ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
数ヵ月前、ディアの港町でラクス率いる親衛隊はカムイ討伐を達成した。
カムイは殺さず捕らえ何人かは取り逃がしたが、暗夜を裏切った者達もその場で粛清した事でラクスは暗夜王ガロンの信頼が大きく上がると同時に、人々から更に恐れられる存在になった。
白夜はタクミとサクラ等の有力な白夜の者達を失った事もあり、戦線は崩壊しつつあり白夜の崩壊は時間の問題となった。
そんな中、ラクスは一人薄暗く寒い地下牢へと足を運び一つの牢の前にたった。
「・・・無様だな。あれだけ仲間を集めておいて私に敗北して全て失うとはな・・・カムイ?」
「くッ・・・!」
牢の中には虫の息のカムイが、手や足を拘束された状態で監禁されていた。
「お前が暗夜に着けばこんな結末にはならなかったのにな・・・」
「それでも、私は・・・」
「そんな話は聞き飽きた。真の敵?そんな者がいるなら何処にいる?いるなら証拠を見せて貰いたいものだがな」
「・・・ッ!」
カムイは項垂れると、ラクスは溜め息をついてカムイを冷たく見つめる。
ラクスの目にはもう、情と言う無くしていた。
「明日、お前は処刑される。何か言い残す事は?」
「・・・ありません」
「・・・そうか」
カムイはそう静かに言うと、ラクスは牢を去っていく。
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ラクスは自分の部屋の扉を開けた瞬間、いきなり殴りつけられるがラクスは容易く避けて殴ってきた相手を押さえる。
「またか・・・ベルカ」
「・・・」
ラクスはベルカを投げ飛ばすと、ベルカは投げ飛ばされはしたがすぐに体勢を整えて身構える。
今のベルカは首や手足に枷が掛けられており、まるで奴隷の様な姿だった。
ベルカはラクスに対して憎悪を宿した瞳で睨むと、ラクスは溜め息をつく。
「はぁ・・・懲りずに逃げ出そうとするとはな。喉を潰され声を失って間もないのに今度は何処を失うつもりだ?」
ラクスは戦いの後、ベルカを自分の物にする為に生きて捕らえガロンに自分の褒美として貰ったのだ。
だが、ベルカは何度も逃げ出すかラクスを殺そうとしてきたのでラクスは、ベルカを拘束して喉を潰したのだ。
「お前は私の物だ。絶対に逃がしたりしない」
ラクスはそう言ってベルカに近づいた瞬間、ベルカが隠し持っていたのかナイフをラクスに突き立てようとした。
ラクスはナイフを握る手を掴んでナイフを奪うと、ベルカの顔を掴んだ無理矢理キスをする。
「ッ!?」
ベルカは激しく抵抗するが、拘束され弱り果てた体では到底抗えず成すがままにされる。
「・・・もう、何処へも行くな。お前を失ったら今度こそ私は折れてしまいそうだ」
ラクスの優しげな言葉の裏に冷酷な冷たさを感じたベルカは抵抗を止めてしまった。
喉を潰された痛みを思いだし、恐怖が襲ったのだ。
「・・・愛してるよ・・・ベルカ」
捻曲がった狂愛の中でも、ラクスに唯一残された一つの愛にラクスは溺れていく。