ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

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影を断つ

レーラは自分の父ラクスを確認するとラクスの元に歩みよろうとする。

 

「来たか愚か者共・・・」

 

レーラはそれを聞いた瞬間、鋭い殺気を感じとり素早く後ろに飛ぶとレーラのいた場所には黒い影が剣突き立てていた。

 

「ふん、外したか・・・」

 

「・・・貴方は誰?」

 

「私は私だ。名前など無いただの兵器だ」  

 

レーラはそれを聞いて試作品00に見せられた光景と言葉を思い出した。

マフーの産み出した兵器、そして植え付けられた狂気・・・その意味がレーラの頭の中で繋がった。

 

「貴方が・・・狂気の根元ですか」

 

「そうだ。私はラクスであり、狂気であり、そしてこの世を憎む血に濡れし者だ。我が娘よ」

 

「貴方に娘と呼ばれる筋合いはないわ!」

 

レーラは剣を抜くと影に向ける。

カムイ達もそれぞれの獲物の取ると、影は鼻で笑う。

 

「私に挑むか?やれやれ・・・二人のラクスに邪魔をされたと思えば次はこれか・・・」

 

影はそう言うと手を翳した。

すると、数人の兵士の様な影が姿を現し、カムイ達に武器を向けた。

 

「貴様らは・・・此処で死ぬが良い」

 

「私達は負けません!父さんを返して貰います!」

 

レーラはそう叫ぶと影の兵士達に向かって行く。

影の兵士達も一斉にカムイ達に向かって行き、乱戦になった。

レーラは剣で影の兵士達を次々と凪ぎ払って進む中、後ろから影の兵士がレーラを襲う。

だが、レーラを襲った影の兵士はベルカの手斧によって倒れた。

 

「母さん!」

 

「レーラ、無茶をしないで。ラクスを取り戻したいのは貴方だけじゃないわ。私も取り返したい・・・仲間達もう思ってる。貴方は一人じゃないのよ」

 

「・・・すみません。私とした事が頭に血が上ってました。もう、無茶はしません」

 

レーラはそう言うと剣を構え、影の兵士を倒して行く。

レーラは奥に進むもうとして行くが、影の兵士が次々と立ちはだかり中々進めずにいた。

 

「レーラ!」

 

立ち往生していたレーラの元に無二の親友であるゾフィーとマトイが駆け付けて来た。

 

「ゾフィーさん!マトイさん!」

 

「此処は私達に任せて先に進んで!」

 

「ラクスさんは貴方を待っています・・・早く行ってください」

 

ゾフィーとマトイはそう言うと武器を構え、影の兵士を倒して道を開いた。

レーラは開けられた道を見逃さずに突破すると、そこには影が剣を手に待ち構えていた。

 

「ほぉ、此処まで来たか」  

 

「・・・父さんを返して貰います。そこを退いて下さい」 

 

「嫌だと言ったら?」

 

影の言葉を聞いてレーラは剣を向け、決意のある瞳で影言う。

 

「力強くでも押し通ります」

 

「・・・ふん、良いだろう。相手になってやる。・・・来い、我が娘よ」

 

影はそう言って剣を構えた。

 

【イメージBGM 漆黒の騎士戦】

 

レーラは先手必勝とはかりに影に攻撃すると、影は簡単に攻撃を防ぎレーラの腹を左手で殴った。

レーラは唾を吐き出して怯むと、影はすかさずレーラを掴むと前に投げつけ、壁に当てた。

 

レーラは苦しみのあまり咳き込んでいると、影が剣を振り下ろす直前であったのに気付き、横に飛んで避けた。

 

「ほぉ、すぐに死ぬと思ったのだがな」

 

「くッ・・・」

 

レーラは立ち上がると剣を構え、影に斬り掛かる。

影はレーラの攻撃を次々と防いでいき、明らかに実力差がありすぎるのは明らかだった。

 

「どうした?その程度なら失望したぞ・・・私の血を引いているお前なら簡単に越えてくるとおもっていたんだがな・・・」

 

「・・・うるさい。私は貴方に必ず勝ちます・・・父さんを取り返して見せます・・・」

 

レーラはそう言うとラクスと同じ位の強い殺気を出し、影に対峙する。

 

「ほぉ・・・そこは私似か・・・」

 

影はそう言って剣を構えた時、向こうからカムイが走ってきた。

 

「レーラさん!これをラクスさんに!」

 

カムイはそう言って試作品00が渡した錆びた剣を投げた。

レーラはそれを見ると飛んできた錆びた剣を手にした時、錆びた剣が突然、光だした。

 

