ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】   作:コッコ

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死神の行軍

ラクスは白夜王都に着くとそこには白夜の民達が立ち尽くしていた。

 

「暗夜軍だ!暗夜軍が攻めてきたぞーー!!!」

 

「あの指揮官・・・まるで死神だわ」

 

「・・・」

 

口々にラクス達、暗夜軍を恐れる様な声を挙げて逃げ始める。

ラクスはそんな白夜の民達などお構いなしに軍を進めていると、ラクスの元に石が飛んできた。

ラクスは飛んできた石を片手で受け止めて、飛んできた方向を見ると、そこにはまだ幼い子供がいた。

 

「出ていけよ暗夜!」

 

「止めるんだ坊主!」

 

ラクスは受け止めた石を持ったまま子供の元に馬を進めていく。

白夜の民はラクスに恐れを成して、子供を助ける気力すらなかった。

 

「・・・石を投げたのはお前か?」

 

「そうだ!この侵略者!」

 

子供の言葉にラクスは笑う。

 

「ふ、面白い奴だ。こんなにも胆の据わった者を見るのは暗夜でも希だ・・・今回はお前の胆に免じて命は取らん。だから・・・失せろ」

 

「ひッ!?」

 

ラクスは威圧を子供にぶつけると、石を投げて捨てた。

ラクスは元の場所に戻ってから行軍を再開した。

ラクスは白夜王城を完全に包囲して兵糧攻めから始めた。

 

「奴等の士気は大きい。無駄に戦わず相手方の士気を挫き、ガロン様の本隊と合流して・・・討つ」

 

「ですが、白夜方は黙って見ているのでしょうか?兵糧攻めをされ続ければ負けると分かっていて」

 

「それも計算に入れている。万が一、奴等が打って出れば・・・その時こそ白夜の終わりだ」

 

ラクスは不適に笑う。

 

「そこまで計算ずくでしたか・・・」

 

「あぁ、だが油断するな。敵は少数とは言え手強いぞ?」

 

「承知しております」

 

ラクスはそれを聞くと、再び白夜王城を見つめる。

補給の絶たれた白夜軍が、ガロンが来る前に降伏してほしいとラクスは思っていた。

ラクスはカムイの考えはよく知っている。

カムイは白夜の兄妹を助けようとしているとラクスは考え、早期の決着を着けてリョウマ達をガロン達に内密で保護しようとしていた。

 

「(早く出てこい・・・打って出てくれば何とか早く決着を着けられる!)」

 

ラクスはそう願うが、その願いを壊す様に伝令が走ってきた。

 

「ご報告します!ガロン様の本隊が到着しました」

 

「・・・ご苦労」

 

ラクスはそう言い振り向くと、暗夜軍の大軍が音を立てて行進している。

まるで、死神の行軍であった。

 

「ラクスよ。よくぞ白夜軍を追い詰めた。褒めてつかわすぞ」

 

「・・・ありがたき御言葉」

 

「さて、お前にはカムイの元に戻り先鋒として仕事を果たせ・・・お前はわしの自慢の臣下だ、期待しているぞ」

 

ガロンはそう言うと、奥の方に下がって行った。

ラクスはガロンが行くのを見送ると、拳を力強く握った。

 

「・・・そろそろ、決断するべきかもしれないな」

 

ラクスはそう言うと、カムイ達の元に向かった。


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