ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

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意外な一面

~オボロside~

 

私は少し不機嫌だった。

タクミ様に軍議をするからラクスを連れてきてくれと言われ、ラクスを探している。

でも、ラクスは私の両親を殺した仇、私はラクスが関わってくると常に不機嫌になる様になった。

 

「見つけた。ラク」

 

私は声を掛けようとした時、ラクスは真剣に何かを書いている。

私はその紙が手紙だと分かると一つの考えに辿り着いた。

 

"密告"

 

ラクスは元々、ガロン王の臣下。

密告をしててもおかしくない。

私はこの事を伝えるかどうか迷っていると、ラクスは私の気配を感じたのか振り向く。

 

~side終了~

 

ラクスは後ろから気配を感じ、ペンの腕を止めて振り向く。

そこにはオボロがおり、ラクスは何で黙って立っていたのか疑問に思った。

 

「・・・何をしている。用があるなら言ってくれ」

 

「え、えぇ・・・タクミ様が軍議を始めるから来てくれ、て言ってたわよ・・・」

 

「そうか・・・」

 

ラクスはそう言うと、椅子から立ち上がってオボロの横を通ろうとする。

 

「待って!」

 

「何だ?他に用があるのか?」

 

「・・・あれは何?まさか密告してないわよね?」

 

「密告?そんな事、できる訳ないだろ。私が書いていたのは家族宛の手紙だ」

 

ラクスの手紙の宛先はオボロの予想の斜め上に行った。

 

「家族?貴方、家族がいるの?」

 

「あぁ・・・言っても血の繋がりは無い家族だ」

 

「血の繋がりが無い?」

 

オボロの疑問の声に、ラクスは軽く頷く。

 

「私は孤児院で育ってな。親が院長、兄妹が孤児院の子供達・・・私はそこには後から入ったが皆、優しかった。だから、少しでも生活を安定させたくて軍に入って・・・」

 

ラクスは話の途中で、黙ってしまう。

オボロは突然、ラクスが黙った事に疑問に思い始める。

 

「どうしたのよ?」

 

「・・・もう行って良いか?軍議に遅れる」

 

「え、えぇ・・・」

 

オボロは戸惑いながらも道を開けると、ラクスは歩いて行く。

オボロは意外だと感じていた。

ラクスに血の繋がりの無い家族がおり、そして、ラクスはその家族を誰よりと大事にし、愛しているのだ。

その証拠が、この手紙なんだろうとオボロは考える。

 

「・・・ラクスがさっき言い掛けた最後の言葉は何かしら?」

 

ラクスが軍に入って、の先が分からずじまいになったオボロ、考える。

ラクスは噂では冷酷非道の騎士と呼ばれ、勝利の為ならどんな手段も使うと言う。

しかし、あの時のラクスはどう考えてもその人物象とは掛け離れた家族の事を優しく語る者の雰囲気だ。

 

「もしも・・・」

 

もしも、オボロがラクスを仇として殺したら・・・ラクスを慕っているかもしれない孤児院の子供は、自分を恨むのかとオボロは考える。

 

「・・・分からない事が多いわね」

 

オボロはそれだけを呟くと、立ち去る。


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