ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
カムイ達を先に行かせたラクスはシェンメイに斬り掛かった。
シェンメイはラクスのディアブロスを避けると、魔法攻撃を行い、ラクスに襲い掛かる。
ラクスはディアブロスで防いだり、避けたりしつつシェンメイに接近すると、ディアブロスを振るい、シェンメイは魔力を帯びた手で受け止めると、ラクスを投げ飛ばした。
「ぐッ・・・!」
「あら、随分と鈍った物ね?貴方の剣はもっと、人を殺す事に特化していたわよ」
「ちッ・・・!」
ラクスはシェンメイの指摘に苛立ちながらシェンメイに斬り掛かる。
ラクスとシェンメイの戦いは激しさを増して行き、魔法の力とディアブロスの力は戦場を大きく破壊していく。
「ふふ、本当に鈍った物ね・・・何時もの貴方なら私なんて軽く斬り捨ててしまう程に強いのに、どうしてかしら?」
「さぁな・・・だが、俺は俺、私は私の戦いをするだけの事。人を斬り捨てるだけの俺はもういない、訳ではないが・・・今、此処にいるのは仲間を守る為にこの剣を振るう一人で二人の男だけと言っておこう」
ラクスはディアブロスを構えてシェンメイと向かえ合うと、シェンメイはラクスの尋常ではない力を感じ、怯んだ。
「・・・行くぞ、シェンメイ!」
「ッ!?」
シェンメイはラクスの鋭い殺気を感じた瞬間、ラクスが既に目の前におり、ディアブロスを振るっていた。
シェンメイはそれを避けた瞬間、腹の辺りに痛みを感じて見てみると、腹に暗器が刺さっていた。
「これは・・・!?」
「久しぶりに使ったな・・・これは俺が暗殺者としての愛用の暗器だ。お気に召してくれましたかな?」
「・・・随分と卑怯な戦いね。騎士が剣や槍以外の得物を使うなんて」
「俺は貧民出身。元より騎士としてのプライドは・・・皆無。あるのはただ、人を殺すセンスだけだ」
ラクスはディアブロスと暗器を構えてシェンメイに対峙し、シェンメイは痛む傷に耐えながらまた来るであろう不意討ちに備えていた時、今度は洗練された剣術がシェンメイを襲った。
シェンメイは避けると、また暗器による攻撃があったがそれをシェンメイは防いだ。
だが、それはラクスのフェイントでシェンメイにディアブロスによる一撃を叩き込んだ。
「ぐッ!?」
シェンメイは何とか防いで距離を取ると、魔法をラクスに向けて連続で放った。
ラクスは連続で放たれた魔法を見て、素早い動きで魔法を避けると暗器を三本投げつけてシェンメイに当てた。
シェンメイは魔導書を痛みのあまり落とすと、倒れ込んでしまい、ラクスがその気を逃さずにシェンメイの魔導書を持つ腕をディアブロスで突き刺して使い物に出来なくした。
「これで、もう魔法は使えまい。貴方の、お前の敗けだ」
「・・・そうね」
シェンメイはもう諦めたとばかりにそう言うと、ラクスはディアブロスを抜いてシェンメイの首に刃を当てた。
「・・・何か、言い残す事は?」
「じゃぁ、冥土の土産に一つだけ聞かせて。貴方、人格を二つも持ってるけど、どっちが本命なの?」
「そうだな・・・今、話している私が本命だ。俺と名乗るのは私の影、本来なら表には出せないからな」
「そう・・・久々に楽しかったわよ、二人のラクス。娘の事を・・・頼むわよ」
シェンメイはそう言って消えて行くと、ラクスはディアブロスと暗器を納め、カムイ達を追って行った。