ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

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透魔ルート編
道を探る者


「・・・マークス兄さん。軍を引いてください」

 

カムイの言葉を聞いたラクスはディアブロスに手を掛けたが、ここで予想外の答えがカムイが言う。

 

「リョウマ兄さんも軍を引いてください」

 

カムイの答えは、どちらにも着かないと言っているに等しい事を言っている。

ラクスはカムイの言葉にどうすれば良いのか分からなくなり、マークスを見る。

 

「カムイ・・・裏切るつもりか?」

 

「違います!私は」

 

「くッ・・・お前にはまだ迷いがある様だな。ならば、私がお前の迷いを絶ちきってやろう」

 

「させるか!カムイは俺達の兄妹だ。絶対に渡さん!」

 

マークスとリョウマは各々の得物を構えて対峙した。

 

「止めてください!マークス兄さん!リョウマ兄さん!」

 

「下がれカムイ・・・リョウマ王子。貴様とはいつか刃を交えるつもりだった」

 

「第一王子同士の戦いか。良いだろう、貴様を倒し、カムイを連れて帰る!例え、無理矢理でも!!」

 

二人は戦いを始め、両軍も戦闘を再開し始めた。

ラクスはディアブロスを引き抜くと、白夜軍に向かっていく。

 

「行くぞ!」

 

「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉッ!」」」」」

 

ラクスの命令を受けた暗夜軍は白夜軍と全面衝突し、激戦になった。

ラクスは次々と来る白夜兵を斬り捨てていると、軍に乱れが起きているのに気づいた。

ラクスは辺りを見渡していると、伝令が走ってくる。

 

「ラクス様に伝令!カムイ様率いる部隊が我が部隊を攻撃しているとの事!」

 

「何だと!?では、カムイ様は白夜に!?」

 

「い、いえ・・・それがカムイ様は白夜軍の部隊にも攻撃を・・・」

 

「・・・いったい何を企んでいる」

 

ラクスは両軍を敵に回したカムイの行動に信じられないと考えていると、カムイが現れた。

そこには、水色の長い髪をした少女とジョーカーと茶髪のメイドもいる。

 

「ラクスさん・・・!」

 

「・・・カムイ様か。あと、ジョーカーと他の二人は知らんな」

 

「・・・今はそんな事は良いのです。お願いです・・・退いてください」

 

「何故だ?国の為に戦う騎士である私が何故、退かなくてはならないのです?今なら間に合う・・・カムイ様、暗夜にお戻りください」

 

「それはできません・・・私は両国がどちらも争わない道を探すと決めたのです」

 

カムイの言葉にラクスはもうカムイの考えを変える事ができないと考え、ディアブロスを向けた。

 

「そうですか・・・なら、死んでください」

 

「ッ!?」

 

ラクスからの突然の攻撃を避けたカムイは、ラクスに夜刀神を向けた。

 

「お願いです・・・軍を退いてください!」

 

「はぁ・・・やはり裏切り者に成り果てましたか・・・早く死んでください。私は白夜と戦争をしなくてはいけないのです」

 

ラクスはディアブロスを再びカムイに振るうが、メイドが防ぎジョーカーが暗器を投げてきた。

ラクスはそれを簡単に弾き返すと、今度は水色の髪の少女が薙刀で攻撃してきたが、これも防ぐ。

 

「四対一か・・・」

 

「・・・退いてくださいラクスさん。今の貴方に勝目はありません」

 

「ふざけるな・・・私が数が増えたぐらいで負けると思っているのか?お前さえ倒せば・・・終わりだ!」

 

ラクスはそう言いながらディアブロスを振るおうとしたが、暗夜兵数人に止められた。

 

「邪魔だ!」

 

「落ち着いてください!ラクス様、回りを見てください!」

 

ラクスは言われた通り回りを見ると、暗夜軍と白夜軍が奥に退き始めていた。

 

「これは・・・お前達、いったい何をした・・・!?」

 

「両軍の部隊長を倒しました。どちらも大きな被害で退かざるおえない状況にしたのです。ここにいるアクアさんの策ですが」

 

カムイは隣にいる少女アクアに顔を向けて言う。

 

「ちッ、まさか策士が紛れているとはな・・・」

 

「策士と言う訳ではないわ・・・ただ、両軍の部隊長が倒れれば戦いを一時的に止めざるえないと言う事を知っていたから」

 

アクアが無表情でそう言うと、ラクスは兜の下で悔しさで顔を歪めた。

 

「ラクス様!我々にも撤退命令が出されています!どうか撤退を!」

 

「・・・撤退だ。今すぐに退くぞ」

 

ラクスがそう命じると、暗夜兵達は撤退していく。

 

「カムイ様いや、カムイ・・・今回は私の負けだ・・・だが忘れるな。お前は必ず討たれる・・・両国を敵に回したのだからな」

 

ラクスはそう言ってから自分も撤退していく。

まさかの結果にラクスは悲痛な思いをしつつも、今は撤退するしかなかった。

 


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