ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

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悪逆の果てに

城内の戦闘に呆気に取られていたラクスの元に兵士が報告しに来ました。

 

「ラクス様!城内では直属部隊とカムイ様の部隊が戦っております!」

 

「何だと!?何故だ・・・何故、カムイ様達が!」

 

「わ、分かりません・・・」

 

兵士の言葉にラクスは顔を歪めると、兵士に指示を出した。

 

「この際だ!カムイ様達の戦いに乗じて直属部隊に攻め掛かれ!」

 

ラクスの命令を聞いた兵士達は直属部隊に攻め込む。

瞬く間に乱戦となり、ラクス自身もディアブロスを手に直属部隊を相手に戦う。

 

「マクベスとガンズを探せ!奴等さえいなくなればガロンは手足をもがれたも当然だ。探せ!」

 

ラクスは城内を歩きながらマクベスとガンズを探していると、カムイが走って来るのが見えた。

カムイもラクスを見つけたのか立ち止まった。

 

「ラクスさん・・・」

 

「カムイ様・・・何故、こんな事を?」

 

「それは私の台詞ですよ。ラクスこそ何で謀反を仕掛けたのですか?」

 

「・・・私は自分の良心に従って動いただけです。貴方の為ではない」

 

ラクスはカムイにそう言うと、歩いて行こうとする。

 

「待ってください!貴方は何故一人で背負おうとするのですか!・・・仲間なんですから私達に頼ってください」

 

カムイは悲痛な顔で見つめてくる。

 

「・・・私は貴方の父を殺した、それも目の前で。だから、貴方の仲間に相応しくない・・・!」

 

「そんな事はありません。だって貴方は私をこの場所に来るまで守ってくれました・・・それなのにお父様の事で仲間ではないと言うのはおかしいです!」

 

「カムイ様・・・」

 

カムイの言葉にラクスはうつ向きながら悲痛な顔をする。

今までにカムイの父スメラギの事で、常に不意目を感じていたラクスにとっては救いのある言葉だった。

 

「・・・ありがとうございます。ですが、それでも私自身で決着を着けたいのです」

 

「・・・それなら私も一緒に戦います」

 

「ッ!?」

 

「貴方がお父様・・・いえ、ガロンと戦うのなら私達も共に戦います!」

 

カムイはそう言うと、ラクスは涙を流した。

 

「・・・私にとって本当に勿体無い仲間達だ」

 

「おやおや、謀反人のラクスとカムイではありませんか?」

 

空気の読めないこの発言を聞いてラクスは予想がついた。

ラクスがそこを見ると、マクベスがいたのだ。

 

「マクベス・・・!」

 

「ふん、まさか貴方が謀反とは・・・世の中分かりませんね」

 

「黙れ。お前の様な野心家に言われたくない。今すぐにその首を差し出せ。私の妻を泣かせたんだ・・・楽に殺してはやらん!」

 

ラクスはディアブロスを構えてマクベスにそう言うと、マクベスは不適に笑って魔導書を手にした。

 

「ふふ、貴方は変わりませんね?暗夜の出世頭同士の対決・・・ガロン様が見れば喜びそうですね?」

 

「正気だったらな。もはやガロンはどうかしている・・・あの方はもう、私利私欲にしか動かない」

 

「そうですね・・・ですが、それでこそ私は出世できた!だが、貴方に今、壊された!出世どころの話ではない・・・もう、私の命すら危険なんですよ!」

 

「ッ!?ラクスさん!」

 

カムイの叫びと同時に、マクベスは逆ギレとも取れる言葉をラクスに言い放ちながら魔法をラクスの至近距離で発動させる。

だが、ラクスは魔法を意図も容易く避けてマクベスを斬りつける。

マクベスはラクスの攻撃を肩に受けて思わず、身を引いた。

 

「ひッ!な、何て奴だ!至近距離の魔法を!」

 

「お前には分かるまい・・・望まないのに勝手に出世する者の苦しみを・・・出世した分だけ人を殺して苦しむ気持ちを・・・」

 

「それが何だと言うのです!暗夜は!」

 

「暗夜が何だ?暗夜は戦争する為の国家あるいは出世する為の国家とでも言いたいのか?笑わせるな・・・お前の様なクズに暗夜を語る事は許さない」

 

ラクスはそう言うと、ゆっくりとまさかに向かって歩いて行く。

マクベスは魔法を発動させ様もしたが、中々発動しない。

ラクスはマクベスの前に立つと、ディアブロスを降り下ろした。

 

「ひぃッ!・・・あれ?」

 

「消え失せろ・・・二度と暗夜にその面を見せるな」

 

ラクスはマクベスの目と鼻の先にディアブロスを止めており、マクベスは腰が抜けてへたれ込む。

 

「ど、どうして殺さないのですか?」

 

「・・・昔の借りだ。新米だった時、戦地で偶然にも助けられたその借りを返した。さぁ、死ぬか消えるか早くしろ」

 

「・・・あまい奴め。だが、もう二度とお前の前に出てやるものか!」

 

マクベスはそう言うと、走って逃げていった。

 

「良いのですか?」

 

「・・・彼奴の処分は外にいる反乱兵に任せる。私は個人的に命は助けたが、反乱兵は許すと言っていないだろ?」

 

ラクスはそう言ってカムイに微笑むと、仲間達がやって来た。

 

「カムイ。片付いたぞ・・・ラクス」

 

「父さん・・・」

 

「・・・マークス様、レーラ」

 

「・・・ラクス。反乱の訳は後で聞こう。それよりもカムイ、お前の父上に対する真実とは何だ?」

 

マークスはカムイに問うと、カムイは真剣な顔つきで言う。

 

「はい。私が今から王座の間で見せる物が真実です。暗夜王ガロンの本当の姿を」

 

カムイはそう言うと、アクアと共に王座の間に歩いて行く。

そのカムイの後に続く様にラクスと仲間達も続く。


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