ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
戦いが日常化するある日の事、ラクスは心が締め付けられる様な苦しみに悩んでいた。
ラクスはベルカを見たり、考えたりするとこの症状に悩まされとても我慢できる物ではない為に誰かに相談する事を決めた。
「それで私ですか?」
「そうだ・・・」
ラクスは現在、アサマの元にやって来て相談をしていた。
アサマは呆れた様に溜め息をついてラクスに言う。
「あのですね・・・相談しろとは言いましたが、それは心に悩みが溜まった時にお願いしたいのですが?」
「悩みがそれで溜まったのだから来たのだ。それで?アサマはこの悩みの解決方が分かるか?」
「分からないと言う訳ではありませんが・・・本当に分からないのですか?」
「そうだと言っているだろ。・・・ベルカを見たり考えたりすると締め付けられる様な感覚に襲われるのだ。・・・まさか何かの病か何かか?」
ラクスの言葉に更に呆れ果てたアサマはどう説明すれば良いのか分からなくなった。
アサマにはラクスの原因をすぐに突き止められたが、自身にも経験が無い為、対処に困り果てた。
「はぁ・・・難しいですね・・・何と説明すれば鈍感な貴方でも納得するか・・・」
「鈍感は余計だが・・・何故、説明できない?」
「それはですね・・・何と言うか・・・ある意味、病気ですね」
「病気!?つまり病なのか!!」
「いや、そこまで深刻にしなくても・・・まぁ、心の些細な病ですよ。そう深刻にしないでください」
アサマの言葉にラクスは納得なさげな表情をしつつも落ち着く。
アサマはその様子を見ると、本題に出す。
「貴方が今、悩んでいる病気の名前は・・・恋ですね」
「恋・・・?私がか?」
「えぇ・・・まず、ベルカさんを見たり考えたりすると恋が締め付けられる様な苦しみに襲われる。間違いなくお相手はベルカさんです」
「確かにベルカは女性だ。だが、今まで幼馴染みとして過ごしていたが全くそんな感情は・・・」
「それは単に幼馴染みとして見ていたからでしょうね。ですが、今は無自覚でベルカさんを異姓として見てますよ」
アサマの答えにラクスは項垂れた様に腕を組んで考え始めてしまった。
ラクスは自分のしてきた悪行を思いだし、首を横に振って振り払うようすると、アサマに顔を向けた。
「・・・何故、恋などをしたのだろうな。私には無理な話なのにだ・・・」
「何故その様に考えるのですか?」
「・・・私はこれまで数多くの者を殺してきた。盗賊や海賊ならまだしも、罪無き民、白夜王スメラギ等と殺さなくても良かった筈の者まで入っている。そんな私に幸せになる権利は無い筈だ
「悪く考え過ぎですよ。それでも貴方は国をより良くしようとしたのでしょ?」
「・・・確かにしてきたが、それでも殺しの方が圧倒的に多い。元暗殺者でもある私には政敵となる正義のある筈の貴族や反乱の首謀者までもこの手殺しているのだからな。アサマ。相談に乗って貰って感謝する」
ラクスはそう言いアサマから離れて行くと、アサマは困った様な顔でラクスを見送る。
「参りましたね・・・あそこまで悪く考えるなんて。・・・もし、ラクスさんがベルカさんを狙わなかったら」
"私が狙っても良いですよね?"