ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
闇夜が広がる暗夜王国。
そこでは一つの戦いが終息しようとしていた。
玉座の間の前で激しい斬り合いをしているが、一人が大きく体勢を崩す。
「終わりです!」
銀髪の長髪と赤い瞳が特徴的な軍のリーダーのカムイが漆黒の鎧兜を纏う騎士ラクスを討ち取った。
ラクスは鎧の上からでも分かる程に出血しており、息が荒くなる。
「ぐはぁッ!・・・流石は王、族と・・・言った所か・・・カ、ムイ・・・」
「王族だからではありません。私には仲間がいます。貴方の様な仲間すら殺す見境の無い人とは違います」
カムイにそう言いうと仲間達を率いて玉座の間の扉を開けて中へと突入していく。
一人残されたラクスは息を荒げつつ天井を見つめる。
「・・・仲間、を・・・見境無く・・・こ、ろすか・・・」
ラクスはカムイ達と戦う前に多くの仲間である筈の者達を殺した。
命令に戸惑いを感じた親衛隊、実態を犯した兵士と騎士、やたらと暴走気味なガンズ、そして・・・ラクスを恐れて武器を向けてきたベルカ。
ラクスはこの尋常ではない数の仲間殺しに笑ってしまった。
「遠ざ、け様と・・・した・・・だけ、で・・・これか・・・ベ、ルカ・・・せめ、て・・・お前に・・・」
ラクスは天井に手を伸ばしてそう呟くと息絶えた。
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ラクスは気がつくと薄暗い屋敷の様な一室にいた。
体には鎖がびっしりと巻き付いており、動けない。
「・・・また、繰り返したのか・・・今度のは酷い物だ・・・」
ラクスはそう呟いて力無く笑った。
ラクスは世界を何度も巻き戻り、何度も繰り返してきた。
自身が望んでいた訳でもなく、ただ始まる前に記憶が無くなり繰り返し始める。
それがもう何日と続いているのだ。
「終わらない・・・繰り返えす度に結果が変わっても終わらない・・・仲間と共に進む道、仲間と敵対する道、仲間を殺す道、自身が全てを終わらせる道・・・何故、繰り返す・・・何故、俺なんだ・・・何故、何故・・・何故なんだ!!!」
ラクスはそう叫ぶも、誰も返事をしない、声だけが響く。
「・・・もう、止めてくれ・・・人をこれ以上殺したくない・・・頼む・・・無理ならせめてベルカだけは・・・」
ラクスは絶望の中で懇願するが、無情にもラクスの記憶が消され始めた。
「止めてくれ・・・止めてくれ・・・頼む・・・もう、もう止めてくれ!!!いっそ殺してくれ!!!!!!」
ラクスはそう叫び消えていった。
ラクスが消えた後、そこにラクスと同じ姿をした人物が現れた。
「許す訳ないじゃないか。お前は苦しみ続ける。何時だって・・・今度はどんな展開になるんだろうなぁ?さぁ、お前の抗い、手のひらで踊り狂う姿を見せてみろ。まだまだ時間はあるんだからな・・・だがな、お前の苦しみが終わる時はもう」
"すぐそこだ"
ラクスと似た様な人物はそう言って壁に目をやるとそこにはびっしりと線があった。
四本を縦に、一本をその四本の中心に書く形で365程あった。
「・・・早く時を進めろよ・・・このクソッたれな因果に終止符を打つためにもな」
そう言って暗闇へと消えていった。
気が付けば一周年・・・長いようで短い。
皆さん、此処まで応援ありがとうございます(^-^)
これからも完結目指して執筆していきますので応援よろしくお願いします。