ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
進攻に失敗したラクスは、戦力がこれ以上減らさない為に暗夜王国に退却をしていた。
現在、ラクスは何故かマクベス、ガンズと共にガロンから咎めを受けていた。
「(こいつらも失敗したのか・・・)」
「それで?白夜王国に進攻した際に失敗した理由を聞こうか?」
ガロンは無表情で三人に聞く。
「はい・・・私は白夜王国の国境付近に辿り着いた時、村を攻撃したのですが謀反人のカムイによって妨害を受け、大きな損害を受けたので撤退せざるおえませんでした・・・」
「白夜王国に進攻したのは良かったのですが、私が通った道には何故か白夜軍の大軍がおり、戦っている内に被害が大きくなり流石に撤退しなければいけませんでした・・・」
「俺は部隊を壊滅させてしまいました・・・」
「「いや、可笑しいだろ」」
二人のまともな理由からのガンズの部隊壊滅と言う失態を聞いて、ラクスとマクベスはツッコム。
「お前は馬鹿か。何で部隊を壊滅させた?」
「そこはラクス殿に同感ですな?」
「いや、何か奇襲を受けちまってよ・・・」
「本当に馬鹿だ・・・」
ガンズが頭をかきながら苦笑いすると、ラクスがガンズを罵る。
ガロンはこのコントに見える三人の会話に溜め息を漏らした。
「はぁ・・・もう良い。それよりも次の任を与える。ラクス、お前にはもう一つの命であるカムイ討伐を続行しろ。マクベスはここに残り策を練り直せ」
「が、ガロン様・・・俺は?」
「お前は王城を掃除していろ。部隊を壊滅させた罰だ」
ガンズはガクリッ、と頭を下げる。
「ガロン様。任の続行に伴いお願いがあります」
「何だ?」
「私が鍛え上げた軍を率いさせてください・・・そう、貴方の親衛隊の事です」
ラクスの言葉にマクベスが反対意見を挙げる。
「なりません。親衛隊はガロン様をお守りする為の兵士、騎士達。態々、戦場に出すなど」
「何故、親衛隊なのだ?」
「私が率いさせて頂いた軍は練度が低く、まともに戦えないと判断したのです。もし、軍を変えるとすれば率い慣れた親衛隊の方が良いと考えたのです」
「ふふ、そうか。親衛隊はわしの直属部隊の中で、一番の実力を持つが獣同然の者が多い・・・わしの手に余るならお前に任せた方が良さそうだな」
ガロンはそう言うと、ラクスは頭を深々と下げた。
「ありがとうございます。必ずやカムイを討ちましょう・・・」
ラクスはそう言って退出すると、マクベスはガロンに問う。
「ガロン様。何故、ラクスに親衛隊を?」
「言ったであろう・・・親衛隊はわしの手に余りすぎる。元々はラクスが拾ってきたゴロツキ共で、ラクス以外の他人の命令など聞かん。強力故の諸刃の刃よ・・・下手をすればわしの命すら無視するだろうな」
ガロンはそう言いながら笑うと、マクベスは親衛隊の実態がまさかそんな風になっているとは思わなかったと思っている。
「だが、ラクスが親衛隊を率いるば話は別だ。暗夜王国の最精鋭に恥じぬ実力を敵に見せつけ恐怖を刻んできた。これでカムイも終わりだ・・・」
ガロンはそう言うと、笑った。