ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

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密約

ラクスは部隊を率いて王城の城門前に来ていた。

ラクスは反乱の賛成した者で構成された部隊に命じて爆薬を仕掛けており、ガロンやカムイ達が来る前に終わらせた。

 

「後は指示が来るのを待つだけだ」

 

数分後、ガロン達とカムイ達がやって来ると、カムイ達は悲痛な表情でラクスを見ている。

それは当然の事で、ベルカ以外はラクスが反乱を企てているとは知らず、ラクスが裏切った様にしか見えない。

 

「(それで良い・・・お前達は知らなくて良いんだ・・・)」

 

「・・・時間だ。押し潰せ」

 

ガロンの命令を聞いてラクスは、ディアブロスを抜いて部隊に命じた。

 

「突撃!」

 

ラクスの命令を聞いた部隊は一斉に突撃し、ラクスも突撃した。

ラクスは少し入った所で立ち止まり、爆薬の点火を命じる。

 

「点火しろ」

 

「は!」

 

暗夜兵は爆薬に点火すると、火を起こし激しく爆発した。

 

~カムイside~

 

私は先鋒の役目をラクスさんに取られ次鋒として、待っていた時、城門がいきなり爆発して道が塞がれました。

突然の事に私や皆は固まってしまいました。

 

「爆発!?」

 

「もしかして、白夜が・・・!?」

 

「・・・ラクスは!?」

 

「ッ!?お父様、ラクスさんは!?」

 

私は慌ててお父様にラクスさんの安否を聞きましたが、お父様は冷静でいた。

 

「お前が心配する事はない・・・ラクスはわしの臣下。この程度の事は既に折り込み済みだったのだろうな」

 

「そんな・・・」

 

私はラクスさんを誤解していました。

手柄欲しさにヒノカさんを殺し、先鋒を奪ったと思っていましたが、こんな事態がラクスさんが予想していたなんて思いませんでした。

 

「ラクスさん・・・」

 

私はラクスさんの無事を祈るしかありません。

 

~side終了~

 

ラクスは城門を爆発させた後、王城を歩いてリョウマを探す。

ラクスが歩いていた時、目の前に影が降りてきた。

 

「・・・サイゾウか」

 

「できれば戦場で会いたくなかったぞ。貴様には恩があるが、これもリョウマ様の為だ」

 

「話を聞け・・・私はリョウマ王子と密約を交わしに来た」

 

ラクスの密約を交わしに来たと聞いて、サイゾウは目を見開く。

サイゾウは白夜筆頭の忍びで、ラクスの事などすぐに調べられる。

ラクスは誰よりも王族、ガロンに忠誠を誓っている騎士とサイゾウは調べで知っていて驚いたのだ。

 

「・・・とにかく時間が無い。リョウマ王子の所へ連れていってくれるか?」

 

「だが・・・」

 

「待てサイゾウ」

 

サイゾウは後ろを振り向くと、そこにはリョウマが腕を組んで立っていた。

 

「リョウマ様!?危険です。お下がりください!」

 

「いや、下がらん・・・俺はラクスと話して見ようと思う」

 

「ッ!?」

 

「奴が密約を望むと言う事は暗夜を裏切ると言っているに等しい・・・なら、使える手は全て使う」

 

「それが、罠でもですか・・・ 

 

リョウマは頷くと、サイゾウはそれを見てリョウマの後ろに下がった。

 

「それで密約の内容は?」

 

「・・・一時的で良い、死んだ事になってくれ」

 

「ッ!?貴様!!!」

 

「待て」

 

ラクスの死んだ事にしろと、言う言葉に激昂したサイゾウをリョウマは止めた。

 

「何故だ?」

 

「この戦を早く終わらせる為だ。白夜が負けてこの城が陥落すればガロンは意気揚々と入城する。そこに付け入り、反乱を起こす」

 

「つまり、少数になったガロンを襲うのか?」

 

「あぁ・・・この城にも限界はあるからな。それに外に残る兵の大部分は国や故郷を追われた者達で、私の賛同者しかいない。よって、ガロンとそれに付き従う直属軍は包囲され逃げ場が無くなって殺される」

 

ラクスの策にリョウマは一つの疑問をラクスにぶつける。

 

「カムイはそれを知っているのか?」

 

「敵を欺くにはまず味方から・・・この言葉の意味は分かるでしょ?」

 

「・・・」

 

ラクスの言葉を察したリョウマは黙って考え込む、ラクスは了承してくれる事を祈っていると、リョウマは顔を上げた。

 

「良いだろう・・・一度死んでやる。だが、必ずガロンを討て」

 

「はい・・・」

 

ラクスはこの時、策の実効が可能になった事を確信した。

リョウマはその後、ラクスが用意したジェネラルの鎧を使って暗夜兵に紛れ込ませ、ラクスは一つの部屋に火を放ったのだ。

リョウマが自害したと見せかける為に。


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