ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

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最初に言っておきます。

戦闘だけどシリアスじゃないです。


師弟対決

師であるデュラハ、弟子であるラクス。

戦いは二人の鋭い殺気に包まれて始まった。

二人は師を、弟子を相手に本気で殺そうとそれぞれの得物を手に激しく斬り合う。

 

「す、すごい・・・」

 

カムイがそう呟くと、マークスも同感する様に頷く。

 

「流石はラクスの師と言える者だ・・・デュラハの技は常人離れをしているが、洗練された技・・・だが、ラクスも負けない技術だ」

 

マークスがそう言うと、冷や汗を流しながらリョウマは真剣な眼差しで戦いを見ながら言う。

 

「あぁ・・・ラクスの剣、あれは人を確実に殺す為の技が使われている。何処でそんな技を得たのか疑問だったが、暗殺者の弟子と聞いて納得した。あれは・・・暗殺術の剣だ」

 

「暗殺術の剣・・・?」

 

「カムイ。ラクスの剣の振りをよく見てみろ」

 

カムイはリョウマの言葉を聞きラクスの剣の振りを見てみると、剣は首や胸、動脈のある手首や頭等と何処も急所に向かって振られていたのだ。

 

「あれは・・・!」

 

「あれが暗殺術の剣だ。暗殺において求められるのは一撃必殺・・・確実かつ一撃で仕留める事だ。ラクスは恐らくそれに長けている。だからこそ、あれほどまでに急所を狙える」

 

「でも、ラクスは普段は!」

 

「・・・隠していたのだろう。あの暗殺術の技を見せるのは暗殺者が自分から素性を曝す様な物だからな」

 

カムイはリョウマからそれを聞くと、心配そうにラクスの戦いを見る。

ラクスはデュラハの扱う暗器を弾きながら懸命に戦うも、中々有効打を撃てずにいた。

 

「くそ・・・よく勝ったなベルカの奴・・・!」

 

「可愛い娘が俺を暗殺するとは思わんだろうが。たく、いきなり何かで斬られたと思ったら、ベルカが斧を持って立ってたんだでビビったわ本当に・・・」

 

「普通は常に警戒するだろ・・・凄腕の暗殺者が狙われる事があるのを知っていたくせに」

 

「それでも家族を疑いはしないさ!」

 

デュラハはそう言ってラクスに斬り掛かり、ラクスは剣で受け止めた。

 

「それよりもだ、ラクス・・・お前・・・ベルカに手を出しやがったな!」

 

「悪いか?」

 

「悪いは!よくもうちの可愛いくて常に頭を撫でたくなるような愛らしさを持っていて何処か冷たくても優しいうちの娘を!!!」

 

デュラハの衝突な発言にラクスを除くカムイ達は唖然としてしまった。

いきなりベルカの事を褒めて怒り狂ったのだから無理もなかった。

 

「いい加減、ベルカを自立させろ!だからタマを取られたんだろうがクソ師匠!」

 

「嫌だ!まだ可愛がりたい!!」

 

「もう、結婚したんだよ、妻になったんだよ!あいつを何時までも子供と思うな!もう、俺だけの物だ!!!」

 

「黙れ!クソ弟子が!!!」

 

もはや真剣な戦いではなくなっている戦いに、カミラとルーナは呆れ顔で見ている。

 

「全く男ときたら・・・」

 

「そうね・・・ベルカ?」

 

カミラはベルカの法を見ると、ベルカはリンゴやトマトの様に顔を真っ赤にさせてしゃがんで顔を両手で隠していた。

明らかにもう恥ずかしくて見てられないと言う様な感じだ。

 

「べ、ベルカ?」

 

「・・・もう、やだ。あの二人・・・///」

 

「・・・何だかベルカのトラウマが蘇ってますね。カミラ様」

 

「そっとしてあげましょう・・・」

 

恥ずかしがるベルカにカミラとルーナはそっとしておく事にし、呆れつつも戦いを見守る。

 

「じゃぁ、あれか!結婚したからベルカを抱いたのか!抱いたのか!!」

 

「それ以上は言うな!恥ずかしい!!///」

 

「やっぱりかぁぁ!よくもうちの娘の純潔を!!」

 

二人の戦いは理由はしょうもなくも激しさを増していき、動きも更に速くなっていく。

 

「くそぉ・・・無駄に腕を上げやがって・・・」

 

「何時までも衰えない腕を持ちやがって・・・」

 

二人の戦いは全く決着を着ける事が出来ず、二人は息を切らしながら武器を構え続ける。

二人はジリジリと動きながら相手の隙を伺い、そして。

 

「「これで・・・終わりだ!!!」」

 

二人同時に動いた。

 

「やめてください!!!」

 

その大きな声で二人は止まり、振り向くとそこには恐ろしい表情で二人を睨むラクスのベルカの娘レーラが立っていた。

 

「だ、誰だあいつは?何て殺気だ・・・」

 

「・・・うちの娘です・・・お義父さん」

 

「どさくさに紛れて何を言ってやがる!」

 

お義父さんと言ったラクスにデュラハはキレた時、ドンッ!と言う様な音が地面に響いた。

レーラの手には通常ではソシアルナイトでは扱えない棍棒が手にされている。

 

「やめてください、と言いましたよね?」

 

「す、すまん・・・」

 

ラクスは棍棒を持って怒るレーラを見て、やはりベルカの血引いていると改めて感じつつも、出来る限り矛先ならぬ棍先が来ない様に影を薄める。

 

「だいたい何ですか!父さんとお爺ちゃんが良い年して喧嘩なんて・・・見てください!母さん何か恥ずかしさのあまり気絶してますよ!」

 

レーラが指を指すと、ベルカが顔を真っ赤にさせながら気絶している。

カミラとルーナは慌てた様子で介護している姿からすると、後で二人からも説教が来るとラクスは感じ取った。

 

「・・・今日はついてないな」

 

「お爺・・・ちゃん・・・俺はまだ若いぞ・・・」

 

「それについては・・・慰めようがない・・・」

 

「そこ!説教の途中で喋らない!!」

 

父親ラクスと祖父デュラハはキレた娘レーラに体を縮みこませながら説教をされ続ける。

カムイ達は普段は温厚なレーラが怒ると本当に怖い事から温厚な人ほど怒ると怖いと言う言葉が本当だと言う事を改めて認識した。


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