ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
カムイ達はマフーがいるとされる透魔王城に入ると、中は薄暗くやすれきった後がしっかりと残っていた。
カムイ達は城内を歩き、玉座の間を目指して歩くが何回も曲がり角を曲がる等と複雑な城内に悪戦苦闘していた。
「まるで迷路みたいです・・・下手に歩くと迷ってしまいます」
「この城は特殊だからな。攻めていた際にも色々と苦労させられたものだ・・・まるで迷路の様に入り組み、入り込んだ者を迷わす迷宮だ」
「そんなに入り組んだ城なのですか?」
「はい・・・マフーとハイドラがこの城を制圧して支配下に置いてあるのなら・・・用心しなければ此方の命に関わるでしょう」
ラクスがそう言うと、カムイは気を引き閉める。
カムイ達が先を進んでいると、目異様な雰囲気が立ち込め、目の前に水の波紋の様な揺らぎが巻き起こった。
「・・・来るぞ」
ラクスがそう言ってディアブロスを抜くと、仲間達も武器を構える。
暫くして、揺らぐ波紋から人が現れ、短い水色の髪で何処かアクアと似たような雰囲気を出す女が現れた。
「あら、もう此処まで来たのね?」
「お母様・・・!」
アクアがそう言うとラクスは驚いき、シェンメイを見る。
「シェンメイ、様か?」
「知っているのラクス?」
「それはそうよ。暗夜王国でまだ騎士として認められたばかりの貴方にいつも助けられてきたのも。互いに仲が良くなってしまったのよ」
シェンメイはそう言って懐かしむ様に笑うと、ラクスは惑わされないと言わんばかりにディアブロスを構える。
「それは昔の話・・・今は敵として見えている以上、情を動かそうとしても無駄ですよ」
「それもそうよね・・・貴方も伊達に側近をやってる訳ではないでしょうね。・・・では、始めましょうか。この城内での最初の戦いを」
シェンメイはそう言うと手にする魔導書を開き、攻撃の態勢に入った。
カムイ達が身構えると、シェンメイは魔法で攻撃を仕掛けてきた。
シェンメイの魔法を咄嗟にラクスが防ぐと、シェンメイの前に立ち塞がり、カムイ達に叫ぶ。
「先に行け!後から追い付く!」
「でも!」
「この戦い、長引けば増援が来る危険がある・・・下手に全員で戦って囲まれるよりマシだ」
ラクスはそう言うと、シェンメイにディアブロスを振るうとシェンメイは防ぎ、ラクスに攻撃をするがラクスは避けてまたシェンメイに攻撃する。
「ラクスさん!」
「カムイ。此処は彼を信じて先に進みましょう。彼の言う通り、相手がお母様だけとは限らない・・・下手をしたら、ハイドラの手で蘇った身内を更に相手にする事になるかもしれないわ」
アクアは辛そうな表情でそう言うと、カムイはアクアの言葉に頷くしかなかった。
「ラクスさん、必ず・・・追い付いてください」
「分かっている・・・私を、俺を誰だと思っているのですか?俺は・・・暗夜の懐刀、ラクスだ。負ける通りはない」
ラクスは素でそう返すと、再びシェンメイに向かって行った。
その姿をベルカは見て驚くしかなかった。
「(彼が素の言葉を使うなんて・・・貴方は本当に私の知っているラクスなの?)」
臣下になってから敬語で喋っていたラクスが急に素になった事にベルカの中に不安を感じた。
どんな状況だろうと、酒で溺れたりしない限りは素の姿を見せたりせず、本当にラクスなのかと疑ってしまったのだ。
「ベルカさん!」
「ッ!?。すぐに行くわ」
ベルカはカムイの叫びに促されて不安の中、走って奥に行ってしまった。