「な、何ですか!?」

 

「・・・まさか、それは!」

 

影の動揺する声が聞こえた瞬間、錆びた剣は錆が取れていき、錆びた剣は白銀の輝きを持つ剣となった。

 

「透魔剣ティソナ・・・!」

 

影がそう言うと、レーラはティソナを見る。

 

「これが・・・ティソナ・・・」

 

レーラはティソナを握っていると力がみなぎって来る感覚を覚えていると、影が斬り掛かってきた。

レーラは影の攻撃を防ぐと影を斬りつけ、トドメに胸を突き刺した。

 

「ば・・・かな・・・!ティソナが・・・お前をみと、めるなど・・・!」

 

影はそう言って消えていき、影の兵士達も消え去った。

レーラはそれを確認した後、ラクスの元に向かって歩き、前に立った。

 

「父さん・・・迎えに来ましたよ」

 

レーラは屈んでそう微笑みながら言うと、ラクスはレーラの方を見た。

 

「レーラ・・・まさか、これは幻か?それともあの世への迎えか?」

 

「いいえ。幻でも況してやあの世からの迎えでもありません・・・父さん。一緒に帰りましょう。仲間や母さん達が待ってます」

 

レーラはそう言うと、ラクスは首を横に振る。

 

「駄目だ・・・私は罪を犯し過ぎた。償わなければならない・・・」 

 

「もう、罪を償わなくても良いです。お願いです・・・一緒に帰りましょう・・・父さん」

 

レーラはそう言って涙を流した。

ラクスはレーラの涙を見て、戸惑っていると向こうからベルカがやって来る。

 

「ラクス・・・」

 

「ベルカ・・・」

 

「ラクス。もう、良いでしょ?これ以上・・・私達を泣かせる様な事はしないで・・・お願い・・・」  

 

ベルカがそう言うと仲間達も次々とやって来た。

ラクスは仲間達の姿を見て、うつ向いた時、縛っていた鎖が突如、外れていきラクスを解放した。

 

「・・・私も帰りたい。もう、お前達から離れたくはない・・・」

 

「父さん・・・父さん!」

 

レーラはそう叫んでラクスの胸元に飛び込むと、泣き叫んだ。

ベルカも泣いており、ラクスは二人を愛しく思った。

 

一通り、再開を喜んだ後、カムイ達は元の世界へと戻るとそこにはマフーはおらず、ただ荒れた遺跡前の戦場だった。

ラクスは再び仲間として戦う事を決意し、カムイに進言する。

 

「カムイ様。マフーはご存じだと思いますが普通の手段では倒せません。奴は不老不死ではありますが・・・唯一の弱点があります」

 

「唯一の弱点?」

 

「はい・・・それはレーラの剣となったティソナです」

 

ラクスはそう言うと、レーラは疑問を浮かべて鞘に納められているティソナを見た。

 

「父さん。この剣は父さんの物では?」

 

「いや、ティソナはお前を主と認めた。私の物ではない・・・もう、お前の物だ」

 

ラクスはそう言うと再びカムイ方を見る。

 

「透魔剣ティソナは同じ神器である夜刀神と同じ様に新たに力を得れば強い剣となります。その力の得る方法は星竜の力が必要になって来るでしょう」

 

「星竜とは・・・リリスさんですか?」

 

カムイがそう聞くとラクスは首を横に振る。

 

「いや、星竜は他にいる・・・その竜の名は星竜モロー。モローが力を貸してくれなければマフーを打ち倒す事は出来ないだろう」

 

「星竜モロー・・・でも、何処にいるのですか?」

 

「星竜モローは星界の神殿にいる・・・そう記憶があるが」

 

ラクスは疑問を浮かべる様に表情を歪めた後、カムイに言う。

 

「何故、自分にこの記憶があるのか分からない。情報元が不明なんだ」

 

「つまり、信頼できるか分からないと言う事か?」

 

ギュンターがそう聞くとラクスは頷く。

 

「どちらにしろ行くかはカムイ様が決めてくれ。私は、もうこれ以上の危険をカムイ様達に押し付けたくない」

 

ラクスはそう言うとカムイは微笑んで答えた。

 

「行きましょう。ラクスさんは私達の仲間です。貴方の言葉なら私たちは信用できます」

 

カムイはそう言ってのけると他の仲間達も賛同する。

 

「・・・ありがとう。星竜の神殿はリリスの力が無ければ行けない。先ずはリリスの元に向かおう」

 

ラクスはそう言うとカムイ達はさっそく星界にあるマイキャッスルに行き、リリスの元に向かうのだった。


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