ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

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裏切り~前編~

~港町ディア~

 

ラクスはディアにやって来ると、慌ただしく怒声と金属音が聞こえてくる。

ラクスはこの二つの音で戦闘が始まっていると悟る。

 

「敵は誰だ?」

 

「あ、貴方様は!は、はい!現在、裏切り者のカムイとその軍と交戦中!今は我々が押されています!」

 

「やはりか・・・親衛隊。今度は逃がさなくても良い・・・皆殺しだ!」

 

ラクスはそう言うと、親衛隊は戦場に散っていく。

ラクスはさっそく、カムイを探しに馬を走らせ探していく。

 

「・・・見つけた」

 

ラクスはカムイに向かって更に馬を走らせる。

 

~カムイside~

 

私は親友と名乗る青年が率いている暗夜軍と戦闘になっていました。

最初にエリーゼさんが来た事は驚きましたが、頼もしい仲間が増え、更にエリーゼさんが新たにシャーロッテさんとブノワさんを仲間にしてくれました。

 

おかげで暗夜軍を押し返す事ができていた時、一つの知らせが私に届きました。

知らせを伝えに来た兵士は傷だらけで、サクラさんとエリーゼさんが癒してから聞きました。

 

「ほ、報告します!ラクス率いる親衛隊が増援としてやって来ました!」

 

「何ですって!?」

 

「カムイ!彼等と戦うのは得策ではないわ・・・一度、引き返すと言う事も考えて」

 

アクアさんはそう言いますが私はやはり、引き返す訳にはいきません。

 

「戦いましょう・・・彼等に勝てなければ真の敵に勝つ事すらできません・・・!」

 

「・・・分かったわ。でも、無理はしないで」

 

アクアさんがそう言うと同時に、馬を走らせて迫ってくるラクスさんが現れた。

 

~side終了~

 

ラクスはカムイの元まで来ると、カムイの回りを見る。

カムイの回りは味方で溢れ、更に戦力が増していた。

それだけではなく、カミラと何故かエリーゼまでいるのだからラクスは驚く。

 

「・・・カミラ様、エリーゼ様。どう言う事ですか?何故、カムイの側にいるのです?」

 

「私はカムイの味方に着く事にしたの。ラクス・・・退きなさい。幾ら親衛隊が強くても指揮系統の無い軍では勝ち目は無いわよ?」

 

カミラがそう言うと、ラクスは親衛隊を見る。

確かに親衛隊は好き勝手に暴れ、命令など知った事ではないと言う様な物だった。

 

「ふん、確かに指揮系統は無いが・・・彼奴らはやる時はやるぞ?」

 

「あら、私にため口を吐くのね?」

 

「貴方はもう裏切り者だ・・・エリーゼ様はどうしますか?」

 

「わ、私もカムイお姉ちゃんと一緒に戦う!」

 

カミラとエリーゼの言葉にラクスは恐れていた事態が起こった事を理解した。

ラクスは致し方なくディアブロスを抜く。

 

「良いだろう・・・お前達、裏切り者は・・・死ぬだけだ」

 

「させない」

 

ラクスがカムイ達に斬り掛かろうとした時、前から竜に乗った何者かが斧降り下ろさせた。

ラクスは回避すると、攻撃を仕掛けてきた者の正体を見て、激しく動揺した。

 

「ベルカ・・・!」

 

「・・・カミラ様の邪魔はさせない」

 

「何故だ・・・何故なんだベルカ・・・暗夜を・・・私をも裏切るのか・・・?」

 

「・・・否定はできない」

 

ラクスは動揺してディアブロスを震わせる。

 

「(私は・・・私は・・・!)」

 

「ラクス・・・お願い退いて」

 

「・・・拒否する。お前まで、敵になるのなら・・・私は・・・」

 

ラクスはディアブロスを震える手で構え、ベルカと対峙する。

 

「ベルカ!」

 

「来ないでください。私がラクスの相手をします・・・カミラ様達は暗夜軍を」

 

「でも・・・分かったわ。死なないで頂戴ね」

 

「はい・・・」

 

ベルカがそう言うと、カムイ達は暗夜軍に向かっていく。

 

「待て!」

 

「逃がさない」

 

ベルカは再び斧を振るいラクスに攻撃すると、ラクスは防いで、ベルカに反撃する。

 

「ベルカ・・・!やはりお前は・・・」

 

「・・・ごめんなさい。私はやはりカミラ様に着いていく・・・」

 

「・・・そうか。なら、カミラいや、お前の仲間全員を皆殺しにしてお前を連れて帰る・・・お前を誰にも渡さない・・・!」

 

ラクスは黒い靄が全身に包まれる。

ベルカは目を見開いて驚いた。

 

「狂気・・・」

 

「さぁ、始めようか?ベルカ・・・」

 

ラクスはそう言うと、ベルカに襲い掛かる。

兜の奥底に悲しみの色に染めた瞳を宿してディアブロスを振るう。


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