ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
ラクスはベルカに斬り掛かり攻撃し、ベルカはラクスの攻撃を避けて急降下で、ラクスに斧を振るう。
ラクスは防ぎきれないと判断して避け、降りてきたベルカに突進し、ベルカを竜ごとぶっ飛ばす。
空に飛んでいた事も含め、容易く吹き飛ばされたベルカと竜は体勢を整えようとしたが、ラクスの追撃に合う。
「はぁ!」
ラクスのディアブロスは壁に勢いよく突き刺さった。
ベルカは間一髪、避けたがラクスに首を掴まれ壁に押し付けられた。
「ベルカ・・・何故だ?何故・・・裏切った・・・」
「ぐッ!・・・私は、カミラ様に恩が、返しきれないくらいあるわ・・・その恩がある、限り・・・私はカミラ様に着いていく・・・!」
「そうか・・・なら、お前の手足を斬り飛ばしてでも連れて帰ろう・・・」
ラクスはベルカは放り投げると、ディアブロスを片手に迫る。
ベルカは首を絞められて咳き込みながら、後ろに這いずる。
ラクスがゆっくりと近づいてディアブロスを振り上げた瞬間、暗夜軍を倒したのかカムイ達がやって来た。
「ベルカさん!」
「ちッ!」
ラクスはカムイ達が来た事で攻撃が停止し、その隙を突かれた。
カミラがベルカを掴み上げ、持ち去られた。
ラクスはこの形勢逆転劇にラクスはかなり焦り始めた。
「降伏してくださいラクスさん・・・貴方の親衛隊とは壊滅しました・・・」
「親衛隊が壊滅しただけで降伏すると思ったのか?とんだ愚か者だな。父親の様に甘い奴だ」
カムイは怒りを抑えた。
挑発に乗って攻撃してもラクスに逆に殺されるのは明らかだ。
「確かに私の父スメラギは甘かったかもしれません・・・ですが、両国の平和の為に行った行動は私は誇りに思います!」
「父親の様に甘い奴だ・・・良いだろう。なら、本当の戦いと言う物を・・・その身に刻め!」
ラクスはそう言うとカムイに攻撃し、カムイはラクスの攻撃を防いで反撃する。
ラクスはカムイの攻撃を防せぐと、反撃に出ようとしたが、光輝く矢が邪魔をした。
「姉さんはやらせないよ」
「白夜王国の王子タクミか・・・厄介だな・・・」
ラクスはいつの間にか取り囲まれているのに気がついた。
カムイを筆頭とした王族とその臣下。
どれも手強い相手しかいなかった。
「ラクスさん・・・私は一度、貴方を恨もうとしていました・・・ですが、恨んでも全てが帰る訳ではありません。貴方が父を殺したのにも何か理由があるのだと私は感じます」
「ッ!?」
「図星ですね・・・」
ラクスの反応を見たカムイは確信めいた言葉を言う。
「何故、そう思う・・・?」
「はい。私は少しですが、父の死んだ後の記憶を思い出したのです。私が、ガロン王に殺されようとした時、父を殺した筈の貴方が前に立って止めてくれましたよね?」
「・・・そんな記憶。正しい訳がない。お前はガロンに拾われて運よく生き残っただけだ」
「果たしてそうでしょうか?」
ラクスの言葉にカムイは一つ一つ、紐解く様に過去を思い出してラクスに言う。
「確かに私は気を失う前はガロン王によって拾われ運よく生き残ったかもしれません・・・ですが、それでは貴方が前に出てまで私を守った意味がないんです。・・・教えてくれませんか?父が殺される前の事を・・・」
「・・・教えん」
ラクスはカムイ言葉を聞いて教えないと一言を言い放った。
カムイは悲痛な表情で見てくる。
「教えてどうする?ガロン様に復讐でもするのか?例え理由はどうあれ、教えはしない・・・」
「何故、教えてくれないのですか?」
「・・・敵に語る言葉は無いからだ」
ラクスはそう言うと、馬から降りてカムイの元にやって来る。
回りの者達は警戒するが、カムイはラクスと向き合う。
ラクスはカムイの前に来ると、ディアブロスの柄をカムイに向け差し出す様に渡そうとした。
ラクスが行っているのは騎士の降伏礼でつまり、ラクスは戦う事を諦めたのだ。
「さぁ、殺せ・・・私は屈しない。例え、お前だろうと・・・」
「・・・」
カムイは黙ったまま暫く見つめていたが、覚悟を決めた様に手を伸ばす。