ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
ヒノカとの戦いの後、ラクスはヒノカの薙刀を持ってカムイの元に現れた。
血塗られた薙刀を見たカムイは驚いて声も挙げられなかった。
「その・・・薙刀は?」
「・・・白夜王国第一王女ヒノカの薙刀です」
ラクスはそう言うとカムイは立ち尽くしていた。
「ラクス・・・まさか!」
「・・・討ちました。やむ得えず」
ラクスの言葉に、仲間達は黙り込んだ。
「・・・何で、何でヒノカさんを!」
「・・・」
「話してください!ラクスさん!!」
「カムイ!・・・辛いのは分かる。耐えるんだ」
ラクスの胸ぐらを付かんで叫んだカムイにマークスは咎めると、カムイは静かに離した。
「・・・カムイ様。今日より、貴方の部隊から離脱させてください」
「ッ!?」
「私は貴方の実の姉を殺しました。それは事実・・・だから、貴方に着いていく資格は、ない」
「ラクスさん・・・」
カムイの言葉にラクスは悲痛な表情をしつつ一礼し、立ち去った。
_________
_____
__
ラクスはカムイの元を離れて歩いていると、ベルカが現れた。
「何の用だ?お前はカムイの部隊だろ」
「貴方・・・本当はヒノカ王女を殺していないんでしょ?」
「・・・やはりお前には分かるか」
「何れだけの付き合いだと思っているの?それで、貴方の目的は?」
ベルカの問いにラクスは応える。
「白夜に勝利した後で、反乱を起こしてガロンを討つ・・・」
「ッ!?」
「もう、これしか無いんだ・・・暗夜は血と罪に汚れすぎた。ガロンを討つ事しかもう、救えない」
「でも、反乱を起こして負けたら・・・!」
「その時は、死のう・・・お前には迷惑を掛けるかもしれないが、これだけは俺の道だ。お前達を巻き込みはしない」
ラクスはそうベルカに伝えると、ガロンの元に歩いていく。
「ラクス!」
「なん、ッ!?」
ラクスは振り返った瞬間、ベルカにキスをされた。
「・・・必ず無事で帰ってきて」
「・・・てっきり止めに入るのかと思ったよ」
「貴方は一度決めると意思は変えないのは、昔も今も知ってるから・・・だから、見送るしかない」
「・・・すまない」
ラクスは今度こそ、ガロンの元に向かった。
___________
______
___
「ラクスよ。城門の守りに着いていたヒノカを討ち取ったらしいな・・・」
「はい・・・此所まで来ればカムイ様は私の助けは必要無いでしょう。だから、私は貴方の元に戻りました。どうか、臣下として復帰させてください」
「良かろう・・・それ以外に望みは?」
ガロンの言葉を聞いて、ラクスは言う。
「王城に攻め入る先鋒を」
「くくく、お前は働き者だな・・・良かろう、任せてやる」
「ありがたき幸せ・・・」
ラクスは王城に先に入る名分を得ると、次の行動に移す為、移動する。