ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
ラクスはマクラスを新たに陣営に加え終えた後、マイキャッスルに戻り休養を取ろう自身の部屋へ向かっていた。
「・・・はぁ」
ラクスは疲れから溜め息をついた時、体が妙に寒気がしたのを感じ取った。
ラクスは風邪かと考えていた時、ラクスの元に声が響いた。
《・・・殺せ》
「な、何だ?誰なんだ・・・!?」
《殺せ・・・全て殺せ・・・全ての者を殺してしまえ・・・!》
「止めろ・・・!これ以上言うな・・・!」
ラクスは耳を抑えて声を聞かない様にしたが、頭に直接響くかの様に声が聞こえる。
《殺せ!!!》
「止めろ!!!」
謎の声とラクスの叫びが同時に発した時、声は止まりラクスは荒い息を立てて壁にもたれる。
「はぁ・・・はぁ・・・何だったんだ・・・」
「ラクス?」
ラクスは声を掛けられた方を見ると、そこにはベルカが心配そうに立っていた。
「・・・何でもない」
「嘘。貴方が取り乱して叫ぶ所を見たわ」
ベルカの追求にラクスは項垂れるがそれでもなお、抗う様に言い訳する。
「本当に、何もない・・・ただ、少し驚いて叫んだだこだ・・・何もないんだ・・・」
「ラクス・・・」
「心配するな。本当に何もないんだ・・・心配する必要もないし、何より驚いて叫んだだけだしな・・・」
ラクスはそう言って部屋の方へ歩いて言ってしまった。
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ラクスは部屋へ戻ると鎧を脱ぎ、ベッドに寝転がった。
ベッドは結婚してからベルカと共同で使っており、夫婦二人で寝ている。
だが今はベルカは他に仕事があり遅くなる。
ラクスはベッドに寝転がりながら先程の声について考える。
「・・・何だったんだ・・・あの声は・・・殺せ、か・・・」
ラクスは声の言っていた殺せの意味を考えるも分からず、そのまま眠ってしまった。
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ラクスが眠りから目を覚ますと、そこは暗く古い屋敷の部屋の様な場所だった。
「此処は・・・何処だ・・・?」
ラクスは辺りを見渡していると、向こうから声が響いた。
「ようこそ、俺」
その声の方へ振り向くと、そこにはラクスその者がいた。
椅子に座り不気味に笑うその姿にラクスはたじろいでいると、もう一人のラクスは言う。
「ククク・・・間抜けな顔をするなよ。俺はお前なんだから・・・」
「俺だと?」
「そうさ。俺はラクス、もう一人のお前で・・・お前とベルカには狂気と呼ばれているな」
もう一人のラクスはそう言うとラクスはそれを聞いて剣を抜こうとした・・・だが、ラクスの手には何も取る物は無かった。
「無駄だ。この空間は俺の住みか・・・言わば、俺の支配下にある。武器を持たせないぐらいわけない」
「・・・どうするつもりだ?」
ラクスは警戒しつつそう問うと、狂気は不気味に笑って答える。
「俺の望みはただ一つ・・・人間の全滅だ」
「人間全滅だ?・・・ふざけるな」
「ふざけてないさ・・・あ、でもベルカは残したいな・・・良い女だし・・・それに、レーラと三人で暮らすのも悪くない」
狂気は不気味に笑いながらラクスにそう言うと、ラクスは不愉快極まりないとばかりに顔を歪める。
人の伴侶や娘を狂気はまるでただ玩具を求めている様にしか聞こえないのだ。
「ベルカ達に危害は加えさせはしないぞ・・・!」
「ほぉ?今のお前に俺を止める力はあるのかな?」
「止めてやるさ・・・!」
ラクスはそう言って身構えると、狂気は身構えるラクスを嘲笑う様に笑い続ける。
「別に戦いはしないぞ俺は?だがな、起きたら起きたで・・・悪夢しかないぞ?」
「・・・どう言う事だ?」
「お前はもうすぐ・・・自身の仲間達に見放される。これは運命だ。起きたらそれは始まる」
「見放される?彼奴らがそんな事はしない。何故、そう言うんだ?」
ラクスはそう言いつつも嫌な予感を覚えた。
ラクスはとてつもない不安感に襲われつつも狂気に聞くと、狂気は答える。
「簡単な事だ。もう俺が起きて剣を手に暴れまわってるからさ」
「ッ!?」
ラクスはそれを聞いて驚愕した時、目を覚ました。
ラクスは辺りを見渡すと部屋ではなく外におり、血の付いた剣を片手に立っていた。