ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
仲間達がカムイを信じて無限渓谷の底に飛び降りて行く中、残ったのはカムイとクリムゾンとラクスそしてギュンターの四名となった。
「では、私達も参りましょう」
カムイはそう言って橋から身を乗り出して橋から飛び降りる。
続いてクリムゾンも降りて行くと、ラクスも続いて降りた。
鎧を着ていても何とも言い難い浮遊感を覚えたラクスだが、それでも安定して降りている時、ラクスに突如激しい悪感が襲った。
「何だ・・・この感覚は・・・」
ラクスは嫌な予感を感じて振り向くと、後ろに強大な力が突然現れ、魔法か何かがカムイを貫こうとしている。
「カムイ!」
ラクスは咄嗟にディアブロスでカムイへの攻撃を防ごうと振るうと防げたが、ディアブロスはへし折れ、ラクスは勢いよく落とされて行く。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!」
ラクスはそう叫びながら落ちて行くと、カムイの叫びが空しく聞こえてくる。
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ラクスは目が覚めるとそこは、何とも不思議な世界が広がっていた。
ラクスは立ち上がって回りを見渡すも、人は誰一人としておらず、静かだった。
「・・・カムイ様達は何処へ?」
ラクスがそう呟いた瞬間、後ろから殺気を感じてラクスは避けるとそこには透明な兵士がおり、更に後ろには多数の透明な兵士がいた。
「ちッ・・・こんな時に・・・」
今のラクスは武器を持っておらず、逃げるしか手が無かった。
ラクスは敵の攻撃を避けつつ走って行く。
敵は執拗に追い掛けてくるが、ラクスは上手く逃げて行き、離脱する事に成功した。
「何とか撒いたか・・・?」
ラクスは疲れ果てその場で座り込む。
体を休めつつもラクスは脳内で情報を整理してこの世界での対応策を考える。
「(今手持ちの武器は無い・・・逃げられない事はないが何時まで持つか・・・それにカムイ様達を探さねばならない・・・先ずは武器を手に入れるしかないか)」
ラクスはそう結論を出して立ち上がった時、草むらが揺れる音を聞き、草むらの方へ身構える。
「ぶはぁ!やっと出れたぜ・・・」
「ガンズ?」
「げ、ラクス殿!」
現れたのはガンズで、ラクスは驚きのあまり声も出なかった。
何故ガンズが此所にはいるのか分からずにいたが、ラクスは取り合えずガンズに問う。
「何故、貴様がこの地にいる?答えろ」
「そ、それはあんたがこんな所に落としたんだろうが!」
「なに?・・・見に覚えがないな」
「しらばくれんなよ!あんたがマクベス軍師と戦っている時に巻き込まれて落ちたんだろうが!」
ガンズの言葉にラクスは少し思い出した。
確かに戦っていた時、暗夜兵が吹き飛んでいたのは知っていた。
その中にガンズがいたのは予想外だったと、ラクスは思った。
「・・・まぁ、そんな過去は捨て置け。今はカムイ様達と合流する」
「け!何であの王女と合流するだよ」
「今の状況を知っているのはカムイ様だ。今は探しだして合流するしかない・・・ガンズ。貴様もそうするしかないんだろ?」
ガンズは図星突かれたと口ごもる。
「さて、満場一致だ。ガンズ・・・さっそくだが剣か槍はあるか?」
「何でまた?」
「・・・ディアブロスが折れた」
ラクスは悲しそうに自分の愛剣を見て答えると、ガンズは荷物を入れる袋を探って一本の銀の剣を出した。
「敵から取ったんだがよ。これで良いか?」
「盗みは感心しないが・・・まぁ、この状況じゃ仕方がない」
ラクスはそう言って剣の状態を確かめながら言うと、剣を鞘にしまった。
「行くぞ、ガンズ」
ラクスはそう言って戦場の突破を目的とした戦闘が開始される。