられた刺客と思われる人物が出た。
その人物はラクス。
暗夜王の懐刀と称される程の凄腕の騎士であり、暗夜の政治の大部分を任される程の政務官だ。
ラクスはガロン派の人間の中ではガロンに最も忠誠を誓っており、ガロンの為ならどんな汚れ仕事もこなす事は有名だった。
これは、暗夜王の懐刀ラクスの暗殺者として物語である。
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暗夜の暗闇の中、一人の男が必死に走っていた。
男は暗夜王国の公爵で、徐々に圧政と戦争によって疲弊する暗夜王国を憂いて暗夜王ガロンを王位から退けようと画策していた。
だが、計画を実行する前に男に賛同した他の貴族が無惨な死体で発見され、男もまた命を狙われる。
「くそ・・・ガロンめ!」
男がそう言った時、背中に激しい痛みが走り倒れ伏す。
男は這いつくばっても逃げようするが、背中に剣を突き立てられて死亡した。
男が死亡した事を確認した追跡者である騎士ラクスは何の感情も無いとばかりに男を見た後で立ち去った。
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場所は変わり、暗夜王城にある玉座の間でガロンに暗殺の成功を知らせるラクスがいた。
「______以上が、謀反人一党暗殺のご報告です」
「そうか。よくやった・・・これでまた火種は消え去り、暗夜の情勢も少しは落ち着くだろう」
ガロンは玉座に深く座り直すと、ラクスはガロンに政策に関しての進言を挙げた。
「しかし、まだこの暗夜に反旗を翻そうとする者は後が絶ちません・・・何か政策を変えてみてはどうですか?」
「ほぉ、政策を変えるか・・・して、どの様にだ?」
「例えるなら・・・税収を下げ、徴兵を一時的に止める等と民衆の不安を減らす事から始めるべきかと。そうすれば自ずと火種は減らせます」
ラクスの進言にガロンは考える様に髭を撫でた後、ラクスに命じた。
「では、お前の提示した政策を実行せよ。だが、我が国の方針である白夜侵攻に響く様な事はするな」
「かしこまりました。では、これで・・・」
ラクスは立ち上がるとガロンに一礼してから玉座の間を後にしようとした。
だが、そこでガロンに呼び止められる。
「待てラクス」
「はい、如何なさいましたか?」
ガロンにラクスはそう問うと、ガロンは内容を伝える。
「今、思い出したが・・・また火種を撒き散らそうとする不穏分子がおる。お前に何時もの様に脅威を抑える事を命ずる。その脅威は・・・氷の部族だ」
「氷の部族ですか?」
氷の部族は暗夜王国が氷の部族の長であるクーリアに臣従を迫り、属領にしたのだ。
その氷の部族に不穏な動きがあると言うのはラクスも初耳だった。
「奴等は我が国が各地の脅威を払っている隙を突いて反旗を翻し、独立を目論んでおると報告で聞いた。お前には奴等の真意を見抜き、火種を消せ。政策はそれが終えてからだ」
「・・・分かりました。では、出陣の準備を行いに行きますので今度こそこれで・・・」
ラクスは今度こそと玉座の間から出ていくと氷の部族の里に向かう為の準備に向かった。